新たな腕
凌牙が変わる回だぜ!
リヴィエールの紹介で着いた場所は誰も寄ったことがないと思わしき寂れた家だった。
凌牙「みんなには内緒だから...帰ったら怒られるよな。」
みんなには散歩に行くと言っている。
ま...バレたらバレたなりだな。
俺は決心して家に入った...。
*********
そこにいたのは歳老いた医者だった。
凌牙「よぉ爺さん。」
老人は振り向くと笑った。
老人「遂に来たか。
リヴィエールは見つけ出したんじゃな!」
老人は俺の肩を叩いた。
凌牙「リヴィエールがお前に渡すものがあるらしい。」
俺は老人に袋を押し付けるとボロボロのカーペットに座った。
老人は真面目な顔になる。
老人「お嬢さん。
お嬢さんは力が欲しいのかい?」
凌牙「ああ。ドーピングでもなんでも頼む。」
俺は手鏡に顔を映す。
老人「本物に近い腕を宿し、その中には銃が仕込まれている......」
凌牙「?」
老人「これは昔、バミューダ王国にやって来た盗賊の風貌についての記述だ。」
凌牙「それって!?」
老人「ジョー・ギリアン。
そう呼ばれた。
腕に銃を仕込み、不死身の体で無敵といわれたバミューダ兵士を倒しまんまと宝を盗んだ。
しかし...バミューダ王国は彼を生け捕りにし銃と義手の構造を記憶した。」
凌牙「それと何の接点がある?」
老人「接点ならある。
お前にはあるか?
無限に沸き立つ情熱が。」
凌牙「情熱?」
老人「愛...怒り...悲しみ...それらをエネルギーにその銃は発射したと言われている。
お前にはあるのか?」
凌牙「あるさ...
復讐という名の情熱がな。」
老人「復讐...なるほどな。
お前は織田凌牙か。」
凌牙「なぜ知っている?」
老人「ワシは人を見抜く天才でな。」
老人はカカカと笑うと尋ねた。
老人「その腕にその盗賊の銃をつけたくないかね?」
凌牙「!!!.................フッ。
いいさ。
さっきから左腕が疼いてしょうがないんだ。」
老人「手術はすぐ終わる。
それまで麻酔で眠っていなさい。」
俺は麻酔を打たれると気を失った...。
*********
??「起きて!」
凌牙「く....」
気がつくと俺は自宅のベッドで眠っていた。
みんなが俺の顔を覗き込みホッとしていた。
翔子「大丈夫?心配したのよ?」
凌牙「俺は...」
翔子「私が捜してたらボロ家で気絶してたのよ!?」
利休「ですが...腕が治ってますね?
これは...」
凌牙「触るなよ!(やはり夢ではなかったのか?)」
俺は起きると左腕を見た。
左腕は...元通りになっている。
凌牙「ってことは!」
俺は走って射撃場へと走って行った。
サリエリ「待って!」
義元「無理は禁物ですわ!!!」
*********
射撃場に向かうと俺は的に意識を集中させ.....左腕に手をかけた。
義元「凌牙...鉄砲は―」
そして義手を抜くと的に撃った。
的は穴を開けられ無惨な姿になってしまった...。
翔子「ウソ........」
みんな絶句していた。
利休「サイコガン....ですよね?」
凌牙「違うな。
こいつの名は『暴鮫龍』。
俺なりにアレンジされたサイコガンさ。」
サリエリ「ハハ...なんてスピードなの...義手もあるから長短両方操れる戦士なるんだね...凌牙は。」
*********
サリエリ「うぐっ!?」
サリエリ先生はサイコガンから放たれたショックガンでノックダウンした。
凌牙「長短使えるのは有利だな...。」
遠くからなら暴鮫龍の餌食に、近距離なら鮫の剣でたたき潰す。
俺は強くなりすぎた。
翔子のフルバーストをサリエリ先生に学んだバトルテンポでかわすとサイコガンをショックガンにして撃つ!
相手に意識を集中させて撃てば相手は逃げられずやられる。
翔子も撃墜されたのを確認すると銃を納めた。
*********
利休「しかし...凌牙さんの戦術が根本的に変わりましたね。」
義元が紅茶を啜る。
義元「ですわね...」
利休「あなたは強くなりたいという願望を持っていないのですか?」
義元「...私の役目は狙撃。
それより上を目指すつもりはありませんわ。」
利休「なんて立派なお言葉でしょう...」
利休は紅茶を飲むと昼寝を始めた...。
*********
一方の俺は...
エレキギターを弾いてバンドの練習中。
サリエリ先生がベースを担当。
翔子はドラムとボーカルを両立して取り組む。
リヴィエール...吉継...元気にやってるかな...。
義手は元の腕と変わりなく動く。
何か物足りない時間が過ぎていった...。
まさかのサイコガンネタが来ました。
正確にいうとサイコガンではなく違う名前なんですけど...解りやすくするためにあえてサイコガンとしておきます。




