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『え、私が姫ですか?!』失恋後の帰り道、白ネコ宅配車を触ったら異世界のヤンデレ王子様が降臨して、溺愛してくるんですが?!  作者: 間宮芽衣
第四章 星に導かれし闇と叡智の試練と学園祭。

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【33】亡霊たちの恋と嫉妬。


 クラウディアに乗り移られた私の身体は勝手にさらに奥の方に向かっていた。


「皆さん、こちらです。この部屋の中に彼がいます。」


その部屋は鋼鉄の扉で覆われており、隙間からゴオオオオオオオオオッと黒い怨念のようなものが漏れ出していた。


(ぎゃー!!何この部屋っ!めっちゃ入りたくないんですけど!!)


振り返った私の身体から見えたサイラスはニコニコと笑っているものの瞳孔が開いていた。


 そして、ギルベルトはめちゃくちゃ怯えた顔をしている。


「ローランド様っ!早く会いたいわっ!」


私の身体がそう言ってドアを開けた瞬間、サイラスが殺気を放出し始めた。


「…いくら魂が違うからってアイリーンの口から他の男に会いたいって聞こえるのは不快だな。」


ボソッと呟くのが確かに聞こえた。


 奥の方には豪華な甲冑を来た背の高い骨が素振りをしており、私たちが部屋に入ると振り向いた。


『――誰だ、貴様らは。』


瞳はないはずなのに頭蓋骨の空洞越しに確かに睨みつけられた気がする。


 さらに彼は夥しい殺気を放出し始めた。


「ローランド様っ!私ですわ。貴方のクラウディアが来ましたわよっ!!」


私の肉体がそう言ってローランドと呼ばれた骨の方に駆け出すと、彼はピタリと殺気の放出をやめた。


『ま、まさか。本当か?!ディアっ、俺のディアなのか?!』


そう言ってローランドが私の身体を抱きしめる。


(ひいいいっ!!骨!!骨に抱きしめられてるっ!!)


「ええっ!どんなにお会いした…」


クラウディアが何か言ってるのを遮るようにサイラスが間髪入れずに殺気を放ちながら浄化魔法を無表情で発動した。


 パアアアッ


「…僕の愛する婚約者の身体で他の男に抱きつかないで頂けますか?」


(さ、サイラスぅうううう!!もうちょっと待ってあげようよ…。)


すると、骨から黒髪で筋肉質の美丈夫の魂が浮かび上がり、クラウディアがスルーッと私の身体が出て来た。


(…あ、良かった!!身体が動くようになった!!)


私が両手を思わずグーパーしていると、黒髪の美丈夫、ローランドさんの魂が照れ臭そうに頭を掻いている。


『…その身体は貴殿の婚約者だったのか。それはすまない事をした。』


『も、申し訳ございませんでしたわ。』


クラウディアさんもサイラスの殺気を受けて怯えている。


『私達を会わせてくれてありがとう。感謝する。


 お礼にこれをやろう。もう肉体が朽ちた身。持っていても仕方ないからな。』


ローランドさんがそう言うと、黒い鞘に入った美しいレリーフの大剣をサイラスに渡して来た。


『ではディア。続きはあの世でするとするか。

 ――今度こそずっと一緒だ。』


『…っええ!!もう2度と離れませんわ。』


2人の魂はそう言うと、スーッと消えて行った。


 ――跡には2つの紫色の媒介石が残されていた。


 私が呆然としていると、ギルベルトはハッとしたように大剣を持ったサイラスに駆け寄った。


「…やっぱり!!これ、三代前に殉死した騎士団長『竜殺しのローランド』様の愛剣の『ダークソード』です!うわぁ、まさか本物を見られるなんてっ!!」


そう言ってギルベルトが目をキラキラとさせている。


「ふーん、君にあげよっか?僕、魔法の方が得意だし。」


その言葉にギルベルトが歓声を上げる。


「うおおおおおお!!


 ま、マジっすか!いやー、今日サイラス様について来てまじでよかったぁあああ!!!」


 ――こうして私達は無事二つ目の遺跡も攻略する事が出来たのだった。


◇◇


 元の場所に戻ると、10人くらいの生徒が戻って来ていた。


 その中にはノエルとリリーとカーティスもいた。


「おーい!!みんなー!!


