太陽海賊団
真由美「頼みがあるんだけど。」
真由美がノホホンとした口調で尋ねた。
義元「なんですの?」
義元、いらついてる...。
真由美「私を金星まで連れていってほしいの。
それまでの道のりに私の仲間が待ってるから。」
俺たちはとくに何もすることがなかったので真由美の指示通りの道を進むことにした。
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利休「ふごぉっ!?」
利休は腹を押さえて倒れた。
サリエリ「大丈夫!?」
サリエリ先生が慌てて利休に駆け寄ると利休の手には茶器が握られていた。
利休「抹茶...湯煎し忘れた....。」
サリエリ「...」
サリエリ先生は腹に蹴りを入れると間髪入れずにもう一発。
利休は失神した...。
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真由美「着いたわ。」
綺麗な銀河の中、真由美は荷物を纏めた。
間もなく、宇宙船が激しく揺れる。
凌牙「な!?」
真由美「ハッチを開けて。」
真由美はハッチを開けるとガムを口に入れ、宇宙へ飛び出した...。
同時に俺たちは巨大な何かのアームによって捕獲された...。
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しかし奇妙だった。
捕獲されたというには手錠や縄にはかからず、拷問というにはちゃんとした食事が出された。
大広間で寛いでいるとしばらくしてテンガロンハットを目深に被った青年がやって来た。
??「いやあ!拉致るような形になってすまない!」
その声は女性のように涼やか。
帽子の影から覗く瞳も柔和な感じがする。
その後ろではピンク色のウェーブロングヘアーの女の子がムスッとした顔で立っている。
なんとなく雰囲気からして彼女のようだ。
??「僕は『太陽遊斗』。
この広い銀行系で海賊団を組織してるリーダーさ。」
凌牙「要は俺たちを引き入れたい...と?
断る。」
???「何よ!せっかく遊斗が勧誘しようとしてるのに!」
遊斗「まぁ落ち着け、ツァン。」
遊斗は笑顔でツァンの頭を撫でると彼女はおとなしくなった。
遊斗「理由は?」
凌牙「んなものない!」
遊斗「ちなみに、君たちの船は盗品だろ?
事情は分かるんだ。」
遊斗はビリヤード台まで歩くとビリヤードを慣れた手つきで突いてボソッと呟いた宣言通りボールを穴に入れた。
凌牙「(すげぇ...)」
俺は遊斗には勝てないと悟った。
遊斗「こうしよう。
僕の船は多く船や人を収容できる。
僕は君たちに船の許可を下ろし、君たちの仲間を安全に匿い、食事や衣服を提供する。
代わりに君たちは僕の海賊団に入る。
入るとは言っても」
遊斗はポケットから狐とビリヤードをモチーフにしたバッヂを見せた。
遊斗「これをみんなつけてもらう。
どう?
悪い話かな...?」
サリエリ「確かに...リヴィエールや吉継は非戦闘員...。
これ以上争いに巻き込んだら死んでしまうかも...。」
翔子「どうする?」
俺は決めた。
凌牙「バッヂをよこせ。」
遊斗はニッコリ微笑んだ。
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利休「皆さん、お茶を用意しました。」
利休はみんなのために和風茶会を開いた。
利休が作った抹茶が遊斗たち二人に運ばれる。
こうして俺たちは正式に遊斗たちの海賊団に入団した。