帰路
夕方六時 高架橋から見える住宅街 少し離れた街で
けれど自転車で駆ける小学生 染み付いたタバコの匂い どこかで見たような木造の家は 懐かしく それでいて新しいような
ここは煮付けだ こっちは生姜焼き 子供の声とカレーの匂い マフラーの隙間から入ってくるそれらは 昔連れられたレストランの様で どれもが輝いて 選びきれない
イヤホンの中は夏で けれど夕方 世界が混ざり合う様な 空は碧く 冷たい風が まだ冬だと
次は確か 微かに鐘の音 帰らなきゃ 聞き慣れたそれは 果たしてイヤホンかそれとも 黄昏は 世界があやふやに 陽が落ちる 終わる 何が 世界が いや 浸っていた 自分 本当に浸っていたのは
知ってる街 変わらない 街灯が照らす コンビニ
あ、ジャンプ買って帰ろ
この作品のジャンルは詩であってるのだろうか