表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

28/35

【小ネタ】梅雨の日の二人。

LINEとかなんかそれ系で話してる梅雨の一幕。大体ただのコイビト同士っぽい。

折に触れてTwitterで嬉しいお言葉をくださる方に捧げます。

「どうしよう……傘忘れた……」


「ああ、降り出したもんな。でも帰るまでに止むかもだし、そんな絶望的な雰囲気漂わせるほどのことじゃなくねぇ?」


「君のところでは二人で下校イベントが起きないとは言わせない」


「ああ、そういう……いやでもあれランダムだろ。ダッシュで帰ればなんとかなるんじゃ」


「『たまたま』『運悪く』『うっかり』が起こったらイベントの予兆だって経験が言ってる」


「教科書忘れたーとか? 辞書忘れたーとか?」


「それ。いつも鞄に入れてる折りたたみ傘を出した日に限って降水確率を裏切って雨が降り出したとか、もうこれ完全にイベントの前振りとしか思えない」


「イヤな経験値積んでんな……」


「私だって積みたくなかったよ……この予感が外れてくれればと切に願ってるよ……。いっそ早退しようかな」


「それはそれで別のイベントフラグになりそうな気もする」


「ですよねー。どうしよう詰んだ。相合傘イベントだけは避けたかったのに」


「梅雨入る前からいつでも鞄に折りたたみ傘常備してたのそれが理由か」


「そうだよ念には念を入れてたんだよ! なのに一度のうっかりが悪魔のような確率でイベントを運んでくるっていう現実がひどい」


「……なんでそこで『彼氏』に頼るって発想が出ないんだあんた」


「( ゜д゜)ハッ!」


「www 焦りすぎだろwww」


「返す言葉もない……。え、でも頼っていいの?」


「当たり前。っつーかそういうときのための俺だろ」


「やだ格好いい惚れる」


「褒めても何も出ないぞ。帰り、いつものゲーム屋寄るけどいいよな?」


「全然オッケーっていうかむしろ私も行きたかったし行くつもりだった。雨が降るまでは」


「じゃあ問題ないな。ただ問題はあんたの学校の方が早く授業が終わるってことだが」


「君の移動の時間もあるしね。図書室とかで時間潰すとかする」


「了解。近くまで来たら連絡するわ」


「よろしくお願いします……!」


「持ちつ持たれつだからあんま気にすんなよー」





 ……これで一件落着、とうっかり楽観視した二人は知らなかった。

 図書室での時間潰しが新たなるイベントのフラグになることも、終礼が済むや否やダッシュで帰ったことが面倒な疑惑と嫉妬イベントの種になることも――逃れたはずの相合傘イベントが双方に別の形で立ちはだかる未来も。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