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不愉快なタイムスリップ

作者: はたけやまりんか

駅から家に向かって歩いていた時のこと、私のことを4、5人の中学生が自転車で追い抜いた。彼らは楽しそうに会話をしていた。

「深海魚がさ…」

中学生の1人がそう言った。その瞬間、タイムスリップしたように、私の脳裏に中学時代の映像が映し出された。



「では、みなさん班ごとに自己紹介と掲示物の作成を始めてください。」

先生がクラス全体に向けて言った。そして、私たちの班も話し合いを始めた。

諸々自己紹介が終わった後、私たちは掲示物の作成に移っていた。この掲示物には班員紹介と班の目標を書かなければならない。

「みんなでさ、なんかあだ名つけない?」

班員の元輝(もとき)がそう言った。みんなも賛成した。

順々にあだ名は決まっていき、あだ名の決まっていない人は翔大(しょうた)のみとなった。翔大に元輝は、

「深海魚とか良くない?」

と言った。翔大は、

「うん、いいね!」

と笑いながら言った。私たち班員も賛成した。私たちは掲示物に決定したみんなのあだ名を書き、掲示した。


後日、班員全員が教室に残された。何事かとみんなで話していると、先生が教室に入ってきた。そして、翔大だけが呼ばれ、私たちはその場で待機していた。私たちは本当に身に覚えもなく、ただ何となくドキドキしていた。

先生はすぐに戻ってきた。しかし、そこに翔大の姿はなかった。私たちは1人ずつ別の部屋に通され、そこで初めて残された理由を聞いた。どうやら、翔大はあの「深海魚」という名前を気に入っていなかったらしい。私はそれを聞いて驚いた。頭が打ち付けられたように痛かった。そして先生はその後、私にこれはいじめと同じだと説教をした。いつの間にか私は泣いていた。



抜かしていった中学生が何の話をしていたのかは分からない。ただ、私は「深海魚」という言葉を聞いて、震えが止まらなかった。


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