王都到着と説明
ドクターストレンジやっぱ面白い。
新作来月の初めにあげる予定。
ドワーフの国との国境に差し掛かったあたりから延々と降り続いた雨は遂に止むことなくそのまま俺たちは王都に着いた。
「こんな調子でこの国は穀物の生産とか大丈夫なのかな〜。」
「大丈夫じゃないでしょうね。」
国境からここまでの間に雨は止むどころかどんどん勢いを増しており今も延々と豪雨といって差し支えないレベルの雨が降り続いている。
「くる途中の畑とかも相当酷いことになってたな。」
「ああ、目に付いたとこは『変性』で地面を固めておいたけどあれも焼け石に水だろうな。まあこの場合はその水が厄介なんだけど。」
「…俺は取り敢えず街で情報収集してくる。」
「おう了解…ってもういねぇし。」
そんなわけで俺たちは一旦冒険者ギルドに顔を出した。
「お待ちしておりました。」
ギルドでギルドカードを出すとギルドのサブマスターに案内されて大きな会議室に連れてこられた。
「ここには連日各国からの援軍の皆様が訪れているので数日後に議会場で行われる大会議の前に皆様方に事前説明を行なっています。」
議会場。王城ではなく議会場なのはこの国には王族が居ないからだ。
ドワーフは有名な様に物作りに関して天賦の才を有しておりそれぞれの得意なことで別れたいくつかの氏族がある。有名なのは武具作製を得意とするレン族、鎧を含む服飾系を得意とするボウ族、アクセサリーやマジックアイテムの作製を得意とするソウ族の三種族だ。他にも様々な氏族があり王様は十数年に一度の単位で各氏族が持ち回りで行なっている。
話が逸れたが大会議というのは各氏族の氏族長達が一堂に会して国の未来について語り合う場だ。今回の場合は国の近海で復活しようとしている【煌炎皇】についてのことで間違いないだろう。
大会議室には既に三人の人がおりゾロゾロと入ってきた俺たちに一斉に顔を向けた。
三人はそれぞれ
こちらを真っ直ぐと見据えている真っ赤な髪をした勝気な感じがするスタイルのいい女性。
俺たちと似た真っ黒な髪をした俺たちを見た後すぐに虚空へと視線を戻した巫女服をきた少女。
これまた黒髪の笑みを浮かび続けて背中に馬鹿みたいな数のの武器を背負った表情の読み取れない青年。
見た目だけで一癖も二癖もあると思わせる人達だ。
「本日この時間帯に到着したのはここにいる皆様で全員の様なので【煌炎皇】に関する説明を始めさせて頂きます。」
「待って。」
そこへ赤髪の女性が待ったをかけた。
「せっかくなんで自己紹介でもしない?これからお互いの背中を任せて戦うんだし。」
「いいねー!やろうやろう!」
黒髪の青年がおちゃらけた声で賛同する。
「…構いませんよ…」
巫女服少女も構わない様だ。
「あんた達もそれでいいかい?」
「いいですよ。」
「そんじゃあ言い出しっぺだしあたしからだね。あたしの名前はテンカ。【てんか】のテンカってのが一番通りがいいかね。」
「僕はシン。魔獣【七罪天魔王 シン】が有名かな?」
「えっ」
「まじかっ」
「うそっ!」
「本当にっ!?」
「うわ〜初めて見た〜」
魔獣。この世界で魔物に付く二つ名が五文字を超えた魔物は世界を維持することを手伝うことへの見返りとして世界から知恵を授かり知恵持つ魔物…魔獣となる。
魔獣は世界を維持するシステムの様なもので普段は滅多に人前に姿を見せないと言う。
その魔獣が姿を見せている時点で尋常じゃない事態なのだろう。
「やっぱりか。」
「………」
赤髪の人と巫女服少女は気付いていたのかそこまで驚いてはいなかった。
「…エン。【宙の巫女】。」
巫女服少女は簡潔な説明だけで終わった。
「俺たちは異世界から召喚された勇者一行の一部です。今ここには居ないですけど後で勇者の奴も合流します。名前は男が俺ことソウタ=マツヤマ、ケント=ミヤマ、あと此処には居ませんがタカシ=クロヌマがいます。女子の方は右から順にアマネ=マツヤ、コトリ=タニウチ、リナ=ヤマモトです。」
「よろしくおねがいします。」×4
「皆様の自己紹介が終わった様なので続けさせて頂きます。」
その後長々と色々説明されたが出来るだけ要約して話すならこうだ。
そもそも【煌炎皇】とは特殊最上級職でもかなり特殊なもので。【燈皇】、【煌炎皇】、【残火皇】、【灰燼皇】の四つの特殊最上級職を有する存在で実質的には複合特殊最上級職に当たるらしい。
そして過去の記録から発見されたそのステータスがこれだ。
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【名前】煌炎皇
【種族】煌炎皇
【年 】
【職業】煌炎皇
【レベル】3 65
【魔力】
【物攻】
【 防】
【魔 】
【魔防】
【俊 】
【 】
【 号】
【加護】
【スキル】
《職業》
『薪尽火滅』『■火連■』『■火■原』『■目■炎』『死灰■■』
【技能】
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意味がわからないと思うがこれで間違いはないらしい。
詳しく聞いてみるとこの様な返答が貰えた。
「【煌炎皇】はその莫大な熱量を持ってして末端とはいえ世界を構成するシステムの一部であるステータスを焼いたらしいです。故に【煌炎皇】のステータスはそこら中が焼け落ちています。
そしてその身が発する炎から発生した煤は強力な阻害効果を持つらしくスキルは殆ど調べられなかったとのことです。」
にしたって資料が少なすぎるので聞いてみれば【煌炎皇】を封印したは良いものの戦いの余波で国そのものが焼け落ちかけて当時の資料の大部分が消失したらしく殆ど記録が残らなかったらしい。
「あらゆる物が燃えて熔け落ちる中でどうしても伝えたかった事だけは口伝として伝えられています。曰く…」
“彼の者完全に滅すること遂に能わず。如何なる者もこれ成し遂げること不可能なり。故に彼の者復活の折には万軍を持ってして封じ給へ。”
世界維持への協力を拒んだ魔物は五つ文字に格上げされた後に一度だけ■■■へと飛ばされます。
余談:【煌炎皇】君がはっちゃけた500年前には【煌炎皇】君のせいで地面が融解して地盤が傾いた。
つまり【煌炎皇】君は傾国(物理)が出来る。




