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『え、私が姫ですか?!』失恋後の帰り道、白ネコ宅配車を触ったら異世界のヤンデレ王子様が降臨して、溺愛してくるんですが?!  作者: 間宮芽衣
第三章 夏休み編

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【29】夏のガールズトーク。〜お茶会と友情の午後〜


「カメリア!リリー!!元気だったー?!」


私はクロノス城に着いた2人に駆け寄った。


「はわわっ!アイリーンっ!!

 すっごい元気でしたよー!!ずっとカーティス様の家でメロンとアイス食べてましたぁ!!」


そう言ってリリーが満面の笑顔でぶんぶんと手を振る。


 ――確かにこの前会った時より少しふくふくしている気がする。


「アイリーン、お久しぶり。


 ――クロノスは初めて来たけれど、街と自然が融合していて素敵な場所ね。」


カメリアがその後ろで穏やかに微笑んだ。


「カメリアっ!!クロノスへようこそ。

 気に入ってくれたみたいで嬉しい。


 それに結局皆で来れることになったんだねっ!

 カミル王子と喧嘩してなかったみたいでよかったよー。


 …あれ?他のメンバーは?」


私がキョロキョロすると、カメリアが目を丸くする。


「あれ?聞いてなかったんですの?


 ――サイラス様がクロノスに丁度いいダンジョンがあるから皆で行こうとカミル様達を誘ったみたいです。


 ですから、男性陣は来るのが夕食前になりますわね。」


「へ?!そうだったんだ。」


(今日クロノス城に遊びに来るのが夕方になるってそういうことだったんだ。


 サイラスもなんだかんだ同性の友達と遊ぶのが好きなのかもねっ。)


そう思うと、普段大人っぽいサイラスの年相応な所が見れたような気がしてホッコリする。


「ノエル様とサイラス様が皆さんを鍛え直すっていうコンセプトらしいですよぉっ!!


 そういう訳で私達だけが先に来たんですっ。」


リリーにそう言われて私は頷く。


「じゃあ3人でお茶会しながらいっぱい美味しいスイーツでも食べようよ。


 料理長が張り切ってお菓子を朝から作ってくれてるって侍女が教えてくれたんだ。」


私の言葉にリリーとカメリアが嬉しそうに笑う。


「まあ。じゃあ今日は3人で女子会ですわね。」


――こうして私達は夏休みに入って初めてガールズトークをする事になったのだった。


◇◇


「わぁっ、美味しそうですぅー!このムースケーキなんて凄い綺麗です!」


沢山のケーキにフルーツ、ムースやプリン、タルトやパイが運ばれてお茶会が始まった。


 ちなみにリリーが褒めたのは中にチョコスポンジの入ったマンゴームースケーキである。


「アイスクリームも数種類ご用意しておりますので、ご要望の際はお申し付けください。」


「リリー、このアップルパイにバニラアイスのせると美味しいよ。」


私の言葉でリリーは目を輝かせる。

「え、え!!では是非っ。」


「カメリア様はどれになさいますか?」

侍女の言葉にカメリアは少し考えたあと、ガトーショコラにキャラメルナッツのアイスを頼んだ。


「私はプリンとラムレーズンのアイスがいいな。」


私がそう言うと、侍女がいそいそと取り分けてくれてくれて、お茶会が始まった。


「ねえねえ、リリーってカーティスの家に今までずっといたんだよね?


 ――何か言われたりしなかったの?」


ワクワクしながら私が尋ねると、リリーがキョトンとする。…ちなみにもう一つ目のアップルパイを平らげて、マンゴーのムースケーキを食べ始めている。


「えーっと、何かってどんな事ですか?」


その言葉にカメリアと私はズッコケそうになる。


「ええとその、好き、とか付き合おうとか…、なかったんですの?」


カメリアの言葉にリリーはニコニコとまた爆弾を落とした。


「何も言われてないですけど、キスはしました!!


 ――2人でランチしてる時、キスしたらデザートの苺をくれるって言われたので!」


その言葉に私とカメリアは固まる。


「え、えっとリリー?そんなんでキスしちゃっていいの?」


その言葉にリリーはあっけらかんと答える。


「んー…。カーティス様とだったら別にいいかなって思ったので。


 ――でも本当にキスしたら何故かカーティス様真っ赤になって驚いてて。


 それから避けられちゃってるんですよねぇ…。」


そう言ってリリーはしょぼーんとしている。


「リリー…。それ、カーティス、多分動揺してるだけなんじゃないかな?

