始まり
どのくらい気を失っていただろうか
目が覚めた俺は見覚えのない部屋のベッドの上に寝かされていた。
「知らない天井だ」
と言い体を起こす。どうしたもんかなと考え
まず持ち物の確認をすることにした。
身に付けていた衣類や携帯、財布はそのままだったが手に持っていた買い物袋などは当然と言えば当然なのだが無かった。
部屋の構造はドアが正面に一つ、部屋の中心にベッドがあるだけのシンプルなものだった。
ひとまず動こうという考えにいたり部屋から出る決意をした。
ドアを開けると一本道になっており道の先には小さな光が見える。
どうやらこの道は相当に長いらしい。
….まぁでも歩くしかないか
しばらく歩いた俺は
「この道いくらなんでも長すぎるだろ.....
設計者しっかりしろよ」
そんなことを愚痴りながら歩いているとようやく一本道を抜けることが出来た。
抜けた先には大きな空間があった。その空間にはビル等の大きい建物が多く建ち並んでいる。しかしそのほとんどは廃墟のようにボロボロだ。
「遅ぇぞ!いつまで待たせりゃ気が済むんだ!?」
急に怒鳴ってきたのはいかにもヤンキーって感じのヤンキーだった。
反射で
「すみません!」
と言ってしまったが俺に向けた発言じゃないらしくヤンキーには舌打ちをされ普通に無視された。
冷静に周りを見渡すと俺はある異変に気づく。
なんでここにいる奴らみんなリュック背負ってんだ?
それに気づいた直後アナウンスが流れた
「あーマイクテス マイクテス
全員集まりましたか?集まりましたよね?
はい!いきなりで申し訳ありませんがそれでは皆さんにはやってもらいたいことがあります!」
本当にいきなりだなぁー
これには周りの人達も
「ふざけんなー」とか「帰らせろー」とか野次を飛ばしてる。
この反応を見る限りここにいる奴ら俺と同じで無理矢理連れてこられた感じか
それにしてもこれだけの人を誘拐してまでやりたいことってなんだ?
そんな疑問を抱いていたがすぐに答えは出た
「皆さんにはこれから 殺し合い をしてもらおう!」
突然のこの言葉に場にいた者全員の顔が青ざめる。
「ルールはあってないようなものだけど一応言っておこう。生き残れる人数は3人。相手を殺す為ならどんな方法でも構わない。制限時間は3日、食料と飲み物は各自で支給されてるはずだから問題はないね。殺傷用の武器も食料とかと一緒にリュックに入ってるから確認しておくように。
それでは!楽しい三日間をお過ごしください」
なんてことだ.....リュックなんてあの部屋にあったか?いや、無かったはずだ部屋の中は散々見回したし.....クソっ
やめよう 今はこれからどう生き残っていくかが重要だ。
そんな俺が全力で思考を働かしていたとき
「おい!お前ら動くんじゃねぇ!」
それを言ったのは最初に俺に絡んできたヤンキーだった。手に持っているのは拳銃。
「全員大人しく荷物を寄越せ!早くしろ!」
「おいおい 嘘だろ・・」
銃口は明らかに俺に向けられている。
まだなんも策がうかんでねえってのに!