第零話 消失の日
説明が足りな過ぎると感じ、今更投稿。
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日本某都道府県三神市立三神中学校二年X組で発生した集団失踪事件にして怪奇現象。
午前八時四十五分。クラス担任教師がホームルームの時間に教室を訪れた際、生徒全員が荷物を残したまま忽然と姿を消しているという現象に遭遇した。
当初、担任教師は自らの受け持つクラスの特殊性から、何らかの理由があって全員が教室外に出ていったのだと判断した。
しかし生徒達は放課の時間になっても戻らず、流石に事態を重く見た学校側は各生徒の保護者に連絡をする事にした。
しかしそこで、現状をまだ軽視していたことを思い知る。
生徒達は誰一人として帰宅しておらず、それどころか教室及び学校敷地内から出る姿を目撃されていなかったのだ。
校舎の各出入口には不審者対策のため、監視カメラが設置されている。しかしその全てに生徒の姿は移されていなかった。
必然的に、二年X組の彼等は教室から出ることなく消失したことになる。
多方面に強い影響力を持つ保護者の協力で、日本全国で一ヶ月にも渡る大規模な捜索が行われたにも関わらず依然として手掛かりはなく、また何処からも彼等を誘拐した旨を知らせる声明もなかった。
後にこの件は世界を震撼させる世紀の行方不明事件として、数多のマスメディアにて報道された。
一切の足跡を残さず消えた二十四人の少年少女は、果たして今何処に──?