薬毒草
翌日宿屋の1階に集まって今日の予定を決めることにした。
「まず金を稼ぐ方法はいくつかあるが俺たちの場合は冒険者ギルドでモンスターを狩る仕事を請け負うのが早いと思う。色々調べたけど全員レベルが100を超えている俺たちならCランクあたりまでは安定してからそうだからな。」
「…賛成だ。そもそも俺たちは城からもらってきた武器防具のお陰でその辺りのものの調達の必要がない。加えてソウタのスキルのお陰で消耗品も材料さえあればどうにでもなる。」
「俺も賛成ー。」
「私も。」
「私も〜。」
「賛成よ。」
「全員の同意が得られたのでしばらくは冒険者ギルドで小遣い稼ぎと戦闘経験を積むことにする。
所でお前ら昨日は何してたんだ?因みに俺とクロはスリ狩り」
「スリ狩りって何だよ…。俺は生活ギルドで荷物運びの手伝い。」
「私は図書館で写本の手伝いをしてたよ。」
「私は動物の散歩のアルバイトとかかな〜。」
「…大道芸」
「おー。みんな金稼ぎしてたんだな。やっぱもらったお金を無闇矢鱈と使うのは気がひけるし。…所で山本、大道芸ってなんだ?」
五人が一斉に山本を見る。
「…見せた方が早いよね。松山確か木刀持ってたわよね。あれ貸して。あと鉄のインゴット。」
「?まあいいか…ほい。」
山本が木刀を正面に構えてその前に鉄のインゴットを置く。
「本当はここまで極端な組み合わせではやってないんだけど例えばこの木刀を鉄のインゴットに叩きつけると私のステータスなら凹み位できるでしょ?つまりこれは私の力なら理論上このインゴットを殴り続ければ二つに折れるのよ。ここまではいい?」
「「「「「うん。」」」」」
「そしてこれに私の特殊スキル『一刀両断』を使えば。」
スパンッ!
「と、この様にただの木刀で鉄の塊が両断出来るのよ。これを使って広場でナイフ一本で何でも斬りをして稼いだの。」
「「「「「なるほどー」」」」」
確かにこれは大道芸だ。
「んじゃそろそろギルドいくぞー」
〜5分後〜
「どれにする?」
◆◇------------◇◆
Sランク:地下廃都コーラルの完全攻略
Aランク:刃竜バサラの討伐
Aランク:塩害神の痕跡調査
Bランク:【森林主 ワイルドコング】の討伐
Cランク:ゴブリンキングの討伐
Cランク:天落滝の水質調査
Dランク:亡霊鉱山攻略
Eランク:薬毒草の採取
◆◇------------◇◆
既に大半の依頼が持っていかれていて残っているのはあまりなかった。
「薬なのか毒なのかわからない草の採取でいいよね?」
反対はなかった。
◆◇クノール森林◇◆
やってきましたクノール森林。どっかのカップスープを思い出すとか言っちゃいけないクノール森林。ここは城下町の東にあります。
「所で薬毒草ってどんな草なの?」
「えーっと(ソロモン)」
『黄色の葉に紫色の葉脈、表面には赤い斑点があります。』
「黄色の葉に紫色の葉脈、表面には赤い斑点がある草だよ。」
「…薬草?」
「それ薬草なのか?」
「薬草って言っていいの?」
「私は食べたくないかな〜…」
「絶対毒草」
「聞いて驚けこんななりでもCランク以下のモンスターの持つ毒は後遺症無しで完全解毒出来る優れ物だぞ。」
「「「「「マジか」」」」」
ただ見た目が毒キノコでもなかなかないレベルで毒々しいだけだ。
『更にこれの割合が半分以上で作った薬は必ず蛍光色で紫色に光ります。』
益々飲みたくない。
『あと何故か暗い所で光を当てるとムンクの叫びの様な模様がランダムに浮かびます。』
〜1時間45分後〜
「あった〜!」
「うっわ毒々しい。」
「一枚だけでも不気味なのに群生してると最早SAN値削れるレベルだな。」
「こんな所に居られるか!俺はさっさと採取して帰らせてもらう!」
「やることはきっちりとやるのね。」
〜採取中〜
「帰るぞ…」
「「「「「おー…」」」」」
精神力がめっちゃ削れた。
そして帰り道。
「ゲギャキャッ!」×25
「グルルルゥ!」×15
ゴブリンウォリーアー×5、ゴブリンマジシャン×3、ゴブリンプリースト×2、ゴブリンライダー(ウルフver)×15が現れた。
いきなりハードモードすぎんだろうが!
小遣い稼ぎスコアランキング
1位 松山(【連鎖陣杖】を使った《魔力腕》を用いた15冊同時写本:白金貨1枚、大金貨3枚)
2位 ソウタ&クロ(スリ狩り:白金貨1枚)
3位 山本(大道芸、商会会長を手懐けて大金貨7枚、金貨7枚)
4位 ミヤ(全長30mの杉の木運び20回:大金貨5枚)
5位 谷内(ペットバイト(オルトロス):大金貨3枚)
総額白金貨3枚、大金貨8枚、金貨7枚
日本円にして387万円
(高すぎるとか言わないで。)




