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転生先が二次元みたいな三次元だったけどエンジョイしない人達(二次元愛)の話。 えくすとら  作者: 空月


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【小ネタ】お助けキャラ絡みで誕生日IF。

 あらゆる誕生日イベントの回避のため、前々から計画していた待ち合わせ場所に現れた彼女の手に、在るはずのない見た目のモノ――丁寧にラッピングされた、いかにもなプレゼントらしき物体を認めて、彼は首を傾げつつ訊ねた。


「……それ、どうした」


「そこで『プレゼント☆彡』って渡されて……」


「ああ、お助けキャラヤツか……」


「誕生日教えてないのに……同じ学校とかそういうのでもないのに……」


「神出鬼没の情報通とか二次元にしか存在しない属性持ちだからな……。深く考えるな」


「個人情報保護法が私を守ってくれない……」


「それは前からだ仕方ない。存在しないと思え」


「個人情報ダダ漏れてるよ怖いよこの世界。私のも他の奴らのも」


「最近ヤツは好感度とか包み隠さず言い出したからな……」


「やっぱここ二次元なの? エンディングとかあるの?」


「そこ考えるとループものかホラーになるからやめよう」


「問題を後回しにしても何も解決しないよ」


「あえてあんたの誕生日に考えるお題でもないだろ」


「……ありがとう?」


「なんか変だが。どういたしまして?」


「……で、これなんだろう。開けていいと思う?」


「開けるのこわいのはわかるが、開けても開けなくても大差ないと思う」


「それはそうか。……うーん……? なんか券っぽい」


「券?」


「……『何でも言うことききます券』……?」


「明らかな手書きなのにやたら凝ってるのがイラっとくるな」


「確かに。……いや、それは置いといて。見てよこの裏書き」


「あ? ……『あなたの願いを何でもひとつ叶えちゃう☆彡 ただし可能な範囲でね! 内容は要相談だよ!』……?」


「なんでそんな文面に忠実に読み上げちゃったの」


「条件反射で。っつーかなんだこれ」


「だからそれは私が聞きたい。なんだろうこれ」


「額面通りに受け取るなら便利グッズになるけど」


「新たなフラグ条件の可能性は?」


「否めないな」


「どうしようこれ。捨てていいかな」


「呪いのチケットじゃあるまいし。持つだけ持っとけば? ……ほら、嫌な先例があるだろ俺たちには。ヤツの力を借りないと切り抜けられない場面が来ないとも限らない」


「考えたくないけど否定はできないね……」


「否定できない現実がつらいな」


「でも連動仕様だったら君の死亡フラグだよ?」


「勝手に殺すな」


「いや精神的に死ぬかなって」


「やめろ縁起でもない。それだったら俺の誕生日の時に起こるだろ」


「それもそうだね。じゃあ一応肌身離さず持っとく。でもこれ、ヤツが近くにいなかったらダメだよね」


「いつでもどこでも呼べば出てくる特典くらいはついてるんじゃね?」


「なにそれこわい。ストーカーとかヤンデレよりこわい」


「俺も言ってからものすげーこわいなって気づいた」




 そうして後日、当たってほしくない予想が当たってしまった彼女は件の券を使用することになるのだが――それがお助けキャラの攻略対象昇格フラグだとは、さすがに二人ともに予見はできなかったのだった。

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