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目先にあるのは光か闇かシリーズ

目先にあるのは光か闇か

作者: 神通百力

 半年前、地面から謎のガスが噴出した。

 ガスは紫色をしており、瞬く間に全世界に蔓延した。そのガスを浴びた大人は皆死に絶えた。しかし、不思議なことに十五歳以下の子供は無事だった。

 なぜ十五歳以下の子供だけが死ななかったのかはわからない。その理由を究明する大人も死んでしまったから。

 私たち子供は謎のガスが蔓延する地上で生きなければならなくなった。


 ☆☆


 私はスーパーで食料を漁っていた。

 大量のカップ麺やお菓子、ミネラルウォーターをカゴに放り込み、私はスーパーを出た。

 多くの子供たちがスーパーやコンビニのガラスを割って侵入し、食料を確保している。生きるためにはそうするしかなかった。この世界に大人はもういないのだ。自分たちで何とかするしかない。

 ホームセンターでやかんとスタンド付きの焼網を手に入れてから、近くの公園に向かった。この半年間は家にあったやかんと焼網を使っていたが、十年近く使用している物だから、新品を使うことにしたのだ。

 小枝と葉っぱを一か所にかき集め、スタンド付きの焼網をセットする。やかんにミネラルウォーターを注ぎ、焼網の上に置く。マッチに火を点け、葉っぱに近づける。すぐに葉っぱに火が付いた。

 私はお湯が沸くのを待っている間、辺りを見回す。紫色のガスが辺りを漂っている。私の両親を殺した忌まわしきガスだ。

 ギロリとガスを睨みつけていると、お湯が沸いた。お湯をカップ麺に注ぎ、三分待ってから、麺をズルズルとすする。

 私はバクバクと食べ進めながら、ふと思う。

 一週間後は私の誕生日だ。あと一週間経てば私は十六歳になる。十六歳になったら私はどうなるのだろうか? ガスを浴びて無事だったのは十五歳以下の子供だけなのだ。十六歳以上の者は皆死んだ。

 私の命はあと一週間だけなのか? もうそれ以上は生きられないのだろうか?


 ――目先にあるのは光か闇か。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 不思議な世界観に引き込まれたような気がしました。 崩壊してしまった世界というものが私は好きでして、この作中の雰囲気が私の心にストライク!でした。 [気になる点] 気になる点、と言うか勝手…
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