負働皇と毒水と
何とか落ち着いたので書けた。
…そんなことよりスマ○ラ が楽しい。
さて、やって参りました最前線!
今、我々の前には割と地獄絵図が広がっています!いくら斬っても死なないゴブリンナイト、ダメージを受けた側から次々に回復させていくゴブリンヒーラー、その他諸々の各種役職持ちゴブリンが戦場で猛威を振るっている。
「すいませーん!ポーション届けにきましたー!」
「おう!そこに置いとけ!余裕があれば手近なゴブリンを切り刻め!敵の親玉の能力はダメージ分散だ!魔法持ってる奴は出し惜さまずにドンドン打て!」
「了解です!」
なし崩し的に戦闘参加となった。
「各自他の冒険者に当てない様に気をつけながら範囲攻撃。ひと段落したらまたここに。」
「「「「「了解」」」」」
さて、みんなばらけないと効率的に動けないからそうしたけど敵のダメージ分散ってどこまでいけるんだろ?
「まあ良いや[纏成装:光刃]からのー超広域[飛刃剣]!」
ジュッッッッ!
刀を振った範囲の延長に当たる場所にいたゴブリン全てを胸の辺りで上下真っ二つにしたのに平気で復活しやがった。
「ならこれはどうだ?《サンダーレイン》」
ドオォォォォォン!
雷雨、雷を伴った雨ではなく文字通りの雷の雨を降らせた。今度は遠くの方で役職の無い只のゴブリンが一斉に死んだがこちらのゴブリンには傷1つない。
「面倒くさすぎるだろ!」
こいつらに有効な攻撃無いの?
『いくつかあります。まず毒など物理攻撃によって生じた物では無いものは有効です。現在戦場の端で【腐食王】が生体を腐敗させるという形で確実に敵陣営を削っています。また、魂を直接攻撃する能力や傷を固定するタイプのもの、さらに老化などで発生するダメージも分散出来ません。こちらは先程の【腐食王】とは逆の位置で【負働皇】が相手の寿命を死体が塵になるまで回収するという形で実行しています。』
色々突っ込みたいんだけどまず【負働皇】って何?ニートなのそうじゃ無いの?なんか強そうだよ?
『【負働皇】:特殊最上級職の1つで主に《蓄積》を目的として存在する職業です。蓄積する物は特に縛りはありませんが主に時間を蓄積することに秀でています。また、戦闘を行うには職業そのものが課してくる条件があり、職業が労働と認定する物を行ってから次に労働を行うまでに経過した時間に応じて条件の段階達成を行い戦闘が可能となります。』
うわぁ何その超面倒な職業。働けば働く程に弱くなるってことかよ。
でも対象の寿命を強奪とか相当やばいな。
つか俺にも出来る方法であのゴブリン達を殲滅する方法は無いの?
『現在までの傾向としてこちら側に捕まり断続的にダメージを受けているゴブリンは即座にダメージ分散のラインから切除していることが伺えます。そのため《元素魔法》で大きな穴を開け敵を落とし、内側に《毒魔法》を用いて汚染水を流し込むのが最も効率的と思われます。』
えげつねぇ。だけどそれが早そうだな。
それじゃあクロを呼んでくるか。
〜2分後〜
呼んできました。どうやらあいつも得意の暗殺があまり意味がなくて困っていたようだ。
「致命の暗殺撃を当てれば死ぬんだがあれは一発打つ度に精神が摩耗するからきつい…」
「あー、あれデメリットが殆ど無いと思ったら魔力でも生命力でもなく精神力を消費してたのか。まあ取り敢えず暇ならさっき言った作戦手伝ってくれよ。」
「了解…」
「わしゃ行くぜ!《アースホール》」
ズドン!
「おーいい感じに落ちたな。」
「いくぞ…《ポイズンフォーセット》」
俺の《アースホール》はその名の通り地面に穴を開ける魔法で使用した魔力に応じて広さや深さが変動する。
そしてクロの《ポイズンフォーセット》は毒の水を蛇口を捻ったかのように勢いよく術者が止まるまで延々と垂れ流しただから魔法だ。意外と汎用性が高く、術者が作ったことのある毒なら何でも魔力消費に差はあるがそれを毒水として生み出せる。
「今回使ったのは筋弛緩効果のある毒と即効性の致死毒だ。他のゴブリンを踏み台にして登られても困るしこの組み合わせなら余り毒水を流さなくともいいからな…。…そういえば毒の処理はどうするんだ?」
「元素魔法の光魔法で浄化するつもりだったんだけど、どうもこの後教会から専門の浄化術師が沢山来るらしいから問題ないって。」
「…専門の術師が沢山?…ああ、したいの処理とかあるからな。」
「どうもそれだけじゃない気がするけどそんなもん考えた所で無駄なんでいいだろ。さっさと次いくぞー。」
「…おう。」
ふと頭に説明を聞いてない【腐食王】って言葉が浮かんだけど気のせいだと無理矢理思うことにした。
………後で教会にお布施にでも行こうかな?




