ゴブリン戦
ゴブリンウォリーアー×5、ゴブリンマジシャン×3、ゴブリンプリースト×2、ゴブリンライダー(ウルフver)×15が現れた。
初戦闘にしては殺意高過ぎませんかねぇ!?
ゴブリンライダーとゴブリンウォーリアーが素早く俺たちを囲んで何体かのライダーに守られる形でマジシャンが詠唱を始める。
こいつらめちゃくちゃ手慣れてやがる。
「クロは暗殺、ミヤはタンク、山本は斬り込んでスキを作れ、松本と谷内は詠唱、俺は二人のサポートをする。」
「「「「「了解」」」」」
「『影隠れ』」
「《八点結界・柱》」
「[先駆け][一番槍][大太刀斬り]」
「雷よ、導かれ敵を撃て」
「我纏うは兎の脚《跳躍脚》、我纏うは獅子の爪《獅子大爪》、《付与:鉄包》、《付与:帯電》」
山本が近くのライダーに素早く近寄り周囲含めて3体を纏めて斬り伏せる。松本は『|時詠唱』で二つの魔法を同時詠唱中。谷内は…あれ魔法なのに兎の脚力で跳ね回りながら獅子の爪で切り裂きまくってる…。あれ下手な戦士よりよっぽど強いんだよな。しかもそれがレベル100越えのステータスで振り回されるから…。
あ、俺?俺は山本が斬ったやつらがゴブリンプリーストに回復されそうだったので『無限収納』から取り出した鉄のインゴットを『創造:錬金』で鉄のピックに変えてゴブリンの頭目掛けて投げてトドメを刺しておく。おっそこのプリースト今俺にガン飛ばしてきたな?おっやるか?やんのか?
「[壱ノ太刀]」
やっちゃったZE☆
ついでに周りの残りのプリーストも斬り伏せようとしたらそいつらの頭から真っ黒な刃が生えてきた。うっわキモ。………?
「《影刃》…」
「わりぃな邪魔して。」
「いや、いい…。どうした?」
「いや何でもない…」
………。取り敢えずこれは後にしよう。
「残り何体だ?」
「残りはっ!ウォーリアー2体とっ!マジシャンひとりっ!あとライダー3体!」
「お前よくそんな飛んで跳ねて切ってしながら喋れるな…。」
「練習したからねっ!」
練習したのか
「んじゃ松本決めてくれ。」
「オリジナル複合魔法《連鎖感電杭》8倍!」
「「「「「「グギャアアアァァァァァ!?」」」」」」
討伐完了
「んじゃ解体するわ。」
そして俺はおもむろにスマホを取り出す。
「『解体アプリ』を起動してカメラ内に解体したいものを収めて『確認』。ゴブリン×25は魔石以外魔力還元、ウルフ×10は爪と毛皮と魔石以外魔力還元。最後に余剰魔力を『パーティ内分配(設定済)』にして『確定』っと。」
すると先程までゴブリン達の死体にあふれていた場所には血液一つなく35個の大小さまざまな魔石とある一定の長さのある爪と毛皮がそこには残った。そしてそれ以外の不要な部分は魔力に還元されてあらかじめ指定しておいた設定の通りにパーティメンバーに分配された。
「しっかし始めてやってみたけどこの『解体アプリ』すげぇな。」
「おう、それを言ったら『地図アプリ』も『カメラアプリ』もどれもヤバイだろ。」
それもそうだな。
「どれもこれも先代勇者様々ね。」
「…ところでソウタ。さっき気にしていたのは何だ?」
あーやっぱ聞かれるか。
「あのさ、地球にいた頃俺が一番嫌いだったゲームジャンルって覚えてる?」
「ゲームジャンル?」
「…確か出血以上のグロ描写が伴うのは何でもだったか?」
「あとホラー系も大概ダメだって言ってなかった?」
そうその通りだ。ならおかしいじゃないか。
「何で俺はゴブリンの臓物を見ても平気何だ?」
「あっ!?」
「確かに…」
「普通耐えられないよね。」
「そもそもソウタって刃物どころか針すら怖がってなかった〜?」
「ちょっと怖がってた。」
「これはただの予測だけど俺たちがこの世界に来た時に最初から持っている異世界の◯◯と名のつく称号には倫理観や死生観といった類の物をこの世界準拠にする力があるんじゃないかと思う。全員に共通して持つ物はそれくらいだし召喚された時に肉体情報は再構築されて魔力を生み出す臓器が作られたみたいだけどそっちだけで思考を弄れるともか思えないし。…まあ俺たちが知らないだけで勇者召喚の術式に何か仕掛けがあるのかもだけど俺はそうおもってる。」
そこんとこどうなんだ?ソロモン。
『上位権限により回答出来ません。』
およ?上位権限とは?
『■■■■■■システムにより情報閲覧権限がLv5以上の者に与えられます。』
何だって?
『■■■■■■システムに関する内容は名称を知るのに最低でも情報閲覧権限Lv7以上が必要です。』
…おれの情報閲覧権限は?
『マスターの閲覧権限は森羅万象之書にアクセス可能スキルを所持しているためLv4となります。』
お前の他にその森羅万象之書にアクセス可能なスキルはあるのか?
『現在稼働しているのは私のみですが
『常世思金神』や、『知恵女神』、
『授叡天使』、『学問神』、『知略悪魔』、『極智天使』、『博識悪魔』などが現在までに確認されています。』
割とあるのか
「………」
「どうしたソウタ」
「いや、何でもない。不安になること言って悪かったな。取り敢えず城下町に戻ろうぜ。」
ソウタが今まで疑問に思わなかったのは『勇者の試練』に出てくるモンスターは全て非生物系しか出なかったので特にその辺りは疑問に思っていませんでしたが、今回初めて生物を殺したのに嫌悪感すら伴わないことに違和感を覚えたので気づきました。




