流転の破片
モンハンやる為にさっさと書いたから雑な気がする。
「魔法部隊は結界を絶やすな!」
「『薪尽火滅』の対抗策は既に出来ている!前衛は恐れずに進め!」
「増援の到着まであと10分程です!」
「【氷魔帝】殿!お願いします!」
「任せよ。“祖は氷獄、祖は地獄、無限に凍てつき永遠に眠る深き底の暗室。我が至宝を対価に今このひと時のみその大門は開かれる。”《代償術式:【冥々獄川凍杖 コキュートス】》“大門開錠”《静寂満ちし死者の國》」
【氷魔帝】のみが扱える複合属性《死氷属性》より放たれる無限の冷気で対象を封じ込める大規模魔法。その効果は対象の分子運動を極限まで停滞させるというあまりにも理不尽な能力。だが、その代価として六文字以上の特典武器を捧げなければならないと言う大きな制約も同時に内包している。
それだけの対価を払っただけの事はあり、【縮退炉】の攻撃も合わせてガンガンと【煌炎皇】から熱エネルギーが吸収され続けている。
そう言った感情があるのか定かでは無いが、焦ったかのように【煌炎皇】がスキルを発動した。
『『薪尽火滅』』
視界内にあれば万物に点火する炎。だが、既にそれに対するカウンターは存在していた。
「はんっ!あたしの前でその技はもう二度と通用しないよ!」
飛び出して来たのは【てんか】のテンカ。ソウタ達と一緒に事前説明を受けていた女だ。
「てんかは転化、点火は天華!万物流転の理より、言霊移ろい別意を成さん!『言霊流転』」
【煌炎皇】の視界内にいた何十人という人々を焼く筈であった紅蓮の炎はしかして、誰一人と焼く事は無かった。
「うお!?何だこれ!?」
「傷が治っていく?」
「魔力まで回復していやがるぞ!」
「コレは…最上位の治癒魔法の《天華》?」
「何だか知らんがやったぞ!このまま攻め続けろ!」
「「「「「おお!!」」」」」
戦場全体が勢い付き、【煌炎皇】への猛攻はさらに激しさを増している。
「あんたの魔力でこっちの人員をゴリっと回復させて貰ったよ。…にしても、因果な物だねぇ。かつては“全世界最強の【職業】”とまで言われたかの【流転皇】の分かたれた破片であるあんたとあたし。その成れの果て同士が向かい合う日が来るなんて想像もしてなかったさ。まあ、あんたは四つも破片を取り込んだ所為で、もう自意識は残っちゃいないようだがね」
『………』
「まあいいさ。あんたも私も所詮は紛い物、いつか消えるだけだ。それに、ここまで人様に迷惑かけちまったらその身で償いな」
『………排除シマス』
「これより大規模術式が発動します!範囲内の方は急いで避難してください!」
その連絡を受けて【縮退炉】を除いた全員が即座に退避した。
そして【鋼魔帝】、【炎魔帝】、【氷魔帝】、【聖魔帝】の四人の魔帝による複合魔法が発動する。
「「「「“地の血は巡りて牙を研ぎ、血なき場所にて皮を張る。高きに座される我らが神は、星の獣に加護を付す。”《龍口開放》!」」」」
その魔法が成されると【煌炎皇】の周囲の大地がみるみると陥没して行き、小さな穴に閉じ込めた。穴の内側は無数の光輝く棘に覆われており、【煌炎皇】の火力でもそう易々とは熔かせないらしい。だが、この程度でこの魔法が終わるわけもなく次なる一手が発動された。
「「「「星の輝きに撃たれよ!《龍槍昇華》」」」」
それは星の命の輝き、星の深き場所にて幾星霜の時の内に生まれた最硬の物体。もはや金属ですら無いそれは全てを貫く究極の一撃となる。
「「「「刺し穿て!《龍脈魔法》《星霜牙槍》」」」」
地の底より現れた紫懸かった虹色に輝く槍は遂に【煌炎皇】を下から上へとその正中を穿ち貫いた。
『■■■■■■■■■■■■■!!!』
害神ですら軽く葬れる圧倒的な一撃を受け、声にならない叫び声を上げた【煌炎皇】は、それまで発して続けていた高熱が嘘のように引いて行きゆっくりと地に伏せた。
だが、これで油断するなど言語道断。まだ生きているかもしれないならば確実に息の根を止める。そう思い各々のが動き出そうとしたその時
“ピシッ”
【煌炎皇】の全身に無数のヒビが入り、それから幾ばくともしない内に“ビキリッ!”と、致命的な音を立てると【煌炎皇】の身体は全身粉々になり、ゆっくりと灰と化していき、遂にそれが全身に及んだ刹那
「「「「「「「「「「「ああああああああああっっっ!!!!!!」」」」」」」」」」」
声にならない歓声が戦場に満ちた。
アストラルチェイン楽しいですね。




