生徒会日誌その六、俺と俺の生徒会とはなんたるか
そもそもな話。そもそもな話である。
文化祭は10月中盤だが、今はもう夏休み終わりかけの8月下旬である。
これが意味することがわかるだろうか?
単純に考えて準備の取り掛かりが遅いのである…
いやまあ生徒会長の俺が悪いかもだけど、顧問のあの人もなかなかのもんだよ…?とかなんとか…
「はあ…てか種子島…なんで俺とお前しかいないの…?」
不思議や不思議…もはやミステリーハンターに来てもらっていいレベルだ。
「わたくしが思うにばっくれとかいうのではないでしょうか…?」
あいかわらずクソ暑い中着物を着て、涼しい顔をしながら種子島がそう答える。
「他の奴はどうか知らんが俺の絢川は絶対そんなことしない!」
絢川がそんなことするわけないだろ!
「い、いつから絢川様は貴方様のものになったでございますか!?」
驚愕!と言った表情を浮かべて種子島が聞き返してくる。
「い、いやなんでもない!気にするな!」
おっと口が滑っちまった…この世界線の話じゃなかったぜ…
とか思いつつ必死に弁解をする。
「そうでごさいますか…なら気にいたしません…」
俺の必死の弁解あってか種子島があっさりと引き下がる。
てか、あっさりしすぎじゃね!?
いやまあ別にいいけど…
「そういえば気になってたんだけど、お前ってさ夏休み前までお嬢様キャラだったのにさ、なんで今そんな古風な喋り方になってんの?」
そう…種子島は夏休み前まで超上から目線で、ナチュラルに「パンがないならお菓子を食べればいいじゃない」とかいいそうな勢いだった…
「あれはですね…演劇部で演じたマリー・アントワネットが抜けなくて…誠に申し訳ございませんでした…」
そう言って種子島は深々と頭を下げる。
「いやいいよ別に…てか顔あげてくれよ」
こんなところ誰かに見られたら、「あの生徒会長、役員に土下座プレイさせてるらしいよ」とか噂が広まってしまう…
無論絢川が土下座してくれるのは大歓迎だ!
「ありがたき御言葉…これより貴方様のことは殿方と呼ばせていただきます!」
目をキラキラと輝かせて妙に高いトーンで言ってくる…
い、いや呼ばれたくねえよ…