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戦う生産職  作者: 雷炎
大軍統鬼編

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54/93

大死書

街に戻ってきた。

報告は自分一人で十分だから一旦解散した。他のみんなは今頃各自街でやりたいことをやっているだろう。


ギルドに入ったらクエスト達成報告のカウンターに行く。因みにここ王都のギルドの受付は大体がむさ苦しいおっさんばっかだ。何でも国で1番クエストが集まるから受付嬢で冒険者を集める必要がないから経費削減も兼ねて引退した元冒険者がやっているらしい。どう見ても山賊の頭領でもやってそうな見た目だけどみんないい人達だ。

例外的に冒険者登録などをやっている受付だけは美人が揃っている。


「すいませーん。クエスト達成報告しにきましたー。」

「おう、クエスト照会するから依頼内容言え。」

「薬毒草の採取依頼です。」

「おう………これだな。取り敢えず取ってきたの全部出せ。」

「はい。」


無限収納から薬毒草計62株を提出する。


「おう、一本あたり大銀貨2枚だから合計大金貨1枚と金貨2枚に大銀貨4枚だ。金はギルドカードに振り込みでいいか?」

「お願いします。」

「それにしても良くこんなに集められたな。」

「ちょうど群生地を見つけたんで。」

「うん?ああ、そうじゃ無くて薬毒草って見た目がアレだろ?だから群生地見つけても低レベルのやつじゃ採取してるうちに鬱になって5、6株くらいで帰ってきちまうんだよ。」

「まあ見た目がアレですからね。ところで何でこれこんな変な名前なんですか?」

「ん?こいつは先々代【薬毒王キング・オブ・メディシン】が見つけたからこんなけったいな名前してんだよ。」

「【薬毒王キング・オブ・メディシン】?」

「しらねぇか?【薬毒王キング・オブ・メディシン】ってのは薬師系統最上位職のことだ。気になんなら二階の資料室に最上位職についてまとめた本があるから見てみるといいぞ。」

「ありがとうございます早速後で行ってみますね。」

「おう、死なない程度に頑張んな。」


取り敢えず資料室に行ってみよう。



◆◇資料室◇◆



「うわすげぇ量。」


さっき聞いた最上位職についての本は何処だ?と考えつつあてもなく歩き回ること数分


(何かお探しですか?)


「うおっ!?」


(何かお探しですか?)

「いやえっと誰ですか?」

(何かお探しですか?)

「いやだから」

(何かお探しですか?)

「あっはい。最上位職についての本を探してます。」

(最上位職の本ですね。) (“コールブック”) (…こちらになります)

「あっどうも。」

(それではさようなら)


消えた。


「意味がわからん。」


◆◇冒険者ギルド・1階◇◆


「何だったんだあれ…」


「おーいさっきの坊主はいるかー?薬毒草のやつー!」


「ん?はーい!何ですかー!」

「ちよっとこーい!」


敏捷フル活用で即時到着


「おう、さっき資料室行く前の注意点を伝え忘れてたからな。」

もう行ってきちゃったんですが…

「いいか。資料室の扉の横に貼ってある資料室内での禁止事項は絶対に破るなよ?破ると奴が出る。」

「奴?」

「【司書】だ。」

「司書?」

「ああ、奴は資料室内で禁止事項を破ることを絶対に許さない。一度でも破ればそいつは冒険者として死ぬ。」

「いや、何でいきなりそんな物騒な話になるんですか。あと冒険者として死ぬって何ですか?」

「文字通り一度でも【司書】に目をつけられた奴は冒険者として活動できなくなる。奴が違反者の受けた依頼をどんな物でも先にこなしちまうんだ。それこそドラゴンの討伐なんかでもな。」

「何ですかその化け物。」

「それができちまうのが暗殺者系統最上級職【暗殺王キング・オブ・アサシン】を持つSSランク級冒険者“大死書”のブラリって奴なんだよ。だからこそ普段は生意気言っている奴らだって資料室周辺というか二階では絶対騒がない。だからお前も気をつけろよ。小声で何か訪ねてくる誰か(・・)がいたら十中八九そいつがブラリだ。」

「………」

ものすごく身に覚えがある。

「まあもし会っちまってもルールさえ守ってれば基本的にはいい奴だ。…何故か性別が女だってこと以外何も思い出せないのはかなり怖いが…。」


そう言われてみれば何一つとしてあったはずの人の情報が思い出せない。

俺は何気なく先ほど借りた本を見てみる。

『最上級職大全』

先程まですごく中身が気になっていた本が途端に不気味に思えてきた。

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新作です

【DRAGON SLAYERS】

不定期のんびり更新

【終焉世界英雄譚】

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