生徒会日誌その五、俺とあの人とはなんたるか?
当たり前だが、高校生活において顧問というのはとても大きな存在となるだろう…。
だが、我が等道高校生徒会顧問はまるで役に立たないのだ…。
それはどういう意味か?まあ生徒会顧問小野真咲について少しだけ語ってみよう。
小野真咲というのは、生徒会顧問の教師の名である。担当教科は数学、あだ名は無気力先生…。本人はその称号に誇りを持っているらしく、自己紹介のときはたいてい「俺のことは適当に無気力先生とでも呼んでくれや」とか言ってる。
「失礼しまーす、小野先生いますか?」
クーラーの効いた職員室の中に入りつつ、口早にそう尋ねる。
てか、職員室クーラー効き過ぎじゃね?寒いくらいなんだけど!節電の概念はどこに消え失せた!?
「おー時田か!なんだ?俺に用か?」
職員室の奥のほうから気だるそうな声が聞こえてくる。
小野の方へと歩み寄る。
小野はラーメンを啜りつつ、こちらに「え、なに?」みたいな感じでアイコンタクトを送ってくる。
「小野先生…なんでラーメン食ってるんすか…?」
特に興味ないのだが、社交辞令的に聞いてみる。
「え、なに?俺がラーメン食っちゃダメなの?」
なんか若干キレ気味で尋ねてくる。
なにキレてんのこの人…めんどくせえ…
「いや、今日暑いのになんでラーメン食ってんのかなーって…」
もうなんかよくわからねえし!
「クーラー効いた部屋で食う熱いものこそ夏場の至高なんだよ!それがわからんとは時田もガキだな!」
HAHAHAと大陸的な笑いを添えて、俺を小馬鹿にしてくる。
こいつ…教師失格だろ…
「先生…そろそろ本題入りたいんですが…」
強引に話を路線変更する。
「え、俺がラーメン食ってる理由聞きたかったんじゃないの?」
「なんで俺があんたがラーメン食ってたこと知ってるんすか!?」
もはやこの人わけわからん…
「はあ…で、なんだ?」
髪をかきあげ、気だるそうに答える。
「生徒会の出し物の話なんすけど…」
と言いかけた瞬間、その声を遮る様に
「やだ、めんどくさい」
と小野が言い放った。
お前…教師失格だろ…。