創造の応用
不味い不味い不味い!
クロの『致命暗殺撃』が対策されるとあとは松屋の高倍率魔法位しか決定打になる技がないぞ。
…待て、あのホムンクルス何して?空中に向かって手を伸ばして、そしたら魔法陣が生まれて、そこから大量の針みたいな剣ががが
「[大針雨]」
「ミヤ!張れ!!!」
「うおおおお!!!《四点結界》!」
スザザザザザザザ!
怖っ!何あれ別に嘘なんかついて無いのに針千本されたぞ。
『因みにミヤの使用した結界魔法は球体などの全方位守るものに成る程消費魔力が増加するので攻撃のくる方向が決まっている場合はあの用に特定の面にだけ厚い結界を張ることで魔力消費を抑えて居ます。』
ありがとソロモン先生こっからの解説は宜しく!
『承りました。』
「[針羅万衝]」
「っ!《広域半球結界》」
スドドドドドドド!!!
まじかあれ結界に弾かれた針がまた浮かび上がって刺しに来たぞ
「わりぃこれの維持で魔力尽きるぞ!」
「了解だ休んどけ!松屋今倍率は?」
「まだ16倍だよ!これじゃ多分あの針で守られたら倒しきれないよ。」
おっしゃあ任せろ!チャージ中位持たせて見せるぜ。
「クロ、山本、谷内はあいつ抑えてくれ!その間に俺があれなんとか出来るようにするから!」
「ソウヤ!」
なんだよ!
「策はあるんだな?」
「勿論だ」
じゃあ頼む。そう言ってクロは影に沈んでいった。…ちょくちょく思うがあいつの能力が一番厨二bおっとこれ以上はいけない
さて逆転するにはこれしか無い
「『創造:細工』」
あいつのあの針を操る能力は元を辿れば本来武器を生み出す能力だ。恐らく生み出せる武器の種類に制限はなく本人が武器と認識出来れば何でも作れる。但し一つ条件があるらしく生み出した武器を他の奴に与えるなら創り出すだけでいいのなら関係ないが、生み出した武器をコントロールするにはそれを生み出した魔法陣を展開し続ける必要があるらしい。ならその魔法陣を壊せば良いのか?それじゃあ駄目だ。恐らくまた同じ魔法陣を展開して操ってくるだろう。だからこうする。
「《作業開始》」
俺は空中に現れた銀色の羽ペンを掴んで生産を開始する。
「《生産技能:模造》」
先ずはあいつの生み出した針を操る魔法陣を複製する。ただ複製するだけじゃ駄目だ。その構造を把握して『構造理解』する。
外縁部の文字は範囲指定系統だから無視、中層は威力調整だから無視、中央は魔力流入口だから省いて深層の領域を見て、…あったこれだ使役者指定文。ここの魔法陣は簡易的なプログラミングに似ている。いかにパソコン部員とは言えガチのプログラミングは出来ない俺だが、簡易的なプログラムの意味を把握しての書き換えなら出来る。唸れ脳みそ迸れ魔攻ステータス!
「《再編》」
これで俺専用の針を操る魔方陣は完成した。あとはこいつを、
「クロ!あいつの意識そらせ!」
「!《ダークミスト》」
使用者とその仲間限定で効果のない死魔法を利用した闇の霧が立ち込める。
「サンキュー!」
俺はホムンクルスに駆け寄り視界が塞がれたことで動きの止まった奴の掌の上にある魔法陣に今作った俺用の魔法陣を重ねる。
「《最終整形》!」
俺用の魔法陣を作っただけじゃ意味が無い。それだけでいいのなら俺はこの世の魔法全てが使えてしまう。魔法陣と対応するスキルの二つが揃ってなければ意味が無いんだ。
だからこそ専用のスキルを持つ奴の生み出した魔法陣を書き換えることで維持するのに奴の魔力を使用しながら俺が操れるように書き換えたんだ。当然解除権も俺にある。奴はどちらかといえば武器を生み出して戦う生産職に近い。俺の目指すのはああいう感じなんだろう。だが代償に魔法が使えないらしい。使えるなら使うべき点は幾らでもあったのだから。魔法陣は物体じゃあ無いんだから魔力を利用したナニカじゃ無いと壊せない。つまりあいつにあの魔法陣は消せない。
それに気付いたのだろう奴が此方に視線を飛ばして来た。
「貴様!」
「返答はこれだ![大針雨]!」
スザザザザザザザ
さっきまで俺達を苦しめて居た針が今度はホムンクルスに襲いかかり始めた。
いまだ攻めろ!
「《引き裂く狼の爪》!」
「[雷纏一閃]!」
「《付与:腐食》、[五連刃]」
「っ![剣鎧]」
最初の狼の爪を模した魔法は弾かれたが続く雷を纏った一閃は本体の届かずともその剣で出来た鎧を砕き、感電してダメージを与えた。腐食の力を纏った短剣の連撃がその鎧をボロボロにした所に俺が[針羅万衝]を叩き込んで動きを止めた。
「松屋!」
「64倍《火球》《雷槍》《大氷塊》」
轟音
《ダンジョンボス 【武操 魔法生命体】の討伐を確認しました。》
《ダンジョンのシステムにより経験値贈呈を一時保留状態とします。》
《既にクリアされているのでダンジョン外に転移します。》
えっちょっと勝利の余韻に浸るとかゆっくりする時間はくれないの?
《転移します。》
あっ
ソウヤ創造スキル熟練度:683
これは生産スキルに分類されるとソウヤが思ったスキルは自動的に創造スキルに統合されます。
【武操 魔法生命体】は称号持ちですが特典武具が貰えるほどは強くありませんでした。前回の暴走陣は本来の力を発揮出来無かった為、あっさりやられました。感覚としてはフリーザ様が第2形態になる前にやられた感じ。
ついでに称号持ちは【◯◯】→【◯◯◯】→【◯◯◯◯】の順で強くなります。【◯◯◯◯】で特典武具になります。