任命
「うるせぇぞロギル!」
「うるせぇぞじゃねぇよクソジジイ!! 魔導師の護衛ってどういうことか説明しろ!」
「そのまんまの意味以外なにがあるってんだよ。ほれ、任命書だ」
雑に渡され、ちょっとシワのできた紙を見てみると、そこにはきちんと俺の名前が書かれており、【この者を魔導師リーデウルの身辺警護として任命する】という文字とそれが本物の任命書であることを表す捺印がされていた。
「……そもそもなんで魔導師なんかの護衛なんだよ」
「知るかそんなもん」
「いや知っとけよ騎士団長だろアンタ!」
「騎士団長だって知らんことくらいあるわ!」
仕事内容くらい理解してから部下に任命しろよ!
……と、思わないでもないが、このクソジジイに言っても無駄だ。なんてったって何も言わずにとにかく行けと言われた仕事がロックゴーレム退治だったこともあるくらいだからな。期待するだけ無駄ということだ。
「魔導師に護衛なんざいらねぇだろ。単騎でドラゴン討伐やってのける化け物みたいなやつだぞ?」
「ついこのあいだ王城を襲ってきたファイアドラゴンか。ほぼ無詠唱の魔法で一気に凍らされてたな」
「推定レベル60を超える魔物を一瞬で氷像にしてのける魔導師様に、俺みたいな護衛が必要とは思えねぇが…」
どうしても納得できない俺に、団長から静かな声が届く。
「王からの命令だ。グダグダ言ってないで従え、ロギル・ガルム・アーシェイド」
有無も言わさない団長の気迫に、気圧される。
なんだかんだで、王からの命令に従い、王国の全てを護るのが王国騎士だ。国に忠誠を誓っている以上、これ以上は逆らえない。
「騎士団長の名をもって問う。汝、この命に従うか否か」
「……誓約に従い、ロギル・アーシェイドが拝命する」
こうして、俺は魔導師様の護衛になったのだった。
ロックゴーレム/岩の体のゴーレム。鉱石を喰らい身体を大きくする魔物。資源が食い潰されるのでものすごい迷惑。岩だから当然硬い。弱点は関節部分と胸の真ん中にある核。関節部分を崩してから核を叩くのが一般的な戦い方だが、もちろんそう簡単に岩の関節は崩せないので、基本的に複数人で戦うことを前提とする。それをどうにかして一人で倒したロギルは結構強い。
ファイアドラゴン/その名の通り、火を吐くドラゴン。その辺の火トカゲと同じにしちゃいけないくらいには強い。普段は火山の火口口付近で群れで暮らしている。ちなみに基本群れは逆ハーレムで、メスの方が強く、オスを従えている。知能は普通の動物並だが、怒らせたら火を吐かれて消し炭にされる。ちなみにこの時王城を狙ったのはハーレムに入っていないオスで、どっかの誰かが怒らせて、そのままにしたやつが流れてきたらしい(王国情報部調べ)
プロローグ的なものが終わり、この次から魔導師と絡む……絡めたらいいなぁ
というかやや短いですかね?
なかなか一気に長い文を書くのがスマホじゃ難しくてですね…
そして本文を書くよりもモンスター説明の方に力を入れすぎている気がしますがそこはスルーの方向でオネシャス
感想、誤字脱字報告待ってます
11月30日/誤字修正しました