剣星の力
「なんてことしてくれたんですかーーー!」
テザール先生の叫び声が城中に響き渡った。
まあこれは仕方ないと思う。いきなり城の壁ぶっ壊して突撃して来ておきながらついでに超危険な魔物の群れを連れて来たとなると弁解の余地はないだろう。
うん。有罪
「まあそうかっかすんなよ。老け「あん?」…ナンデモナイデス。
そんなことより俺がここに来たのはただ単にに魔物を押し付ける為じゃねぇ。ちょっち今の武器じゃ不安があるから俺の武具を返してもらいに来たんだよ。」
「ああ、そういうことですか。それならそうと早く言ってください。」
いやなんで国がSSランクの人の武具を預かってるわけ?
「俺に全力装備を常に持たせとくと戦いの被害が馬鹿にならないから俺が頼んで預かって貰ってるんだよ。」
へぇ〜…って今何気に心読まれた?
「おう!俺は『読心』のスキルを持ってるからな。」
マジで読まれてたよ。
「それはそうと早く俺の武具を用意してくれ。ついでに俺の戦いをこいつらに『遠見の水晶』で見せれば自分がどの位を目指せばいいのかとかわかるから一石二鳥だと思うぞ。」
「わかりました。陛下に許可を取り次第早速用意させます。」
「おう!頼んだぜ!」
-------剣星準備中-------
「皆さん。用意が整ったのでこれよりこの『遠見の水晶』で【剣星】クロードの戦いを見学して頂きます。」
テザール先生がそう言って俺たちは移動した先の部屋から剣星の戦いを見学することになった。
「ではこれより投影を開始します。」
◆◇◆◇クロードside◇◆◇◆
「さてといっちょやったりますか。」
そう言って俺は愛剣『星法刃』を構えた。
目の前には無数の魔物の群れ。数えるのが億劫になる程いるが城の観測師曰く約1万体だそうだ。周囲の冒険者ギルドからも応援を読んでいるそうだが、多分あいつらの役割は俺の取りこぼしの対処になりそうだ。
「では【剣星】クロード推して参る!」
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俺はとりあえず目の前のBランクモンスター小鬼王とその配下の群れに突撃した。
「まずは小手調べだ。はぁっ![飛剣斬]」
スパーーーン!
俺の前方100m程の魔物が真っ二つになった。
「うんうんいい斬れ味だ。流石『星法刃』!
さあどんどんいくぜ![透刃][飛刃斬][焔一閃][嵐豪刃][呼応地剣]」
生物の体に浸透してダメージを与える斬撃が鉄壁を誇る魔物を内側から破壊し、空を飛ぶ斬撃がまとめて何十体もの魔物を真っ二つにした。焔を纏った一閃は触れたものを悉く焼き払い、嵐を纏った剣の一撃は何百という魔物を吹き飛ばし地面のシミに変え、剣を大地に突き刺せば地面そのものから変質し、無数の剣となって魔物を貫いた。
正に鎧袖一触『星の使徒』という言葉に疑いを向けることすら愚かと言える光景がその場に現れていた。
「はっはっはー!まだまだ行くぜー!」
その時の剣星の姿はまるで鬼神の様だったとかそうでもないとか。