生徒会日誌その一、俺と愉快なバカとはなんたるか
生徒会執行部とはなんたるか?まず、お前らに聞きたい。
とまあ、このような問いがあったとしよう。俺が予想するに大抵の人間は、「生徒会執行部?なにそれ頭いいんでしょ?」みたいコメントに微笑を添えてくれるであろう…だが、それは間違いである。
特にこの"私立等道高校"の生徒会執行部は……まあ目を背けず最後まで見ていただきたい。
夏!夏だ!夏!
もはや夏以外のなにものでもないほどの夏!
俺は部活に汗を流す!…わけでもなく、生徒会室に居た。
「会長ー生徒会日誌こんなもんでいいっすかー?」
「ん?まあ見てみるよ…」
頭の軽そうな能天気な声に若干苛立ちを覚えながら生徒会日誌を受け取る。
「てか、会長ー夏っすねー?やばいっすねー暑いっすねー」
語尾を伸ばし伸ばしにしてピンポイントに俺を苛立たせてるこいつは、可愛くない後輩一号こと、浅田義樹である。
細かい説明はまた後ほど…
「あのな…浅田…生徒会日誌は小学生の夏休みの宿題の作文じゃねえんだよ…朝起きて、生徒会室でお昼ご飯食べました。楽しかったです!じゃねえよ!」
生徒会日誌をばんばんと叩きながら、そう浅田に指摘する。
「だってーめんどいじゃないっすか」
浅田は髪をかき上げ、きめ顔でそう答える。
きめ顔するとこじゃねえだろ…
「はあ…俺がやるからてめえは他の奴ら手伝ってこい…」
「はぁーい、浅田義樹!任務をまっとうしてきまーす」
そう軽い返事を残して浅田は軽快なステップで生徒会室を後にした。
もう気付いてる人もそれなりに居るだろう…そう、等道高校生徒会執行部は…バカな奴しかいないのだ…
これはこの等道高校生徒会執行部のゆるゆるとした毎日を書き記した生徒会日誌の序章にすぎないのである…