 …あれ?カメリアとカミル様はまだ戻って来てないの?」


私の言葉にノエルが頷く。


「…はい、まだですね。無事戻って来るといいんですけど。」


――そんな事を話していた時だった。


「か、カメリアっ!アレは俺の意思では無くそのっ!!幽霊の願望でっ!」


焦って言い訳をするカミル様と怒った顔のカメリアが試練のエリアから出て来た。


「わ、分かってますけどハレンチですわっ!!」


カメリアは顔を真っ赤にしてプリプリしている。


「えー、ちょっと。カミル様一体何をやったんですか?」


ギルベルトがニヤニヤして聞くとカメリアが2人をキッと睨みつける。


「カミル様っ!もしギルベルトにバラしたら一週間口を聞きませんからね!!」


(あ、ぁああー…。恐らく若い男の人の幽霊が多かったから大方カミル王子の肉体で幽霊が何かしたんだろうな…。)


私は遠い目をしてしまうのだった。


 今回の遺跡攻略では10名が脱落し、結局残りは21名となったのだった。


「皆、お疲れ様。今回クリアできなかった者も努力は讃えたいと思う。よく頑張った。


 クリア出来た者はこの調子で研鑽するように。」


ハロルド先生の労いの言葉で、私達は安堵の溜息を吐いたのだった。


◇◇


 『闇の地底宮』の攻略が終わり、いよいよ学園祭シーズンに突入した。


「アイリーン!!そこの塗料をバケツに出してもらってもいいですかー?!」


 リリーの言葉に笑顔で頷く。


 ――ちなみに学園祭が終わると、残りの2つの遺跡である『叡智の迷宮』『天空の塔』で媒介石を集めることになる。


 それが終わったらいよいよ『星の祝福』を受ける事になる。


「はーい!!お客さん、いっぱい来てくれるといいね。」


 ちなみにうちのクラスではカーティスの提案で、『セレスタの歴史』を模型付きで展示する事になった。


 その為に私とリリーは、展示する用の台を作っていた。


 板を白く塗って、釘を打って四角くするだけなのだが、これだけでも結構疲れてしまう。


(うううっ、手が痛い!!)


そんな事を思っているのとサイラスが話しかけてきてくれた。


「アイリーン。僕の方でもペンキを出しておくから疲れたら休むんだよ?ほら、食べて。」


そう言って、一口サイズのチョコレートを私の口に入れて微笑んでいる。


(やーん、自分の婚約者ながら気遣い半端ないっ!!好き!!)


思わずきゅううんっと胸がときめいてしまう。


「…あのー…、そこのお二人。他にもクラスメイトが沢山いるので見つめ合わないで頂けますか?」


苦笑したカーティスに指摘されて思わず赤面してしまう。


「ごめんね?でもしょうがないよ。だって好き同士だし、自然と目が合っちゃうんだもん。ね、アイリーン。」


サイラスは相変わらずどこ吹く風である。


 ――ちなみにカメリアとカミル王子は学年でやる舞台に王子様とお姫様役で出る事になった。


 どうやら『是非出て欲しい』とスカウトされたようである。2人とも満更でも無さそうなのが救いである。


 ギルベルトは大剣部とダンス部のコラボでオープニングでやるサンバカーニバルの準備をするらしい。


 ちなみに『ダークソード』が重すぎて、なかなか使い切れていない彼は、毎日筋トレに明け暮れている。


 『ダークソード』はどうやら使いこなすと普通の剣撃に闇魔法の効果まで付随してくるというチートアイテムらしい。


 ――ノエルは男子寮の有志で魔法ジュース屋さんをやるようだ。


(うーん、結局出し物まで攻略本に書いていた通りになったな。)


とはいえ、サイラスにお化け屋敷でしがみ付くと何故か好感度は下がるはずだ。


 学園祭でセリナがどう動いてくるのか全然わからない。


(…多分『一度目』で巻き戻ってる時点で、セリナが『攻略対象』として狙ってるのはサイラスで間違いないはずなんだよね。


 …サイラスが靡くとは思えないけど、ベタベタされたりしたら嫌だなぁ。


 どうか何事もなく楽しい学園祭を過ごすことが出来ますようにっ!)


――私は叡智のネックレスを握りしめてそんな事を願うのだった。


現在ピッコマノベルズアワード用に、グルメ系ハイファンタジー作品も執筆中です。現在11話分書いたので、20話までストック書いたらこの作品に集中し、11月7日までに完結させたいと思っています(‘ω’)(グルメの方は8日からなろうに載せます。)


ムーンでも『ぴんくのこぶた。』名義でR18作品もストック執筆中のため、3作品同時連載にならないように、計画的に進めて頑張ります٩( ‘ω’ )وそのうち名義も統一する為にブー横丁から何か素敵な名前に変えようと思いますw


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