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『え、私が姫ですか?!』失恋後の帰り道、白ネコ宅配車を触ったら異世界のヤンデレ王子様が降臨して、溺愛してくるんですが?!  作者: 間宮芽衣
第三章 夏休み編

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【21】初めての夏休み、初めての『彼氏』。


「えー、このようにセレスタで魔石が多く採掘される理由ですが。


 昔から星の加護と共に特殊な光が石を魔力を含んだものへと変異させてきたからだ、と言われています。


私はこっそりとハロルド先生の授業のノートの片隅に『藍梨♡サイラス』と日本語で相合傘を書いていた。


 チラッとサイラスの方を見ると真剣な顔でノートを取っている。


(はうっ、カッコいい…。)


私は最近サイラスを好きだと自覚してから、毎晩『練習』と称してキスするようになったのだが。


 ――ふと昨日、とんでもない事に気づいてしまった。


(もうこれ、彼氏じゃんっ!!!)


…そう。『婚約者』という言葉に騙されていたが、これはどう考えても『彼氏』である。


 ――日本でカースト下位だった私に、ついに憧れの彼氏が出来たのである。


(も、もしかして、私、異世界に来てスーパーリア充になったんじゃないっ?!)


昨日サイラスが彼氏であると気づいてからは、急に頭の中がピンクな妄想でいっぱいになってきてしまった。


「明後日から夏休みですけれど。


 皆さん、休み明けには二つ目の遺跡、『闇の地底宮』に行く事になります。


 ――休み中も鍛錬をしっかりとして下さいね。」


その言葉に生徒達がワアッと歓声を上げる。


 もう一度サイラスの方を見ると、今度は目が合って笑いかけてくれた。


「――っ!!」


(こんなにカッコいい人が…


 …私の彼氏?!)


ふとサイラスの口元を見ると昨日の夜のキスの事を思い出してしまった。


 ――私は思わず顔を真っ赤にして内心悶えてしまうのだった。


 すると、リリーがノートを覗き込んでくる。


「アイリーン、何ですかっ?!この傘。


 この文字初めて見ましたっ。なんて書いてあるんですか?」


「な、何でもないっ!!」


(は、恥ずかしいっ!!)


私はリリーが日本語を読めなくてよかった、と心底ホッとするのだった。


◇◇


「ねえ、カメリアとリリーは夏休みどこかに出かけたりするの?」


昼休みになり、カメリアとリリーにお昼ご飯を食べ終わったタイミングで尋ねてみる。


「えーっと、私はカーティスさんが実は勉強を教えてくれるそうなので、セレスタに残る事にしましたっ!!まあ両親の顔を見に、ちょっとだけ帰りますけどっ!」

 

――またもやリリーが爆弾を落としてきた。


「でも夏休み中寮に残ることは出来ないでしょう?どこに泊まるの?」


カメリアが心配そうに言うと、カメリアはさらに驚く事を言ったのだ。


「あっ、大丈夫ですぅ。


 ――カーティスさんがご実家にお部屋を一つ用意してくださるそうですっ!


 …お庭にメロンを植えているそうでしてっ!!滞在中は高級メロンが食べ放題だと言ってくださったんですっ!!


 それに、メロンにアイスクリームまでのせていいと言って下さいました!!」


その言葉に私とカメリアは頷きあう。


(カーティスっ!食べ物で釣ったな!!)


「カメリアはどうするのー?カミル王子とどこかに行ったりするの?!」


すると何故か『カミル王子』という言葉にカメリアはビクッとした。


「…べっ、別に2人で孤児院に慰問に行く以外はまだ特に予定しておりませんわっ!!」


(んー?何でいきなり早口になったんだろ…。)


「そうなんだ。もし良かったら是非クロノスに遊びに来てねっ。『2人でお泊まり』出来るように部屋も準備しておくよ。」


すると、カメリアは固まった後真っ赤になってぷるぷる震え出した。


「なっ、なっ…大丈夫ですっ!」


「えー、でも予定ないんでしょ?カメリアと会えたら嬉しいのに。」


私がシュンとすると、カメリアがハッとした顔をした。


「あ、遊びに行きますわっ!私1人でっ。」


「カメリアっ、喧嘩でもしたんですか?カミル王子と…。」


リリーが眉を下げると、カメリアがブンブンと首を振る。


「ち、ち、違いますわぁああ!!」


(それにしては様子がおかしいけど…。)


――結局カメリアはクロノスに遊びに来る前に連絡をくれると言うことで落ち着いたのだった。


◇◇


 ――放課後。


 寮に戻って、明日終業式が終わったらすぐ帰れるように荷造りをしていると、部屋の隅がパァッと光ってサイラスがやってきた。


「アイリーン、荷造り進んでる?


