生徒会日誌その二、俺と愉快な生徒会役員とはなんたるか
夏…夏と言えばリア充の季節…海に行けばキラキラと溢れる笑顔…
そんな青春真っ盛りな夏なのだが…俺はクーラーの効いた生徒会室で静かに座っていた。
「先輩ガチたるいんけどーもうマジだるいんすけどー」
妙に語尾を伸ばし伸ばしにして浅田がそう訴えてくる。
とりあえず無視。
「はあ…本当になにかしたいこととかねえのか…?」
役員達の顔を見回して見る。
みんながみんな押し黙っている…はあ…
今なにをしているのか?それは至極簡単。日本の暦上夏の次は秋という季節になる。秋に日本各地の高校で行われる行事といえば…そう…文化祭である…。つまり今俺たちは文化祭での出し物を決めてるわけだ…
「副会長なんか案ねえのか?」
俺は副会長である郷田弾の方を見る。
「はい!誠に申し上げにくいのでありますが、自分はなにも思い付きません!」
声を張り上げ、綺麗な敬礼をしながらそう述べる。
軍隊かなんかですかここは…自衛隊に入っとけよ
「そんなハッキリと自分の無能さ述べなくていいよ…」
「あ、あの先輩…いいですか?」
生徒会のマスコットキャラクター、俺の可愛い後輩こと絢川未成が手をほんの少しだけ挙げて超絶あざとい上目遣いでそう聞いてくる。
「あー絢川なんか案あるのか?」
「例えば…えーっとバンド演奏とかどうかなーって…」
顔を赤らめながら上目遣いで言ってくる姿を写真に収めたい…うん!収めよう!
などと考えている中1人が異論を唱える。
「ですが、絢川様わたくし楽器は三線、三味線、琴、尺八などしかできないのですが…」
着物姿に身を包み、古風なしゃべりをする種子島実里…
俺的に自分のできる楽器自慢してるようにしか聞こえねえ…
「あー俺ギター弾けるっすよー」
「マジかよ!?俺浅田ってただの馬鹿だと思ってた!」
今世紀最大の驚きである。
「いや流石にそれはひどいと思いますよ先輩!こんな浅田くんにも1つくらい取り柄はありますよ!」
絢川が必死に浅田をフォローする。だが、気付け絢川…お前が1番ダメージ与えてる…
「まあ種子島、俺も楽器はからっきしだけど、とりあえずやってみねえか?副会長なんか異論あるか?」
「はい!ないであります!」
「わたくしもありません」
ということで秋の文化祭編スタート……するのか……?