 本当にリリーがキスしてくれるとは思ってなかったんだと思うよ?」


私の言葉にリリーは豆鉄砲を喰らったような顔をしている。


「…へ?でも、カーティス様の方から言って来たんですよ?」


「…ふふっ。でも自分で仕掛けたくせにいざキスされたら動揺しているなんて。


 カーティスもお可愛らしい所があるんですのね。」


そう言ってカメリアが苦笑している。


「え?仕掛けた?カーティス様が私に?何をです?」


動揺するリリーを尻目に私とカメリアは顔を見合わせて吹き出した。


「……でも、リリーらしいね。

 キスするのが嫌じゃなかったって事は、カーティスのこと好きなんだよね?」


私が微笑むと、リリーは嬉しそうに両頬を赤くして頷いた。


(ふふっ。可愛いっ。


 やっぱりこの子、明るくて天然で太陽みたいだなぁ。

 ――なんだかセリナじゃなくて、リリーこそ本当の『ヒロイン』みたい。)


そう思った瞬間、何故か胸にかけていた『叡智のネックレス』が一瞬キラリと光った気がした。


(…ん?なんか一瞬光った?気のせいだよね?)


「…そう言えば、カメリア様も最近表情が柔らかくなったなぁと思ってまして。


 ――カミル王子と何かあったんですか?」


今度はリリーがそう言うと、カメリアが急にモジモジし始めた。


「…実はこの前、私に『君にはなんでも話せるし、居心地がいい。』って言ってくださったんです。


 それからなんだかカミル様が私に心を開いてくれている気がして…。」


その言葉に私はニヤニヤする。


「そっか、それでカメリアは嬉しかったんだね?それって何だか『恋のはじまり』じゃん!!」


私の言葉にカメリアが顔を真っ赤にして慌てている。


「そ、そんなのわかりませんわっ!…けれど…。」


「「けれど?」」


私とリリーがゴクリと生唾を飲み込む。


「…嬉しかったのは事実ですわ。」


その言葉に私達は吹き出す。


「ぷっ。あはは!カメリア可愛いー!!」


私が揶揄うと、カメリアが真っ赤になりながらそっぽを向く。


「…もうっ!揶揄わないで下さいませっ!」


――こうして久しぶりの女子だけでお茶会は大いに盛り上がり、気づくと夕方になっていたのだった。


「はぁー!凄い沢山食べましたっ!!」


そう言ってリリーがお腹をさすっている。


「リリー、ケーキ七個にプリン三個、アイス五個くらい食べてなかった?」


私の言葉にリリーがブンブンと首を振る。


「いえっ!さらにタルトとゼリーも三つ食べましたっ!」


「よく入りますわね…。」


カメリアが目を丸くすると、リリーが満面の笑みで頷く。


「はいっ!デザートは別腹なんですっ!」


そんな事を話してる時だった。


 庭園の隅の方がパアアアッと光った。


「――ただいま。アイリーン。ウエストウッド嬢とハーゲンダール嬢も久しぶり。」


現れたのは、サイラスとカミル王子、それにカーティス、ギルベルト、ノエルの5人だった。


「サイラスっ!!お帰りー!!」


私が駆け寄ると、サイラスが笑顔で頭を撫でてくれた。


 涼しい顔をするサイラスの後ろで、ノエル以外の男性陣がゼェゼェと荒い息を吐いている。


「な、何があったんですの?!」


思わず目を見張るカメリアにノエルがニヤリとする。


「ああ。ちょっと皆さん気が緩んでいたようだったようだったので。


 ――僕とサイラス様がちょっとばかりしごき上げて差し上げました。」


その言葉に安心したかのようにギルベルトが床に倒れ込む。


「はー!!!マジで死ぬかと思ったぜ!!


 ダンジョンの狭い中でデカい岩に追いかけられて無理矢理走らされてよっ!鬼かっつーの!!」


そう言って彼はノエルを睨みつけた。


「まあ、でもお陰様でレベルは大分上がりました。

 …ありがたい話です。」


「ああ。…まあ、確かに気は抜けていたかもしれないな。」


そう言ってカーティスとカミル王子が苦笑した。


(うん。…とりあえず男子全員、汗くさっ!!)


 ――私は直ぐに侍女を呼ぶと、男性陣をお風呂に案内して貰うのだった。



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