決闘決着
前回『宝具解放』となっていたところを『真名解放』に変更しました。
「「真名解放」」
その言葉と共に二人の持つ武器は光り輝きついには形状すら変換していった。
「久方ぶりに本気で行くぜ!『原初の摂理納めし劔』」
「私もひさびさに使いますね『深淵の虚』」
師匠の剣は一見すると装飾が豪華になっただけに見えるがよくみるとその刃は細かな文字で構成されており最早剣なのかどうかすら怪しい。
一方で先生の杖はもう杖ではなくクロの《死属性魔法》を見た時と同じ様な見るだけで恐怖を感じる人間大の穴が先生に寄り添う様に空間を捻じ曲げた様な感じで展開している。
ここで流石に色々気になったので近くの騎士の人に質問
「あのーいくつか聞きたいことがあるんですけど取り敢えず『真名解放』ってなんですか?」
「ん?ああ、『真名解放』っていうのはその名の通りその武器防具毎に定められた真の名…要は真名だね。を、武器に認められた所有者が言う事でその武器防具の持つ本来の力を発揮させられるんだよ。最も全ての武器防具に真名がある訳ではなく大体神話級か創世級クラスの物じゃなけりゃ早々真名のある武具はないかな。幻想級や伝説級のやつにもない訳じゃ無いけどあるやつとないやつがあるしあってもさっき言った2つ程の力は発揮されないかな。
ついでに言うと団長の『形なき有形武具』は神話級であの二人のは創世級だね。
…一応言っておくけど別にあの人達がおかしいのであって一般では伝説級辺りを持ってれば英雄呼ばわりされるからな?」
成る程
「じゃあさっきから師匠と団長さんが技の発動前に言ってるスキル名と●●流ってのはなんですか?」
「そっちは同じスキルにも流派というものがあって例えば剣術にもカウンターを極めた『後先流剣術』や、片手剣で一撃必殺を求めた『覇王流剣術』なんかが有るんだよ。
其々の流派毎に得意不得意があるから熟練の冒険者や騎士なんかは最低でも同じスキルの流派を3つ以上は納めてるかな。
後今は君たちに色々教えるために声出してるけど別にあれ声に出す必要は無いって言うかそもそも敵にこっちの情報与える様なもんだから普通はしないからな?
偶にカッコつけて叫ぶ馬鹿はいるけど。」
「成る程、色々ありがとうございます。」
「気にすんな分からにことがあればいつでもまた聞きな。」
そんな訳で決闘の見学に戻る。
「こっからはもう手加減抜きだ!好きなだけ暴れさせて貰うぜ!『緋天剣』『碧地体』『蒼海心』」
「だからそれはやらせません!《暗黒力点》」
「もう効かねぇよ!“理より外れし力点よ消え去れ”」
雲どころかそこら辺にあるあらゆる物を飲み込むブラックホールがいきなり消え去った。
「“大地の怒りを、荒ぶる天の怒りを今ここに”」
いきなり地面が割れて熔岩が吹き出したかと思えば今度は台風並みの風が雷雲と共に発生した。
当然のように台風が火災気流になってなんかもうやばい
「顕現:『終末の方舟』…テザール後は頼みます。」
冷や汗を流しながら団長さんは宝具で作った馬鹿でかい船の中に逃げた。
「ちょっとマルク!逃げるな!」
「“全てを飲み込む雷神の鉄槌を今ここに”」
「っ⁉︎《虚数領域》」
結界が強化されたのか音も振動もなく訓練場は光に包まれた。そして
「はい、俺の勝ち」
そこには半壊した巨大な船とぼろぼろの結界のような何かの中で倒れているテザール先生の姿があった。
「これで俺の勝ちだな。」
師匠が勝ち誇りながらこちらの方へ歩いてくる。
だがそれはゆっくりと気配を消しながら師匠に後ろから近づいていた。
「[アサシネイト]」
「読めとるはアホが[斬鏡]」
壊れた船から密かに脱出していた団長さんが短剣に変化した武器で師匠を狙ったが師匠の正面を斬りつけたのに何故か背後に向かって飛ぶ斬撃によって倒された。
「いつのまに暗殺剣まで身につけたのかと聞きたいがとりあえずこれで本当に俺の勝ちだな。」
三者の内二人の気絶が確認されたため決着となった。
「勝者、《剣星》クロード!」
前回に続きおまけ
《深淵の虚》
テザールの持つ創世級の杖。誰がなんと言おうと杖。
真名解放すると空間を捻じ曲げて発動者の周りに特異点を発生させる。発動者の無属性に関わるあらゆる能力を無制限に増幅する。
もし仮に発動者が《零魔法》の階梯に至ったのならばそれは■■を■■化し、あらゆる■■を自由変動出来る■■■■となるだろう。




