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袋小路と白い魔女  作者: 葉月舟
消せぬ足跡
19/57

 その日この話を聞いた別のクラスの者から、自分たちにも手伝わせてくれと申し出があった。例の喧嘩の相手だ。


 彼らは、俺たちも協力するから、一年生とその父母全員から署名を集めようと言ってくれた。


 そこで福沢と四人で手分けをして、各クラスに応援を頼もうということで相談がまとまった。


 しかし翌朝、福沢がなかなか登校してこない。

 何してるんだ、こんな大事な時に。


 一人やきもきしていると、教頭が来て、何事もなかったように出席を取る。

「福沢は今日は下痢で休むそうだ」


 教頭がそう告げると、あちこちからクスクス笑う声が聞こえた。


 続けてぼそりと言う。


「人間の身体から出るもので、一番汚いもの……。やはりそれは、ウンコじゃないのかなあ」


 今度は誰も笑わなかった。恐らく凍りついていたんだろう。

 教頭は赤面して、ゴホンと咳払いをした。


「ああ、今日はみんなにいい知らせがある。署名を昨日早速、根津先生に届けた。そしたら、とても喜んでね。


みんなの気持ちはしっかり受け止めさせてもらう。この教壇に再び立てるかどうかは分からないが、教師はやはり続けたい。


そしていつかはみんなの成長した姿を再び見てみたい。そう言っていた」


 教室からいっせいに歓声が上がった。

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