旅立ち
俺は設計図に目を通していた。
翔子「何見てるの~?」
翔子は設計図を取り上げると首を傾げた。
凌牙「知ってるか?
この世界には宇宙を飛び回り、太陽の中すら平気で突破する宇宙船があるって話。」
俺は設計図を掲げた。
凌牙「そいつをついに見つけたんだ。
場所は日本の栃木。
しかも日光東照宮の池の底だ。」
翔子「な...」
凌牙「知ってるか?
日光東照宮で『カゴメ』の歌を歌いそれに従う。」
カゴ~メカゴメ...
俺は歌いながら指を動かしていく...。
ウシロノハンブンダアーレ?
俺は池の設計図を指差すと池の下半分を指で囲った。
翔子「すごい...!!!」
凌牙「だが...今は政府の管理下だ。
調査するのは難しい。
ここにあるという確信はこれだ。」
俺は透視グラスだった。
凌牙「これで見ると宇宙船が見えたんだ。」
翔子「なるほどね...。」
義元「私に名案がありますわ。」
義元が笑顔で物陰から現れた。
凌牙「立ち聞きは最低だぞ。」
義元「まあまあ。
こういうのはいかが?」
最強の策士と呼ばれた今川義元の目が光った...。
*********
義元はみんなを集めた。
サリエリ「何かしら?」
利休「...」
俺は小さな声で話した。
凌牙「俺はこの世界に飽き飽きした...。
だから。」
俺は目を光らせた。
凌牙「この世界から脱出する。」
サリエリ「本気で言ってるの?」
利休「なんでも宇宙船を見つけたそうで...」
なんで知ってるんだよ!
あんたは!
凌牙「とにかく、策を義元が考えてくれた。」
俺はスクリーンに画面を映した。
凌牙「まずは誰かが死角からカメラを全て破壊して騒ぎを起こす。
その隙に身軽な奴が二人忍び込む。
といういたってシンプルなものだ。」
サリエリ「でも...!!!」
サリエリ先生は立ち上がった。
サリエリ「そんな事したら誰かが脱出できない!!!」
義元「私がやりますわ。」
サリエリ「義元さん...」
義元「今こそ主に忠誠を示す機会...これを逃したらもう...私はただの犬のままですわ!!」
義元の覚悟に俺もビックリした。
利休「...私も陽動します。」
サリエリ「利休...」
利休「短い間でしたが、とても充実した時間を過ごせました。
だから―」
??????「その心配はありません。」
突然扉が開き、俺は仰天した。
凌牙「リヴィエール!」
なんと吉継を背中のかばんに入れたリヴィエールが現れた。
リヴィエール「バミューダ王国の兵士を用意しました。
彼らは優秀ですし、死刑が確定した者...彼らに任せます。」
サリエリ「あの...どちら様で?」
リヴィエール「バミューダ海域に城を構えるバミューダ王国の姫騎士『リヴィエール』です。」
サリエリ「バミューダ!?」
サリエリ先生は驚きのようです。
リヴィエール「決行は?」
凌牙「早いとこやった方がいい。
使われると困るからね。」
利休「明日にしましょう。」
利休はそういうとそそくさといなくなり....三分して戻ってきた。
利休「四次元ポケット使います?」
全員「...」
俺は躊躇いなく鳩尾に拳を埋めた。
凌牙「あるならさっさと言え!!!!!!!!!!!!!!」
*********
リヴィエール、吉継と利休はポケットに避難し、俺と翔子は侵入。
サリエリ先生と義元は陽動に入ることになった。
義元「私の腕を見せてあげますわ!」
義元が放った矢は寸分違えずカメラを破壊した。
サリエリ先生も見張りを手早く棍でたたきつぶし、道を開ける。
サリエリ「早く!」
凌牙「行くぞ!!」
俺たちは池に飛び込み池底のハッチを開けた。
サリエリ「来たわね♪」
義元「生憎、私たちは」
サリエリ&義元「チート性能持ちですよ!!!!」
*********
俺たちはハッチの中を見て仰天した。
凌牙「すげえ技術だな...。」
翔子「危ない!」
翔子が素早くパワーマキシマを放ち、背後にいた兵士の頭を撃ち抜く。
凌牙「はっ!」
一気に距離を詰めると回し蹴りを後続に打ち込む。
凌牙「後ろは任せた!」
勢いよく走る。
出てくる兵士は片っ端からサイコガンの餌食にする。
翔子「はっ!」
後ろでは翔子がパワーマキシマに加え、新しく買ったオートマチック拳銃『ベレッタM92』を発砲する。
凌牙「見えたぞ!」
俺は翔子を抱くと天井にワイヤーを打ち込む。
凌牙「援助を頼む。」キリッ
翔子「(ポッ///)任せて...」
俺は飛ぶと宇宙船の目の前の着地点目指して急降下する。
翔子は四方八方から来る弾丸の雨を精密射撃で全部相殺していく。
凌牙「ヨッと。」
着地するとサイコガンを撃つ!撃つ!撃つ!
凌牙「翔子!船内の征圧を頼む!!」
翔子は頷くと弾幕の中を走っていった...。
*********
兵士たち「うわあああああああああ!!!!!」
兵士たちの頭が沸騰して吹き飛ぶ。
サリエリ「弱い...弱すぎる!!」
その気迫に兵士たちが怯む。
義元「甘いですわ!」
死角から矢が飛び、分厚い装甲の隙間を抜け内部を破壊する。
サリエリ「破滅光子弾!!!」
光の波動が兵士たちを蒸発させる。
兵士「無理だ!退くぞ!!!」
兵士「ですが!あの船は国家機密!盗まれたら」
兵士「そんなこと言ってる場合か!!!」
兵士たちが一目散に散っていくのも容赦なし。
義元の矢の雨が次々と頭を貫通した。
義元「暗殺に有効なのは心臓ではなく脳を潰すことですわ。」
サリエリ「連絡が来たみたい。」
サリエリ先生は耳につけたイヤホンマイクに注目する。
サリエリ「征圧成功みたい。
乗る準備するわよ!」
サリエリ先生と義元は兵士たちを全滅させると目的地まで走った...。
*********
凌牙「はっ!」
サイコガンの一撃が次々と兵士たちを焼き切る。
接近してくれば右腕の剣の餌にした。
翔子「乗って!用意が終わったわ!」
船内に入ると急いで扉を閉め発進する。
翔子「操縦はさっきのうちに暗記したから任せなさい!!」
船体が上昇を始める。
俺は手早く死体、血、内容物などを船内から除去するとハッチを開けた。
弾丸の雨をかわしながら気配に向けてサイコガンを撃つ!
サリエリ「凌牙!こっちよ!」
俺は梯子をサリエリ先生たちにほうり投げる。
サリエリ先生は光子の壁を張り安全を確保してから義元と連れて船内に入った。
※ちなみに四次元ポケットは義元が持っていた。
ハッチを閉めると俺は翔子に指示を出した。
凌牙「大気圏に突入するぞ!!!」
翔子「なるほど、追っ手を振り切るには宇宙に出るのが一番ね!」
利休「さよなら!地球!」
宇宙船は大気圏をものともせず宇宙へと飛んで行った...........。
次回から宇宙編!




