ハンドレッドボーナス
〜翌日〜
取り敢えず朝食食って勉強して今日の訓練が終わったので第一訓練場にポーションを届けに来た。
「こんにちわ〜ポーション届けに来ました。」
「おお、お前さんがポーションを届けてくれる勇者とやらか。」
「はい、ソウタと言います。納品するのは最下級ので良いですか?品質は殆どがCとDで数本Bのがあります。数は合計で138本あります。」
「なんと!それだけの数を用意してもらえるとは有難い。では早速あそこの倉庫に運び込んでくれ。手伝いはいるかの?」
「いえ、『収納』持ちなので大丈夫です。」
「おお、流石は勇者と言ったところか。その歳で『収納』スキルを持ってあるものは人族には相当稀じゃからのう。他種族であれば珍しくないところもあるがの。」
お爺さん騎士と会話しながらも実は『無限収納』に進化してるとは言えなかった。
「おっと名乗り遅れたのう。儂はフレム=ホムルード、ここで『戦闘指導顧問』をやっておる。気軽にフレム爺と呼ぶと良い。」
ということでフレム爺と呼ぶことにした。
「フレム爺はいつから騎士をしてるんですか?」
「そうじゃのう。ざっと100年はやっておるの。4代前の国王の時からこの国に仕えておるのう。」
100年!?この世界平均寿命どうなってんの!?魔物がいて割と死にやすいって聞いてんだけど。
「驚いたかの?これでも儂のレベルは500を超えておる。レベルが3桁に突入し、それから100上がるごとに全ての生き物は特典を得る。俗に【ハンドレッドボーナス】と呼ばれておる。儂はレベル300を超えた時に特殊スキル『超寿』を獲得し、歳を取る速度が常人の数倍遅くなったのじゃ。
何?【ハンドレッドボーナス】について詳しく聞きたい?よかろう、教えてしんぜよう。しかしその前に・・・
おーいお前達、休憩にしてよいぞ!
ふうすまんの。伝えておかねばあやつらいつまでも訓練しておるのでな。
さて、【ハンドレッドボーナス】についてじゃな。これについてわかっていることはあまり多くないが儂の知る限りのことを教えよう。
まず【ハンドレッドボーナス】はレベルが3桁にとうたつし、100ごとに一つスキルが手に入るのじゃ。これには法則性があってレベル100、200では上位スキルが、300〜600迄は特殊スキルが、700〜900にかけてはなんと究極スキルが、そして1000に到達したものにはかの伝説とされる絶対スキルが授けられるのじゃ。冒険者ギルドでは一部のランク分けにこれを利用する程にこれらのスキルが重要視されておる。まあ生まれつき一握りの才能持つものにしか授けられぬ筈のスキルが凡人にでも与えられるのだから当然と言えば当然かのう。」
成る程、勇者でもないこの世界の人々が何故スキルに関してあれ程詳しいのか疑問だったがそういうことだったのか。レベルアップの効率はわからないけど100レベルを超えた人がゴロゴロしていたのはレベルが上がれば寿命が延びるからより身体が健康な時代が長く続いて更にレベルが上がられるからなのか。
そして話し込んでいたらすっかり日が暮れて来た。
「むっ?そろそろ日が暮れる頃じゃ。その前にソウタ、儂と戦ってみぬか?儂も勇者の力と言うのが気になるのじゃ。」
「構いませんよ。ただし手加減してくださいね。幾ら勇者でもレベル差500もある人に勝てる気はしませんから。」
「あいわかった。ではそちらから一方的に攻撃してくれ、儂は防ぐだけで攻撃も反撃もせぬ。」
「わかりました。」
と言うわけで訓練場の中央にやって来た。互いの獲物はどちらも訓練用の鈍の付与のついた刀。ただし俺は一本なのに対してフレム爺は2本だ。
「ではかかってこい!」
「いきます![纏成装:氷・雷]」
俺は氷で刃の長さを大きくし、雷で破壊力と感電性を与える。
『隠密』[瞬歩][抜刀][一閃]
強化した武器でこれら4つを同時に発動させることで絶対的な先制不意打ちが可能となる。ここ最近の俺の必殺コンボだ。
「ほう![刃合わせ]」
キイィィィィィン
全く同じ速度、角度、威力の抜刀剣がぶつかり合い訓練場に甲高い金属音が鳴り響く。
「うそん…」
「かかか、やりおるやりおる。じゃがまだまだじゃのう。これで終わりかえ?」
「んなわけあるか!《縛鉄杭》」
土魔法《縛鉄杭》。対象の足元に鉄の杭を生み出し対象の動きを縛る。
「こんなものがあったところで例え幾らその氷の刃を伸ばしたところでお主の攻撃は届かぬぞ。」
そう、今の俺の剣術ではどうあがいてもフレム爺にこの刃は届かない。だが、
「光の速度は躱せるかな。《招雷》」
ドン!ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ
足元の鉄杭を避雷針がわりにフレム爺に命中地点が割と雑な《招雷》をぶち当てた。いかにレベル500越えといえど多少のダメージは受けた筈だ。
「おもしろい、おもしろいぞソウタ!!!」
「まじかー」
無傷。鎧どころか髭にすら焦げ目レベルのダメージがない。
「お主の攻撃は素晴らしかった。鉄杭で儂の動きを封じそれを利用して広範囲に影響のある《雷魔法》を見事儂にのみ当てたのは素晴らしい。じゃが儂には効かなかった。何故かといえば儂の特殊スキル『斬魔』と『明鏡眼』によって雷の動きを見切って切ったからじゃ。すまんが儂には幾ら早くとも座標攻撃以外の魔法は殆ど斬れてしまうのじゃ。
さて、おもしろい物を見せてくれた褒美に儂もお主に贈り物をしよう。」
「贈り物?」
「左様。先程のお主の4つの能力を利用した暗殺剣。あれに名を与えよう。
“元王国近衛騎士大隊長フレム=ホムルードの名において[壱ノ太刀]の名を与える。”」
《確認しました。個体名ソウタ=マツヤマに技能[壱ノ太刀]が与えられます。》
「その技は最初の一撃を突き詰めたもの。儂の様にその様な技がそう簡単に効かぬ者がこの世界には多くいる。自らを高め第二第三の必殺剣を生み出すとよい。その時は儂がまた【名】と次は【流派】を与えよう。」
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【名前】ソウタ=マツヤマ
【種族】人族
【年齢】16
【職業】刃創士
【レベル】18
【魔力】 21600/21600
【物攻】 18000
【物防】 10800
【魔攻】 12600
【魔防】 9000
【俊敏】 14400
【運】 30
【称号】
《異世界の創造刀士》
【加護】
【スキル】
《職業》
『改造Lv1』『構造理解Lv2』『フルレシピLv-』
《源流》
『創造Lv-』『叡智之王Lv-』
《特殊》
『言語理解Lv-』『進化Lv7』
《上位》
『魔刀剣術Lv4』『二刀流Lv1』『舞闘術Lv2』『四元魔法Lv2』『雷魔法Lv5』『氷魔法Lv3』『万能生活魔法Lv3』『雷耐性Lv1』『解析Lv4』『秘匿Lv3』『四元耐性Lv1』『無限収納Lv2』
《通常》
『光魔法Lv5』『付与魔法Lv1』『光耐性Lv1』『付与耐性Lv1』『引率Lv2』『俯瞰Lv1』
【技能】
[一閃][抜刀][瞬歩][纒成装][乱刃][壱ノ太刀](←new)
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