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15章:ライトノベルとAVのタイトルがやたらと長い理由を俺はもう少しで理解できそうなんだ(第2話)

「俺は動揺している」誰に向かって言うでもなく、俺が言った。「大抵の状況には冷静に対処してきたつもりだ。俺は他人に期待する事を人生の早い段階から止めているし、何よりも自分自身を一番信用していない。そんな俺が、ここまで動揺しているのは、フロル、お前を図らずも信頼していたからに他ならない。正直、慚愧に耐えん」

「カナヤマさん、まだ何もフロルから訊けていないわ」ミクルが言った。姉弟なのに、俺よりもミクルの方が冷静とはな。「まずは、フロルに話を訊きましょう」

「断っておくが」豊橋が言った。「フロル…と言ったな。舌を噛んで死ぬのは得策じゃないから先に言っておく。また、回答次第では舌を噛んだ方がましだと思い知る選択肢をお前は与えられている、という事も先に言っておく」

 俺は、眩暈を感じてソファに座り込んだ。それから、手で瞼を覆うと、やれやれ、と呟いた。

「フロルよ」俺が言った。「最初に、これだけ確認させてくれ。お前の今の行動は、お前の意思によるものか? それとも、コデックスの影響を受けているのか? まあ、後者だとしても、前者と回答は同じになるかもしれないが」

 俺の言葉に、今まで見たこともないほど鋭い視線を向けてくるフロルは、暫く無言でいたが、やがて口を開いた。

「…これは、ボクの意思だ」

 やれやれ。この期に及んで、ボクと来たか。ん? ボク、で合ってるのか。

「…そうか」豊橋が言った。「という事は、お前はアノニマスの一員という認識をして間違いないか」

「その、アノニマスって言うのが何を指しているのか解らないけれど…」フロルが言った。「『箱』に関わるメンバーの一員か、と言われれば、その通りだ」

「フロル」俺が言った。「もう一つ確認させてくれ。お前がアノニマスの一員だとして、どこまで喋ったらお前は連中に消される嵌めになる? 俺は、お前に一線を越えさせたくないんだ。ガラでもないが」

「どの道、もう遅いよ」フロルが言った。「任務は失敗してしまったもの。どのみち、結果は同じさ」

 フロルの言葉に、俺は大きく溜息をついた。

「豊橋、スマン」俺が言った。「俺とした事が、感情抜きにフロルに話かける事ができない。お前が続けてくれ」

 俺の言葉に、豊橋は、ああ、と返答した。無感情野郎の特権だ。つくづく、悪魔だぜ。

「お前の結果が同じなのは理解した。後は、お前に事情を吐かせる事で、俺たちの事情が同じかどうか、だが…その様子だと、同じ、という結論になりそうだな」

 フロルは、無言で首肯した。つまり、フロルが任務失敗の段階で、俺たちも消される可能性があるって訳だ。

「なら、尚更だ」俺が言った。「全部話してくれ。お前も、ミクルをこれ以上悲しませたくないだろう」

「…うん」フロルは呟くように言った。少し落ち着いた様子だ「話すよ…。カナヤマにも、ミクルにも迷惑をかけてしまったな…」

 ミクルが俺の方に視線を送って来た。俺は、いたたまれず、あえて視線を外し、数度頷いてやった。それで、ミクルはフロルを抱え上げると、タイラップはそのままに、ソファに座らせた。

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