天征七業大亜神
後書きに重要そうな報告
戦場に新たに現れたのは三体の超存在。
魔獣【七罪天魔王 シン】
同じく魔獣【大海母神鯨 パライナ】
神獣【征星界拓迷魚 クロノス】
同じく神獣【万魔討滅猟精 キニゴス】
単騎で国を相手どれるとされる文字通りの一騎当千を体現する超存在達。
「話は大体分かった。俺たちもあいつを倒し切る手段が無いのは同じだ。俺も今からできうる限りの攻撃を試すが期待はすんな。お前らはその間に対策を考えてろ」
キニゴスさんはそう言うと【煌炎皇】目掛けて飛んで行った。
「あらあら。それでは私は負傷した皆さんの回復と防御のお手伝いをしますね」
パライナさんはそう言うと一切の気配無く姿を消した。
『戦闘続行』
クロノスさんは必要最低限の言葉を告げると先程と同様に歯車の砲撃を再開した。
「それでは僕もキニゴス君のお手伝いをするとするかな。でも、この状態だと役不足でもある。」
シンさんはそう言うと手元に恐らく特典武器である黄緑色に輝く小箱を取り出した。
「調整を誤るとうっかり神になってしまうから慎重にね。『我は経験喰らう魔箱』」
黄緑色の小箱… 【経験喰纏箱 プリエンプション】の口が開かれるとそこから大量の青白い光が溢れ出るとシンの身体に吸い込まれていく。
《経験値の規定値突破を確認》
《存在進化を行います》
《対象を神獣へと進化させます》
《ERROR》
《吸収された経験値は神獣を超過しています》
《亜神へと二重進化を行います》
《進化を開始します》
そのアナウンスが流れると共にシンさんの身体が青白い光に包まれる。
“ゾワッ”
途端、シンさんを中心として膨大な圧が広がった。
《対象の名称を【天征七業大亜神 アマルティア】に変更します》
──亜神
それは魔物の行き着く極地にして生物の極点であり、これ以上の先にあるのは神々の階を登るのみであり地上に存在出来る生物にこれ以上の格上はまず存在しない。
その領域に至った存在が今、目の前に顕現した
「…知覚拡張?世界法則?…そうか、これが神に至る…」
亜神の領域に達したことによってシン…いやアマルティアの言葉はそれ即ち神言となり人々の心に満ちる。
「…ふふっ。そうかそうだったのか【根源之七】とは、【源素水】とは、ならば彼こそがこの戦いの鍵だ。いや、それだけじゃ無い。此処には、この場所には全てが揃っている。まるで導かれたかのように」
たが、その言葉の意味は余人には理解出来ず、同じ神の階梯に至った存在が他に居ないが故にその言葉の意味は誰にも分からない。
「ああそうとも。ならばこそ僕の役割とは正しく時間稼ぎだ。聖剣の英雄の解放を、響き満ちる歌姫の覚醒を、数多の獣纏う獣神の咆哮を、英霊の王の降臨を、宵闇の主の帰還を、世界すら斬る現人神の産声を、神に至る人の目覚めを、それら全てを座して待ちその礎を築き上げよう」
それは神に至りし者のみが理解する言葉であり如何なる者も理解は出来ない。だが、それでもその言葉に込められし決意と覚悟の重さだけはその言葉を聞いた全ての人が理解した。
「さて、これより僕は全力で時間稼ぎにかかる。だが、その前に僕が為すべきことを成そう。ソウタ君」
「え?あっ…はい!」
「いい返事だ。いいかい?今から僕の伝える事をよく聞いてくれ。理解出来なくてもいい。それでも君はこの言葉を聞かなくてはならない」
「…えっと?」
「僕はずっと君の力とは物質の形状を組み替え別の形とする【再構築】の力だと思ったいた。ハンマーで叩いただけで武器として整形されるなんて馬鹿らしい能力はそれしか思い浮かばなかったからだ。でもそれは違うんだ、本質を捉えられていない。」
「えっ、ちょっ、まっ…」
「君の能力の本質はもっと根源的で純粋な能力、ともすれば世界すら弄れるほどの超常の力だ。
その力の名は【新生】。万物を一度ゼロへと還元し新たな形に生まれ変わらせる力。【再構築】なんかとは訳が違う。物体が元々持っている性質すら還元して産み直すのだから君にとって万物は同一の物でしか無い。それはスキルや特典武器ですら例外では無いのだろう。でなければソレは【源素水】足り得ないのだから」
「…」
「君の力は不完全で未完成だ。故に今の君に出来ることは精々【再構築】止まりなのだろう。だが、今の僕の言葉で君の意図せずその力は深化した筈だ。今から僕は必要最低限の特典武器を除いて残り全てを君に譲渡する。それらを用いて君は己の本質を探るんだ。いくら失敗してもいい。極点に至れば全ての失敗と成功は同一化するのだから」
言いたいことだけ言うとアマルティアさんはさっきと同じ様に左腕を俺に向けてスキルを発動した。
「『強欲の腕』」
《確認しました。》
《個体名【天征七業大亜神 アマルティア】から個体名ソウタ=マツヤマにが【色奪炎光芒 モノクローム】、【山奪切刀 クルック】、【皇帝支玉冠 インペリアル】、【協定世界針槍 UTC】、【鏡面反響像剣 ミロワール】、【千門解錠鍵 クレイス】、【海戦山扇 アルティザン】、
………
……
…
【全海走破靴 ボータス】及び【無限追鎖鞭 ブロカーデ】が譲渡されました。》
それは数えるのも馬鹿らしい数々の特典武器の群れ、アマルティアさんは百に届く程のそれらをなんの惜しみもなく俺に譲り悠然と飛び去っていく。どうやら他の勇者達にも何か伝えている様だ。
本当は聞きたいことがたくさんあると言うのに俺は譲られた馬鹿みたいな数の特典武器に圧倒されてしまいその場を動くことが出来なかった。
突然ですがこの煌炎皇編を持って本作を一旦閉じることに致しました。
理由としましては薄々察している方もいるかもしれませんが本作は初期段階のプロットと比較してもあり得ないくらい崩壊しております。そうなった理由の一つにこの作品は「小説家になろう」で小説を書く為の練習用の作品だったと言う物があり、自分が思いついたり影響されたネタを前後関係すら無視して捻じ込み続けた所為です。
この作品を大元として私の想い描く世界という物は、大分形になりました。その世界観は他の作品でも共有され、世界の礎となっています。ですがこの作品だけはその中でも特異点レベルで崩壊しており、これ以上は収集がつかないと判断しました。
以上の理由より現在進行中の煌炎皇編の完結を持ちまして本作は完結となります。予めの報告ですのでもう暫くは続きますがご理解の程、よろしくお願いします。
P.S.
せっかく完結するって決めたんだからやりたいネタとアイデア全部ぶち込んでいくぜヒャッハーッ!!!