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『え、私が姫ですか?!』失恋後の帰り道、白ネコ宅配車を触ったら異世界のヤンデレ王子様が降臨して、溺愛してくるんですが?!  作者: 間宮芽衣
第四章 星に導かれし闇と叡智の試練と学園祭。

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【45】星の祝福、そして未来へ


 ルキア様の放った光に包まれた私達からは、金色の糸のような放出される。


 すると、糸は絡まり合い、やがて何組かの男女を結んだ。


「――っ!!」


私から出た糸はサイラスのものと絡まり合い、カメリアとカミル王子、それにリリーとカーティスが結ばれている。


 それに、B組の伯爵令息と令嬢とカップルもどうやら結ばれているようだ。


「やった!!」


そう言いながらカーティスがリリーを抱きしめながらくるくると回り出した。


「はわわわっ!!カーティス様ー!!目が回りますぅー。」


そんな二人を会場中の人々が微笑ましげに見ている。


 カメリアとカミル王子も嬉しそうに微笑み合っていた。


 思わずなんだか温かい気分になり目を綻ばせていると、サイラスがギュッと私の手を握りしめてきた。


「――なんだか、今やっと『運命』に勝てた気がする。」


ふと顔を上げると、サイラスがそう言って顔を歪ませていた。


「っサイラス?」


その瞬間、サイラスの目から涙が伝ってきた。


(…そっか。サイラスは『一度目』からずっと記憶があるんだもんね。


 『一度目』の8歳の時に私の事を好きになってくれたって言ってたから、ここにきて『星の祝福』で認められるまでに、19年も経ってるんだ…。)


そう思うと胸がいっぱいになってくる。


「――もう離れないよ。

 何があっても。」


そう言いながら私はサイラスの頰に流れる涙を拭う。


(ふふっ。サイラスが泣いてるのを見るのって初めてだけどなんだか可愛いかも。)


