運も実力の内
テスト期間だったのでかなり投稿遅くなりました。
本当にどうしてこうなった・・
俺は今人生で最大の危機に直面している。
拉致された後、殺し合って〜と軽く言われ更にはチンピラに銃口を向けられている。
こんなことに巻き込まれるなんて本当に運が悪い。
しかしまぁ冷静に考えてみると打開策が無いわけでもない。
俺とチンピラの距離は15mあるかないか。
これは先程気付いたけどあの銃は誰もが聞いたことのある「デザートイーグル」と言うやつだろう。
デザートイーグルは反動が大きく初心者が扱うには少し厳しい面がある。
つまり賭けになるが弾が当たらないのを祈りながら全力ダッシュでこの状況から逃れようという策だ。
.....昔中二病をこじらせていた時にネットでこういうちょっと危ない知識を漁りまくっていたのだかまさか役に立つなんてな。
さて問題は走り出すタイミングなんだよなぁ
なんの工夫も無く走り出したら狙い撃ちにされそうだし.....
せめて1秒でも銃口が俺から逸れてくれれば!
その時
「おい!さっさと荷物をよこせよぉ!」
この重い空気に耐えきれずチンピラが全体に怒鳴り散らす。
.....相当焦ってるな やるなら今しかないだろう
ここで下手なことしてチンピラに冷静さを取り戻されても困るしな
俺は覚悟を決め建物がある方向に走り出す。
それに気付いたチンピラは
「あぁ!?どこ行くんだてめえ!」
と怒鳴りながらなんの迷いもなく発砲してきた。
が その弾は俺にかするどころか頭上を通り手前のビルの三階の窓に命中する。
よし、ここまでは計画通り。後はそこら辺の建物に身を隠すだけだ。
俺は建物まで辿り着き身を隠すことに成功した。
「ハァ.....ハァ.....疲れた.....」
想像以上に疲れた.....
ここ数年で一番動いたかもしんない。
「.....ん?」
足音が聞こえる。
俺の行動に便乗して逃げてきたものだろうか。
それとも俺を追いかけてきたチンピラか.....
どちらにせよこの状態で会うのはまずい。
..........よし、逃げるか。
逃げるが勝ちって言うしな、うん。
裏口からこっそり出よう。
音を立てないように移動し、
細心の注意を払い裏口のドアを開ける。
「「 あっ。 」」
するとなんということでしょう
足音の正体とご対面してしまう。
見た目は若く俺より10cmくらい背が高い男の人だった。
すごい優しそうだがこの状況だ。
何をしてくるのか分からない。
男が口を開き
「やっと見つかったよ。」
と言う。
この言葉で確信した。
この人、俺を追いかけてきたんだ。
つまり.....俺を殺しに来たとも考えられる。
その考えに至った瞬間、俺は走り出した。
逃げ切れるかも分からないのにバカか俺は!
追いつかれたら殺される、それしか頭になかった俺はまともに考えもせず逃げるのに必死になっていた。
「ゼェ.....ゼェ.....もう走れねえぞ」
次見つかったら本当にやばい.....
不登校でろくに運動してこなかったとはいえ
たかが数十メートル走っただけでこのざまは自分でも情けなく思えてくる。
「フゥー、 もっと遠くに行かないと.....」
少しでも見つかるリスクを下げるため満身創痍の体を無理に起こす。
息を整え立ち上がり、歩き出す。
建物から出ようとすると
「みっけ♪」
と、真後ろから先程の男の声が聞こえてくる。
「なっ!?」
俺は疲れていたからか背後の気配に全く気がつくことが出来なかった。
すぐに逃げようとするが、体がいうことを聞かない。
男は肩を掴み、建物の中に引きずり込もうとしてくる。
「あぁぁぁ!!やめろぉぉおおおおお!!!!」