虹の橋――Bifröst
赤――!
愛と憎悪の炎
地獄の劫火、愛のサラマンダー
橙――!
活力が湧く源泉
電灯の竹芯の温くもり
黄――!
裏切りと不信、嘘
ユダに隠されし貧しき心
緑――!
天を一途にめざす葦の葉
永遠への聖なる祈り
空色そら――!
視野いっぱいの天国
純真無垢な憧憬
青――!
確実な天の肌触り
わだつみの潮、生命の味わい
紫――!
嫉妬と羨望
騒がしく棘ゝしい心
七色の光がかけし橋を
極北の国人は
ビフレスト
虹の橋と呼ぶ
あの小さく可愛かった
姫絹毛鼠のチッチくん
彼は渡ったその橋が
愛の舗装路とも知らず
雨上がり、西の蒼穹に
輝ける橋が見える
虹――!
愛、見えたかい?




