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戦う生産職  作者: 雷炎
煌炎皇編

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78/93

創り造る

うーん。消化不良。


「…」


おれの周囲に浮かぶ百を超える無数の特典武器の群。

アマルティアさんはこれを使って自分の力の本質を探れと言った。俺のスキル『創造』の本質って何だ?

物を産み出す?いいや今まで俺がやってきたのは物を作り変える事ばかりでゼロから何かを生み出したことなんてただの一度も無い。

いや、本当にそうだろうか?スキル創造を行った時、あの時の俺は魔力を対価にそれまで其処になかった物を産み出していた。

ならば魔力から何かを産み出すのがこの能力の本質か?

それも違う。さっきのアマルティアさんの言葉を聞いてからこの能力には妙な違和感がある。ある筈の無い様な無理やり外付けした様な奇妙な違和感が拭えない。


作業開始(クラフトスタート)


空中に顕現する光り輝くハンマー。これで叩けば恐らく万物の形状を作り直せる。それが【再構築】。


「ん?」


ふと突拍子もなく手近な特典武器にこのハンマーを殴りつける。


“ザザッ”


────────────────────


【■■■■■■■】■■■■


────────────────────


「!?」


雑音と共に一瞬だけ黒く塗りつぶされたウィンドウが見えた。

すかさず俺は近くにあった特典武器… 【色奪炎光芒 モノクローム】を乱打する。


“カンッ!”


────────────────────


【■有■■■■量】8■■■


────────────────────


“カンッ!”


────────────────────


【■有■ソー■量】8■7■


────────────────────


“カンッ!”


────────────────────


【■有リソース量】861■


────────────────────


“カンッ!!!”


────────────────────


【保有リソース量】8720


────────────────────


一際大きな音を立てた打ち付けたその時、黒く塗りつぶされたいたそのウィンドウがしっかりと可視化された。


【保有リソース量】


恐らく今俺の持っている何かしらのエネルギー的な何かの総量なのだろうが使い道を含めてさっぱりわからない。

だな、先程から【色奪炎光芒 モノクローム】を叩くたびにその数値は上昇し続けている。ハンマーを振るった回数?馬鹿言え、それは一度に貯まる量や名前と比べても違うだろ。

恐らくこの数値の意味するところは…


「モノクロームを分解する事で発生したエネルギー分の増加」


そうだ、確かアマルティアさんはこう言っていた。


“ 万物を一度ゼロへと還元し新たな形に生まれ変わらせる力”


“ 物体が元々持っている性質すら還元して産み直すのだから君にとって万物は同一の物でしか無い”


だったら今ここに溜まっているのは今まで俺が『創造』で物体を作り変えた際に発生した余剰分の蓄積だろう。


ならば話は早いと周囲の特典武器の群を片っ端からぶっ叩いてリソースへの変換を試みる。

意識してみると魔力なんかとは違う言うなれば物質の大元の様な物が自分の中へと流れ込んでくるのを感じる。だが、感じるだけでここから何をどうしたら良いのかがまるでわからない。

感じるだけで魔力みたいに動かすことも出来ない。


何か、どうにかしてこれを使う方法は無いか?

尽きない疑問の渦の中で思考がループする。


創造、再構築、新生、リソース、魔力、特典武器、万物は同一、クラフト


あらゆる単語が現れては消え、特にこれといった物も思い浮かばず途方に暮れる。


こんな時に『直感』や『閃き』みたいなスキルが有れば良いのにと常々思う………?


まて、さっき感じた違和感を思い出せ。スキル創造のことだ。今更ながらあれは本当に妙なスキルだ。スキルを創り出すスキルと言うだけならわかる。だが、あのスキルはそれにしたってあり得ないかくらいにコストが安い。と言うか安過ぎる。いかに異世界人だとは言えレベル1の魔力量で賄える程度の魔力でスキルを生み出せるなんて今考えてみれば違和感しか無い。あれは本当は別のところから引き出したナニカで賄われていたのでは無いか?ならそれは何処らから。考えるまでも無い、このリソースからだ。

先程からの特典武器からの吸収率を鑑みてもこのリソースはたったの1でも結構な重みがある。今までの『創造』で使っていた物はどう考えても特典武器とは比べるのも烏滸がましいレベルの品質の物だ。そんな物でここまでリソースが貯まるとは考え辛い。最初から何かしらの要因でそれなりの量あったと見るべきだ。

兎も角、このスキル創造はリソースを消費して行っている。ならばスキル創造を行えばリソースの流れや動きを読み取り理解出来るかも知れない。


そうとわかればいつもと同じだ。ただひたすらに繰り返すのみ。

幸い今ここには材料となる物(特典武器)は腐る程ある。それに上手くいけば創造したスキルも分解出来るかもしれない。


そして俺は黙々と作業に没頭した。

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【終焉世界英雄譚】

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