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袋小路と白い魔女  作者: 葉月舟
魔女よ永遠なれ
52/57

 少しふらつきながら立ち上がり、玄関のドアを開けた。

 そこに立っていたのは、福沢だった。


 スーツをきちんと着ていたが、リュックサックを背負った肩越しにT型定規が斜めに突き刺さっているのが見える。


 両手にも大きなレジ袋を重そうにげていた。

「いやあ、ここまで電車を乗り継いでくるのは大変だったよ」


 汗びっしょりになっている顔を、背広の肩のところでしきりに拭おうとしている。


「いま夜中の何時だと思ってるんだ」

 突然の訪問に、そう口を開くのがやっとだった。


「何を寝ぼけたことを――。まだ九時にもなってないぜ。さあ久しぶりに一杯やろうじゃないか。うたげはこれからだぞ」


 僕が不機嫌そうにしているにもかかわらず、何の頓着もなさそうに言う。それから勝手にずかずか家の中に上がりこんできた。


 九時……? まだそんな時間だったのか。


 いったい俺は何時に寝て、それからどれぐらいの間うつらうつらしていたのだろう。

 そして何回、あの夢を見たのだろうか。


 そんなことをぼんやりと考えている間に、福沢はレジ袋をどさりと床に置くと、冷蔵庫を開けた。

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