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適正値

 俺はとある場所に来ていた。

 それは図書館の裏手にある路地裏の建物。


 適正判断師ステータスおばさんと呼ばれる人である。

 今発覚したのだが、俺は自分のステータスが見えない。理由は考えてある。


 鑑定の技術を持っていないからだ。

 と、思う。



 まぁ必要な物は地道に集めて行けば良いや。

 そう思いつつ、真っ黒なカーテンを潜る。奥にはフードを被ったしわくちゃなおばあちゃんが一人、水晶を片手にブツブツ呟いていた。


「なんのようだね」


 俺に気付いたのか、ステータスおばさんはこちらを向く。


「あの、ステータスを見て頂きたくて来ました」


「銅貨5枚だよ」


 そう言われてやっと気付く。俺お金持ってない。

 そもそもこの世界のお金の価値、単位すら知らない。どうしよう。

 対価になるものは・・・


「すいませんお金持ってないんですが、今着ている服と交換で・・・」


「できるかい! 馬鹿なのかいおまえさん!」


 するどい罵声が飛んで来た。かえんなかえんなと追い出されようとした時、彼女は俺の腹の血に気付いた。


「まったく、馬鹿共はどこにいっても馬鹿共さね。その傷に免じてただにしといてやるよ」


 あ、町中にPKの話広がってるんだ。ある意味助かったな。これで適正が知れて今後の自分のステータス振りを調節できる。

 そしてある意味楽しみであったのはリアルスキャンでの能力値がどうなっているかである。自分の現実の能力値がそのままここでの能力値になっているわけだから。

 何となく予想できるのはVITが高い事かな。刺された時言われてたし。


「あんたはの適正値は……精神力だね。しかも異常に高い。5倍はカタいし、特別サービスだ他にも見てあげよう。………精神力の伸びしろがこれまた大きいね……以上だ」






 は?





 ステータスがこう、ばばん!って表示されるんじゃないの?

 VITの才能は?防御でしょ。


 精神力ってなんだよ。えーっと。MINDだっけ。



 えええ。

 MINDって何なの。精神力って何に対して良いの。



 これでわかったことは、ただ単に即死しなかったのはやせ我慢だったことだけ。


 ぽかんとしていた俺に彼女は話しかけて来る。


「何ぼーっとしてんだい。終ったんだから帰りな。まさか言った意味が判らないんじゃ無いだろうね」


「そのまさかです」


 そう言うと一際大きな溜息を吐きながら彼女は付け加える。


「まぁ2〜3人同じ反応をしたやつはいるけど。あんたみたいな馬鹿ははじめてだよ」


 そういうと彼女は精神力について説明をしてくれた。

 と、同時に自分の能力についても説明してくれた。水晶を使っているのはただの占いで才能と適正が判るだけのようだ。鑑定もしているが、銀貨1枚だしそこまで面倒見切れないんだと。


 精神力、MINDは異常状態に強い抵抗力を表していて同時に魔力の量も表しているそうだ。えっと、異常状態耐性とMPの才能があるってことで良いのかな。

 まぁなんとかして銀貨を作ってまた見てもらうか、魔法の勉強をして自分でステータスを見た方が早いかもしれないな。


 いずれにせよ俺はステータスポイントとやらをいつ頃振れるようになるのか。地力に関わって来るからね。







 図書館までやって来た。

 が、金貨1枚が入館料だってさ。入れませんでした。


 ふむ。どこまでリアル過ぎるぞ。他の人はどうやって進んでいるのやら。

 少々危険だが一度フィールドに出てみよう。RPGならモンスターを倒してお金を得られるはずだ。

 街の東側に向かう。少しお腹がすいているが、まだ行けるだろう。夕食の時間はまだ早い。


 神父さんに聞いた情報だと。

 空腹状態だと体力が回復しない。

 死んだら神のご加護が抜けた状態なので身体がだるくなる。(一定時間)

 寝るときは教会の寝台を使っていい。

 モンスターを素手で相手するな。最初は東のラビットを倒すと良い。


 くらいだ。いやぁありがとうございます神父さん。

 いや、今素手で行こうとしていますがね。








「で、死に戻ったと」


 今俺は神父さまに説教を受けている。

 素手は無理だったので、石を掴んで投げる作戦と石を掴んで殴る作戦を用いて、俺はラビットの肉を5つ。毛皮を3つ。手に入れた。


 ってかリアル過ぎるだろ。おいおいおい。

 肉はまぁ皮を剥いじゃえば良いけどさ、毛皮剥くのなんて初体験だよ。何なんだよ、2つミスってしまった。オジャンになったヤツは埋めた。

 この状況で時間が経てば消えるとかあるわけないだろって思ってしまった。


「クボヤマさん、危険な行動は慎みなさいとあれほど・・・」


 説教に終わりが見えない。


「ですが、流石です。素手で5匹も倒すなんて。肉は今日の夕飯にします。毛皮は家で引き取っても良いですか?」


「え、買い取ってくれるんですか?」


「いえいえ、貧乏な教会にお布施はあれど……ってやつです」


「えー」


「そんながっかりしないでください。かわりに魔法を教えましょう」


 マジか。

 ヒールを教えてもらった。ヒールは小回復魔法だ。

 やった、これで一応回復手段が出来た。


 そしてヒールは一度練習すれば上手い具合に扱う事が出来た。才能があるらしい。そして俺は神父職に勧誘を受けた。

 いやいや、なりませんって。俺は前衛職とやらをやってみたいのでね!

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