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戦う生産職  作者: 雷炎
煌炎皇編
65/93

焔の影

令和もよろしくお願いします。

試しに章タイトルを付けてみました。

ちょっと採取決戦に言っていたのでこのコメントを追加するのを忘れてました。m(_ _)m

あの後も何度か魔物の襲撃はあったものの特にこれといって大怪我を負うような事もなく俺たちは順調に進み遂に国境を超えた。


「ギルドカード見せたらあっさり通れたな。俺たちランク高くもないのに。」

「…勇者のカードとか一部の特別な人間の持つカードには特殊な細工がされていてそれで見分けているらしい。」

「便利だね〜。」


高級馬車故に揺れがほとんど無く馬も特典武器だから疲れ知らずで延々と走ってくれるおかげで俺たちの旅はすこぶる快適に進んでいる。



“ボツ、ボツ”


「ん?雨か?」

「通り雨じゃねぇな。こりゃ相当降り続けるぞ。」

「なんでそんなことわかるんだよ?」

「精霊を取り込んでいると周囲の自然環境がなんとなくわかるんだよ。」

「何その便利機能。」

「どうする?地面が泥濘むから危ないよ?」

「そこは任せろ『創造:錬金』」


この錬金や変性もそうだが俺の持つ『創造』は余分に魔力を込める事で物を伝って遠くにある物にまで影響を及ぼせる事が最近になってわかった。だからこうやって馬車越しに地面に魔力をながして


「《生産技能:抽出》『創造:変性』」


ぬかるんだ地面から水分を適量抜き取り変性でならして平らな道にすれば問題なく通れる。


「どうよ!これで問題なかろう。」

「でもそれ魔力を消費しっぱなしよね。そこはどうするの?」

「まかせろ山本。この世界の回復薬は血中投与でも問題なく効果がある。つまり」


そう言って俺は『無限収納』から一つの杖を取り出す。


「それって点滴?」


--------------------

【試作型魔法薬静脈摂取用杖】

【ランク】特質級(ユニーク)

【品質】A


各種魔法薬を静脈から継続して少量摂取することにより計算能力を高める杖。

試作品故に戦闘中には使えない。


製作者:ソウタ=マツヤマ

--------------------


「これさえあれば魔力の問題は解決!」

「馬鹿だろお前。」


仲間達にドン引きされているが気にしない。


こうして俺たちは止む気配のない雨の中でもスピードを落とす事なくドワーフの国の首都を目指して進んでいくのであった。

…点滴しながら延々とスキルを行使しているのは側から見ても相当不気味だと思うが。


──この時の俺たちは知る由もないことだがこの雨こそが【煌炎皇(ブレイズ)】復活の兆しであり、この雨が止んだ時こそ【煌炎皇(ブレイズ)】が復活したということの証だったのだ。








SIDE:【煌炎皇(ブレイズ)


それ(・・)は深い暗闇の中で動き始めた。

それ(・・)にははっきりとした意思などなく、ただ条件が満たされたため活動を再開したに過ぎない。

それ(・・)に目的などありはせず、ただ万物を、万象を焼き滅ぼすためだけに存在している。

なぜそんな物が存在しているのかといえばそれ(・・)が不完全な存在だからだろう。

それ(・・)はかつて存在したある職業(ジョブ)の力を何十にも等分した際に生まれたかけらの一つでしかない。

分裂した力の中でも特に強力な力の一つであるそれ(・・)は他の強力な力とは違い停止機能が無かった。

故にそれ(・・)はいつまでも止まることなく只々復活の時を待っている。








SIDE:【七罪天魔王 シン】


《【煌炎皇(ブレイズ)】復活の兆しが現れました。》

《人類範疇生物及び他複数の獣と共にこれを討伐して下さい。》

《この命令に拒否権はありません。》


「いやー拒否する気は毛頭無いんだよ?でも一方的にそれを伝えて終わりってのはひどいんじゃないかな?」


かつて先代勇者と魔王との戦いの折、二つの強大な力のぶつかり合いによって魔力の流れが歪となり生まれた天に浮かぶ島。その中央に聳える巨大な岩山の頂上にその男はいた。


「まあ久々にクロノス君やキニゴス坊に会えるなら良いんだけどね。」


男は背中にありとあらゆる種類の武器を背負っており雁字搦めにされたそれらの武器を一体どうやって引き抜くつもりなのか疑問である。

だがそれなりに戦闘経験を積んだ者にはそれらの武器が最低でも伝説級(レジェンダリー)の特典武器やそれらと同等の力を秘めた人造武器であることが見て取れる。


「にしても【煌炎皇(ブレイズ)】か。知識としては知っているが一体どれほどの存在なのかワクワクするね。」


その島……天にある地獄と呼ばれる島の主は不敵に笑う。


「なあ、お前もそう思うだろ?相棒。」


そう言いながら男は立ち上がり一言だけ口にして姿を消した。



SIDE:【万魔討滅猟精 キニゴス】


《【撒死天災 エビデンス】の討伐を確認しました。》

《戦闘参加者に経験値を分配します。》

《MVPが決まりました。》

《個体名【万魔討滅猟精 キニゴス】にMVP報酬として【万病封箱 エビデンス】を贈呈します。》


世界の北限にて、永久に止むことのない吹雪が吹き付けあらゆる生物を死へと誘う山の中で人知れず復活を果たした魔物。…かつて先代勇者に封じられていた疫病の神の成れの果ては誰にも知られることなく誰一人病魔に侵されることなく一体の元妖精によって滅ぼされた。


「あっぶねぇーーー!!あと少し遅けりゃこの星積んでたぞ!?」


《【煌炎皇(ブレイズ)】復活の兆しが現れました。》

《人類範疇生物及び他複数の獣と共にこれを討伐して下さい。》

《この命令に拒否権はありません。》


「だぁあああっ!ちっとは休ませろよ!?つか神獣(六つ文字)になるとここまで仕事増えるなんて聞いてねぇぞ!?あいつ(クロノス)はともかくあの野郎(シン)どう考えても経験値プールして格上げ止めてるだろ!」


世界各地に産み落とされた星に害しか齎さない魔物を狩るために奔走している元妖精は今ここには居ない怠け者へ向けて怒りの声を上げていた。


「あんなレベル一千(・・・・・)越えの化け物(・・・・・・)しかいない島(・・・・・・)で暮らしていて魔獣(五つ文字)とかおかしいだろ!?」


誰よりも真面目故に苦労ばかり背負う元妖精の声は今のところ誰にも届かない。

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