炎の流転
導かれてたどり着いた地の使用がイマイチだからフリクエばっかやってたら現時点で出来るので全部やっちゃって仕方なく彼の地に舞い戻ってきた私です。
【煌炎皇】を討伐した。
まだ発動していないスキルがいくつもあり、どんな奥の手を持っているか知れたものでは無い状態であったが、何かしらを行う前に倒す事で遂にかの存在は塵に還った。
「やったなクロ!」
「…ああ!」
見れば戦場各所で変化が起きている。
【縮退炉】と一体化していた【宙の巫女】は元の幼い姿に戻り、【てんか】によって起きていた《天華》に転化させていた『薪尽火滅』も元の魔力源が切れた事によりその役目を終えた。
戦いの後特有の高揚感に包まれた戦場であったが、突如としてそのざわめきは遮られる。
『肉体の崩壊ヲ確認シマシタ。コレヨリ再構築ニ移リマス』
何の前触れもなく何処からか【煌炎皇】の声が響き渡ったのだ。
「油断するな!まだ、まだ終わっていないぞ!」
【騎士聖】が声を張り上げ先程までの高揚感が一瞬にして失せる。
『条件クリア。コレヨリ再構築シマス』
次に聞こえたのはたった一言。とあるスキルの発動キー
『死灰復然』
その言葉と共に最早完全に灰と化していた【煌炎皇】の肉体がまるで時を巻き戻すかのように復元していく。
だがそれは先程迄の【煌炎皇】とは見た目が全く異なっていた。
灯火。そう正にそれは灯火だ。最小規模の火魔法、魔力が有りさえすれば万人が扱える最小規模の魔術《灯火》。それが幾千幾万と寄り集まって形作られたかのような光り輝く人型。それが現在の【煌炎皇】の姿であった。
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【 前】燈皇
【種族】燈皇
【年 】
【職業】燈皇
【レベ 】4 07
【魔 】
【 攻】
【 防】
【魔 】
【魔防】
【 】
【 】
【 号】
【 護】
【スキル】
《職業》
『薪尽火滅』『烽火連天』『星火燎原』『演目再炎』『死灰復然』『統炎精』
【技能】
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あの認識阻害を起こす黒煙が消えた為か、今度は【煌炎皇】のスキルが正確に認識出来た。だが、もうアレを【煌炎皇】と呼ぶのは間違いなのかも知れない。
煌炎は燃え尽き灰と化し、余熱を湛えた灰塵より新たなる燈が生まれ落ちた。
『封印ノ影響ニより停止していた炎ノ流転ガ再稼働シマス』
「な、何じゃそりゃ…!」
『…『薪尽火滅』』
解き放たれたのは先程の物とは比較にならない程に莫大な量の種火、万物に引火するソレは先程まであった『視界内』という制限を完全に無視して【燈皇】を中心に全方位に撒き散らされた。
「…!【てんか】殿ぉっ!」
「くそっ!てんか、転化、点火、天華!言霊移ろい万象を為せ!『言霊流転』」
超広範囲無差別攻撃に対してテンカは人々のいる側のみに集中して『言霊流転』を行う事により最悪の事態を避けた。だが、それでもあれだけの広域にとてつも無い数の攻撃だ。当然漏れはあるし転化のまにあわなかったものもある。特に討伐軍の端に行く程に被害は甚大となっていた。
「くっ!戦線を押しとどめる為にも無事な者は元の役割どおり動け!負傷者の回復には私と教会部隊を充てる!」
言うが早いが【騎士聖】は高速で戦場を駆け廻り補助魔法や回復魔法をかけて回る。
「奴のスキルの解析結果が出ました!戦場全体に通知します!」
【騎士聖】と入れ替わるように駆けてきたこの女性は特殊スキル『世界共有』を保有する世界でも有数の【碑文記録者】である。
彼女の持つ特殊スキル『世界共有』は保有する情報を世界規模で同時共有が出来ると言うインターネットの究極形の様な力。その力によって今迄曖昧にしかわからなかった【煌炎皇】の持つスキルの数々が遂に明かされた。
『薪尽火滅』:視界の中で現在地と最も離れた場所と現在地の2点間の距離を半径とした範囲に『絶対引火』の性質を持つ火種を無数にばら撒く。
暗がりの中で人々を勇気づけ万人がもつ希望の象徴であったその力は差別も区別も無く、淡々と万物を焼く。
『烽火連天』:過去に一度以上自分の生み出した火が通過した空間を再発火させる。
かつて【邪神】の代行分体を何十体と屠った宙を駆ける火線はいつしか地を這う人々を焼いた。だがその炎に意志はなく唯々己が役目を果たすのみである。
『星火燎原』:己の生命力を含む全エネルギーを圧縮して扱う。汎用性が高く使い方次第では星すら砕く。
己が生命を対価に如何なる戦いであっても勝利へと導いた必勝の明星はどれだけ時が経とうと一切の陰り無く己が敵に絶対なる死を齎す。
『演目再炎』:彼の炎に焼かれて逝った者達の死灰から生前の記憶や能力を抽出して再現、模倣する能力。
最早世界を滅ぼす存在と化してもその根底にある意志は己が業で塗り固められた十字架を背負い続ける。
『死灰復然』:自壊現象によって崩壊した肉体を【燈皇】の状態で復元させる。
惑星のある限り炎に終わりは無く、例え燃え尽きたとしても幾星霜の果てにそれはまた炎に還る。
『統炎精』:|自分の周囲の火に属する王以下の全ての精霊を使役する。
惑星の命脈に触れ続けた彼は大地に芽吹く生命の胎動を理解し感じ取った。故に彼はほ惑星を構成する大要素を自在に操り支配する。かつての彼が心より欲したその力が全てを失った果てに得た事の何と皮肉なことか。
私の作品のどっかに【幽界縛霊鎖】なんてのが出て来たら十中八九アストラルチェインの所為