――そんなことを思っていた時だった。


 大半の人達が微笑ましそうに拍手する中で、王妃様が騒ぎ出した。


「――納得出来ませんわっ!!」


すると、陛下が慌てて王妃様を止めている。


「こら!やめなさい!!神の御前だぞ?!」


それを見て、ルキア様が微笑む。


「――いいのよ。


 コートニー・セレスタ。


 貴女は死者にずっと囚われて…、可哀想な人ね。」


その言葉に王妃様はひゅっと息を吸い込む。


「…リリー・ハーゲンダール。


 貴女、コートニー・セレスタの兄の魂を『星渡りの祝福』の能力で呼んで貰ってもいいかしら。


 せっかくだから、周りの人間達にも見せてあげなさい。


 コートニー・セレスタはリリーの前に出てきなさい。」


ルキア様にそう言われて、王妃様が恐る恐る護衛に付き添われながら、前に出てくる。


 ――さすがに少し冷静になったようだ。


「よし、いいかしら。じゃあリリーは目の前で手を組んで念じなさい。」


その言葉にリリーはアタフタしながらも頷く。


「は、はわわ!!や、やってみますぅー!!!」


リリーが目を瞑って何かを念じると、空気の中から金色の光がキラキラ光るのが見えた。


 光は優しく収束してやがて人型になり、そこには穏やかな笑みを浮かべた若い男性が現れた。


「――あれは!!」

「どうなってるんだ!間違いなく亡くなったルイス・ロゼッタ侯爵じゃないか!王妃様の兄上の…」


観客席の貴族達が騒めく。


――王妃様は目を丸くして呆然と立ち尽くしていたが、やがて決壊したかのようにボロボロと目から涙が溢れ出した。


「…っ、お兄様っ!!」


すると、ルイス様が優しく王妃様を抱き寄せた。


『…久しぶり。コートニー。

 ふふっ、泣き虫なのは相変わらずだね。』


そう言って彼女に笑いかけた。


「っ、お兄様っ!!」


そう言って彼女が涙を流した。


『僕が亡くなってしまって悲しい思いをさせてしまって本当にごめんね。』


彼は王妃様を撫でながら、少し悲しそうに笑った。


「っ、私は!!お兄様にどうしても、どうしても生き返って欲しかったのです。」


そう言って彼女は泣き崩れた。


『――でもね。もう死んでしまった僕じゃなくて、生きている大事な人達を大事にしてあげてほしいな。


 ほら、見て。』


ルイス様がカミル王子とカメリアを指し示すと、二人が手をぎゅっと握り合って真剣な顔でコートニー様を見ている。


「わ、私は…、」


言葉を詰まらせる彼女にルイス様が慈愛に満ちた表情で語りかける。


『カミルも、君にとって大事な息子だろう。

 君の気持ちだけじゃなくて、ちゃんと彼がどうしたいのか、考えてあげて欲しい。


 コートニー。


 ちゃんと、君の事をずっと見守っているから。』


その言葉に、王妃様が泣きながらながら頷いた。


「…さてと。そろそろいいかしら。」


ルキア様の言葉に、王妃様は泣きながら口の端を上げた。


「ルキア様…。リリーさん。

 ありがとうございました。」


すると、ルイス様が笑顔で王妃様に告げる。


『…寂しいけど、君が僕の事を忘れて、幸せに笑ってくれているのを祈っているから。


 それじゃあね。』


――彼がそう言った瞬間、ルイス様の体が光に包まれて、やがて粒子に戻っていった。


 周りの貴族達は事の成り行きを見守っていたがワァッと歓声と拍手が上がった。


「さあてっと。


 じゃあ後は試練をクリアした者達には、『道標の石』を渡すわね。


 ――今後人生に迷った時にきっとこれが助けになってくれるから。」


ルキア様の言葉で、空気がキラキラと輝き『媒介石』を献上した全員の目の前に美しい青色の石が現れた。


「さて、そろそろ私は帰ろうかしらね。


 じゃあね。皆さん!!また来年ーー!!!」


ルキア様がそう言って手を振り上げると、彼女の身体が金色に光輝き、パンッと弾けた。


 弾けた光は『星の神殿』全体に降り注ぎ、観客達を魅了した。


 ――まるで、金色の雪が降ってきているようだ。


「…綺麗。」


思わず私が呟くとサイラスが頷く。


「――ああ。


 これで、何はともあれ終わりだね。」


――サイラスがそう言った瞬間だった。


「アイリーン王女!!」


王妃様に話しかけられた。


「はい、なんでしょうか。」


思わず私が顔を強張らせて答えると、彼女は苦笑した。


「…そんなに怖がらないで。


 ――国際交流会の時も、先日も失礼な物言いをして申し訳なかったわ。


 あと、今まで本当にごめんなさい。


 どうかサイラス様と幸せになってね。」


彼女の言葉に私は首を振る。


「いえ。…お兄さんとお話しできて良かったですね。」


「ええ…。これでやっと前を向いて進める気がするわ。」


その後ろでカミル王子とカメリアが微笑んでいた。


「カメリアさん。どうかこれからカミルの事をよろしくお願いします。」


王妃様はそう言ってカメリアに頭を下げた。


 すると、カメリアがニッコリと慈愛に満ちた表情で微笑んだ。


「――はい。勿論です、お義母様。


 だって私、カミル様の事を愛しておりますから。」


その言葉にカミル様が一気に顔を赤くする。


「っな!!」


「ふふっ、いいじゃないですか。たまには私だって素直に気持ちを告げたって。」


カメリアがそう言ってニッコリと笑うと、カミル様が口元を抑えた後、王妃様にこう告げた。


「母上。必ず二人で良い国になるように導いていきます。母上はもちろん、この国に住む人達が幸せに生きていけるように。」


その言葉に王妃様がニッコリと笑った。


「――ええ。期待しているわ。」


(しかし、リリーが『星渡りの乙女』に選ばれたり、セリナが送還されたり…。


 本当にいろんな事があったなぁ。


 まさか死者であるルイス様を召喚するとも思っていなかったし。


 でも。どうにか終わらすことが出来て本当に良かった。)


一大イベントを見る事が出来た観客達は、皆満足気な顔をして『星の神殿』を後にしたのだった。


「皆、お疲れ様!!


 本当に今日はよくやったね。


 よし、それじゃあ皆で馬車に乗って帰ろう。」


ハロルド先生の言葉に全員が晴れやかな顔をして頷いた。


――こうして『星の祝福』をなんとかセリナ以外の全員が、無事に済ます事が出来たのだった。


あと一話で完結予定です!途中でストックがなくなり大変でしたが、なんとか完結出来そうで嬉しいですヽ(;▽;)

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