サブ職業
後ろから笑いながら話しかけて来たタツマさんを見て俺と山本は唖然とした顔で固まっていた。
「いやー参った参ったスキル使っていいのはお前達だけなのについ使ってしまったよ。」
タツマさんは笑いながら言った。
「いや、そんなことよりも最後のあれなんですか?斬ったと思ったらいきなり丸太に変わっててすげーびっくりしましたよ。」
コクコク
隣で山本も頷いている。
「ああ、あれか。あれは『変わり身の術』とと言ってな、緊急回避に便利なんだよ。」
それ思いっきり忍者じゃん!
そう思ったが言葉に出すのは飲み込んだ。
だが顔には出ていた様で
「今忍者みたいだと思っただろ。」
心の中の考えを当てられてビクッ!となってしまった。
「ああ、いいよいいよ。何故か異世界人は忍者を知ってるみたいだし。
…せっかくだから俺のステータス見せてやるよ。」
ステータスって見せられるの⁉︎と驚く暇もなくタツマさんはステータスを見せてくれた。
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【名前】 タツマ=ミヤモト
【種族】 人族
【年齢】 34
【職業】 侍
【サブ職業】 忍者
【レベル】164
【称号】近衛騎士
【加護】武神バトの加護
【スキル】刀術 変わり身の術
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なんだこれ?
「ん?その顔は初めて見る様だな。それじゃあちょっとばかし説明してあげよう。
これは『簡易ステータス』と言って自分のステータスの見せたいところだけを選んで相手に見せることが出来るのだよ。」
へぇー便利だな。と言うか
「あのっ『サブ職業』ってなんですか?」
山本が俺の聞きたいことを質問してくれた。
「ああ、これはレベルが100に到達した者にのみ現れる文字通り第2の職業だよ。
大抵は神殿に言って『転職玉』というのに触ると選択肢の中から選べるんだが、君達異世界人などの一部の特殊な職業に就いている人はレベル100になっても条件を満たさない限り得ることが出来ないのだよ。」
「成る程、ありがとうございます。」
こうして俺は『サブ職業』なる物を知ったわけだが、地味にタツマさんレベル高くね!と思った。
「あっ!後それとさっきの木刀が赤く光ったのはなんですか?」
………忘れてた。
「ああ、あれは『闘気』というもので己の中に宿る生命エネルギーを体や武器に纏わせて戦う技術だよ。」
そう言ってタツマさんは折れた木刀の代わりに自分の体に赤く光りを纏わり付かせて見せた。
やばいちょっとやってみたい。
隣の山本も目がちょっとキラキラしてる。
「だが、かなり難易度が高くて失敗すると武器とか腕とかが爆散するから絶対に一人でやってみようとするなよ。」
「「はっ…はい。」」
やっべぇまじでやべぇちょっとこれは洒落にならないレベルのものじゃねーか⁉︎
隣の山本も冷や汗を流してる。
「それじゃあ今日の戦闘の講義は終わりだ。ああ、そうそう一ヶ月後にお前達に幾つかやってもらいたい事があるからそのつもりでいてくれ。
あっ内容は楽しい事らしいぞ。」
へぇ〜それはちょっと楽しみだな。一ヶ月もすれば訓練とかにも飽きがくるだろうしな。