決闘
次の日俺たちはテザール先生達の模擬戦を見るために特殊訓練場という場所に来ていた。
「この特殊訓練場にはいくつか特別な仕掛けが施されており、その中には『不壊』等の破壊不能効果もあり、我々の様な高レベルの者が訓練を行うのに使われています。」
何でも『不壊』とはその名の通り絶対には破壊出来ない効果らしい。
「模擬戦中は解説が出来ないので騎士団の方々にお願いしてあるので気になったことがあればその都度近くの騎士団員にお聞きください。
…それではそろそろ模擬戦を始めます。」
模擬戦というよりこの場合は決闘かな?
ともかく決闘かなにもいくつかルールがあるらしくその一つが異名を持つ者はその名を持たない者は職業を名乗るのがルールらしい。
訓練場の中央から互いに同じ位距離を開けた3人(テザール先生、騎士団長さん、クロード師匠)がそれぞれ名乗りをあげる。
「【剣星】クロード」
「【虚魔帝】テザール・ロスト」
「【万具王】マルク・ランテスター」
「「「決闘流儀に則りいざ参る!」」」
互いの名乗りを合図に決闘が始まった。
「先手必勝『緋天剣』」
「やらせません《虚無穴》」
師匠の範囲内魔法無効というぶっ壊れ能力である『緋天剣』を発動したが、空にかかる前に紅雲は先生の生み出した灰色の穴に吸い込まれて無くなってしまった。
「相変わらずめんどくせぇ能力だなぁ!」
「貴方にだけは言われたくありません!」
「お二方とも余所見していてよろしいのですかな?『龍人流帝級蛇腹剣術[地這い大蛇]』」
「きゃぁ⁉︎」
「おっと危ない『後先流星級剣術[波返し]』」
騎士団長さんが何処から取り出したのか黄金の蛇腹剣を放ったと思ったら気づけばそれはテザール先生を弾き飛ばして師匠に跳ね返されていた。
「やはりクロード様はお強い…テザールも今は回復に時間がかかりそうなので今は一対一といきましょう。」
「良いぜその話乗った!こい、マルク!」
「では遠慮なく『獣神流帝級大剣術[獅子王牙]』!」
「甘いぜ『俊足独歩』」
いつのまにか騎士団長さんの蛇腹剣は姿を消し、その手に握られているのは巨大な大剣であった。
その攻撃を紙一重でかわした師匠はそのまま反撃に出るが
「『剣星流星剣術[山崩し]』」
「『亀人流帝級大盾術[雪崩返し]』」
山をも砕かんとするその一撃は一切の漏れなく発動者に帰ってくる。
「っ!『[鬼装天鎧]』」
「『巨人流帝級大槌術[鎧通し]』」
「しまっ…」
ドオォォォン!
激しく音と共に壁に叩きつけられた剣星に対し万具王は
「『古代樹人流帝級弓術[破魔貫突]』」
更に追撃をかける
…だが
「『碧地体』」
その言葉と共に訓練場は緑色に包まれた。
大ダメージを負ったはずの剣星は傷一つなく飄々と歩いてくる。
「やるなマルク。だがこんなもんじゃねぇだろ?本気出せ。」
「………『宝具解放』」
剣星の言葉に対し万具王は力の解放という形で答え…
「真名解放、宝具『形なき有形武具』」
訓練場は黄金の光に包まれた
「全開専用武装:千変万化の黄金水玉」
「こいよ万具王!」
「顕現:方舟の黄金砲×1000『帝国流帝級機関銃術[流星連撃]』
顕現:彗星天弓、星の矢『古代樹人流帝級弓術[五月雨]』
顕現:雷神槍『天人流帝級槍術[雷光一閃]』」
攻城兵器レベルの大砲が機関銃の様に並び立ち解き放たれ、千を優に超える矢の雨が降り注ぐ。その隙間を縫う様にして放たられた雷を纏った槍は見事に剣星を貫いた。
「ぐっ、効くねぇー。『碧地体』」
「もう少しやりたい所ですがテザールがそろそろ復活した様なので一旦引かせて頂きますクロード様。」
「んぁ?あぁそうだな。んじゃ行くぞテザール。」
「すみませんもう大丈夫です。ですが時間もないので本気でいきましょう。」
「そうだな。」
「「真名解放」」
入れるところがなかったので解説
万具王 騎士団長マルク・ランテスターは生まれた時より特殊スキル『週変武器』という1週間に一度武具スキルがランダムに変わるという最高に面倒なスキルを持っており、このスキルを極めた結果全ての流派及び武具スキルが自由に使える様になり職業:万具王となった。