 そんなに完璧じゃなくても、僕が魔道具に入れてあげるから一箇所にまとめてくれてたら大丈夫だよ。」


(そ、そうだった!!)


「ありがとうっ。サイラスはもう準備終わったの?」


そう言って見つめると、ニッコリ笑って頷かれたので思わずボーッと見惚れてしまう。


「うん!終わったよ。もう使わないものがあったら入れていくけど…。…ってどうかした?」


そんな私を見てサイラスは一瞬目を丸くした。


「あ、あのね?その…。私達って両想いになって、キスもしてるし、アクセサリーもお揃いだよね?


 …これって、私とサイラスってその…。恋人と言うか、付き合ってるってことだよね…?」


私の言葉にサイラスは目を丸くする。


「…え。うん。付き合ってるっていうか、婚約者だし、この学校卒業したら結婚するけど。」


(けっ、けっこん!!!)


サラリと当たり前のように言うサイラスに赤面する。


「そうだ。まだ日本に帰ってきてからは僕の親にも会ってなかったよね?夏休み中、アステリアにも何日か来て貰うから。」


「ご、ご両親にご挨拶っ!?ね、ねえ。お土産は何がいいかな?!何が好きなの?」


私がわたわたしていると、サイラスがクスッと笑う。


「…じゃあクロノスの名物でいいんじゃないかな。


 あと、一緒に行く約束をしていた日本でも2人でお土産を買おうよ。


 …何?やっと自覚がわいてきた感じ?」


彼の言葉に私は目を潤ませながら頷くと、胸を甘く疼かせながら、背伸びしてサイラスにキスをする。


「――っ、アイリーンっ。」


グイッと引き寄せられて私はベッドに押し倒されていた。


「…今すぐ、君が欲しい。でも――今日は我慢する。夏休み、僕の誕生日だから。


 その夜、君のこと、全部もらうから。」


その言葉に私はジワジワと顔を赤くしながら頷く。


「…うん。いいよ。」


すると、サイラスが感激したように顔を歪ませる。


「っ、本当に?!約束だよっ。


 …じゃあさ。今日の『練習』はもう少し進もうか。」


その言葉に私はキョトンとする。


「…へ?」


「ふふっ。そんな顔も可愛い。大丈夫。僕に任せて?」


そう言いながらサイラスはいつもより激しくキスをしてきた。


「んぅ、」


すると、サイラスの熱を帯びた手がそっと私の腰を引き寄せる。


「…アイリーン。」


彼の瞳に映った自分の顔が、見たこともない表情をしていることに気づいた。


――結局、その日サイラスは私をぎゅっと抱きしめながら朝まで私の部屋で眠ったのだった。


◇◇


「それじゃあ、僕達はクロノスへ帰るから。


 …また新学期にね!」


サイラスの一緒にクラスの皆に手を振る。


「サイラス様ー!時間があったら是非夏休み中も一緒にダンジョンに潜りましょうよっ。」


ノエルの言葉にサイラスが微笑む。


「いいよ。僕が転移するから、都合のいい日がわかったら連絡して。


 …まあ、アイリーンと旅行に行ったりするからそれ以外の時になるけど。」


「わかりましたっ!連絡しますっ!!」


そう言ってノエルは嬉しそうに微笑んだ。


「リリーも夏休み、楽しんでねっ!!

 ――カーティス。リリーをお願い。」


私がリリーの後ろにいるカーティスの方を見てニヤっとすると、カーティスが耳を赤くしながら頷いた。


 すると、カミル王子がこちらの方を見て微笑んだ。


「――夏休み中、クロノスにカメリアと遊びに行ってもいいかい?」


その言葉に私とサイラスは顔を見合わせる。


「…はいっ!!」


――こうして、私は久しぶりにサイラスとクロノスの家族の元へ戻ったのだった。



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