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戦う生産職  作者: 雷炎
大軍統鬼編

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城下町と金稼ぎ

〜出発直前〜


「おーいソウタ…何してる?」

「何って…裁縫?」

「何故に疑問系?」

「何となく」

「んで何作ってんの?」

「んー秘密。…あ!中庭から石ころ拾ってきてくれない?出来れば2、30個」

「…んでそれは何に使うんだよ?」

「ひ・み・つ★」

致命の暗…(フェイタルア…)

「わータンマタンマ!悪かった悪かった。後で教えるから。」

「…まあ良い」


チャッ。鞘に短刀を納めてくれて助かった。


〜城門前〜


結局第一陣として外に出ることが許可されるレベルに到達したのは俺たちのパーティと委員長率いる勇者パーティだけだった。


「これより君たちには外へ出て己の力で強くなってもらう。

当面の費用や道具は準備出来てもそれ以上のサポートを施すのは難しいだろう。特に他国へ行ったりすれば尚更だ。

これから君たちには数々の苦難や困難が降りかかるだろう。それを我々は助けてやることは出来ない。これからは君たちの力だけで解決していってほしい。

最後に、異界より我等の都合で君たちを呼び出しあまつさえその君たちに多大な重荷を背負わせてしまうことを大変情けなく申し訳なく思う。

私に今出来ることはこれだけだ。」


そう言ってマルク騎士団長は深々と頭を下げた。


それに対して我らが委員長が言う。


「あー多分ここでそれを受け入れなかったらマルクさんの謝罪を受け入れなかったら事になるので謝りません。

ですので此処では第一陣を代表して言わせていただきます。

行ってきます。」


「「「「「「「「「「「行ってきます」」」」」」」」」」」


そうして俺たちは旅に出た。


〜城下町・冒険者ギルド〜


ギルド到着。城から割と近かった。


入り口は木製の大きな両扉で見た目はみんながイメージする冒険者ギルドでいいんじゃないかな?因みに3か4階建。


扉を開けて中に入ると一階にいる人全員の視線が一斉にこちらを向く。どうやら受付の近くに酒場と食事処を併設しているようだ。イメージ通りのクエストボードらしきものもある。

取り敢えず登録受付と書いてあるところに行く。


〜10分後〜


超何事もなく終了!

酒に酔った他の冒険者が絡むこともないし子供だからって侮った様子もない。ちらっと聞いてみたところどうやらこの世界は多種多様なスキルがあるせいで人は見た目では判断するのが難しいらしい。


何でも昔生まれたばかりの赤子に『鬼神力』と呼ばれる筋力強化系の特殊(ユニーク)スキルが宿っていたらしく生まれたばかりの赤子が母親の腕をへし折る事件が起きたらしくそれ以来例え子供であっても人は見た目では無く内面(スキル)を見ろという格言が生まれたらしい。いや内面(性格)も見ろよ。


「おすすめの宿ってあります?」

「どの程度のランクの物を希望するかによります。」

「3人部屋が2つ以上あってできれば飯が美味くて安いところ。」

「それでしたらそこそこお値段はしますが宿屋 〈カラミティ〉をお勧めします。場所は…」


………

……


「んで此処がその名前が物騒な宿屋?」

「そうなんだけど…」


見た目は超普通。入口の上にINNの文字。

取り敢えず入るか。


「すいませーん!」

「はーい。いらっしゃいませ!災害起きても通常営業、世界の滅びまで暖かな眠りを、宿屋〈カラミティ〉へようこそ!」


この店の名前の由来がわかった。


「取り敢えず1週間で3人部屋を2つ。食事は朝だけで。」


「わかりました。お代金は前払いとなります。大金貨2枚と金貨9枚と大銀貨4枚となります。」

「(ギルド)カードで。」

「…完了しました。」


この世界での金銭価値は大体

銅貨一枚一円、銀貨一枚百円、金貨一枚一万円と貨幣価値は百倍刻みだが、金貨までの貨幣は使用頻度が高いので大◯貨という元となる物の十倍の価値のある貨幣がある。まあ、面倒だからみんななにかのギルドに所属してギルドカードで支払いをしている。

因みに金貨の上は白金貨百万円、黒金貨一億円、王金貨十億円、聖金貨百億円、帝金貨一千億円、星金貨一兆円

となるが一般人が見ることがあるのは一生に一、二度白金貨を見れるかどうかと行ったところだ。


「んじゃ各自ギルドの共有口座から金貨50枚ずつ個人口座に移したら今日は自由解散ということで。食事は各々の自分の金で食ってくれ。あとギルドで簡単なクエストを受けてもいいけど街からは出ないこと。オーケー?」


「「「「「オッケー」」」」」


「んじゃ解散。」


………

……


さて、クロを引き連れてやって来ましたるは街の東西南北にある大門の1つの最も人通りが多い西門前だ。


「んじゃ俺は今朝思いついたことやるからお前は俺の影にでも潜んどけ。」

「わかったがなにするんだ?」


「お(のぼ)りさん。」


「???」


まずたてもののかげに隠れて『無限収納』の中から城で沢山貰って来た布を取り出す。

続いて『創造:裁縫』で西門から入ってくる恐らく上京?して来た人達とよく似た服を作る。

それに着替えたら門の近くまで移動し、一番大混雑している列に入って“私お上りさんです!”と言わんばかりに眼を輝かせながら周りをキョロキョロ見渡しながら歩く。


しばらくするとこの人混みの中だから誰かにぶつかってしまった。


「おっと失礼」

「いえこっちもすいません。」

「いや、大丈夫だ。…急いでるので行かせてもらう。」

「さようなら。」


………

……


「おい」

「何?」

「今あいつお前の財布を擦ったぞ。」

「わかってる。」

「何で逃した?」

俺は懐からボロボロだけどの財布を取り出して尋ねる。

「これ、なーんだ?」

「…もしかしてさっきのやつの財布か?」

「その通り。」

「成る程。目には目を歯には歯をってか?」

「その通り♪」


おれのやったことは単純だ。

先程大体の人間はギルドカードでお金のやり取りをしているといったがこれは正確ではない。確かにみんな店での支払いなどはギルドカードを使うが、あれは専用の機械がないと口座からお金を引き出したり移動できないので大体の人間は金貨2〜3枚分は財布に入れて持ち歩いているのだ。

そして当然の様にそれを盗むスリがいるのだ。

だから田舎から出て来たお上りさんを装って人混みに紛れればスリ達はカモが来たと思って俺の財布を盗む。だが俺の財布の中身は『創造』で平たくスライスした只の石だ。

そして俺の財布を盗んでる隙にスリの財布を抜いたのだ。

流石レベル100超えのステータス。恐らくその手のスキルを使っているであろうスリ達の動きが止まって見えたよ。

しかもスリたちは真っ当な事をしてないし「スリをしようとしたら逆に擦られた!」

なんて言えるわけないから衛兵(おまわり)さんの御用になることもない。


完璧(パーフェクト)!これで自由に使えるお金が増えるぜ!


これを何度か繰り返して5回位やったら別の列や門に移動するを繰り返した。(途中でクロもやり始めた。)


日がすっかり暮れて夜になるころかには俺たちの所持金は二人合わせれば手持ちだけで白金貨一枚相当の稼ぎを得た。






夕飯はお高い焼肉の店に行って来ました。(^^)

旅立ち(街から出ない。)


因み彼らは全員異世界に則した服装をしているので見た目で怪しまれることはありません。黒髪黒目は珍しいけど片っぽなら割といるからあまり気にされない。

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