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神父vs??? 『切り札』

※戦闘描写について意見があればどんどんお願いします。あまり得意じゃないので参考になる物等があれば助かります。

 一部を除いて、マンガ知識です。

 次の俺の相手はDUOだ。

 かなりヤバい相手である。


 かなりの苦戦を強いられたロバストのギルドナンバーワンアタッカーであるハザートを楽々と倒していた。

 彼は自分の後ろに居る存在を、スタ○ドと呼んでいた。

 絶対違うだろ。


 精霊もしくは、それに準ずる何かだと思うんだが、一体なんなんだろうか。

 ファンタジー要素として俺が予測できる物は、精霊・英霊・悪魔・幽霊くらいなんだけど、その他何かあったかな。

 悪魔・幽霊くらいだったら俺にも勝機がある様に思える。


 だって神父だしね。



 で、決勝でユウジンと戦いたがっていたハザード氏は、あっさり負けてしまっていた。うん、アレは酷かったな。


 己の持つ全ての武器、武技を持ってしてもDUOの体術には敵わなかった。そして、全ての武器をへし折られて無惨に敗北した。

(※武技はスキルではない)


 ってかあの性能はおかしい。

 まさにチートと言っても良いくらいの動きだった。


 リアルスキンプレイヤーでしか有り得ない鍛錬法ビルドだろ。

 うーん。

 ノーマルプレイで取得できる職があるとしたら軽業師とか曲芸師くらいなら近い動きを出来るかなって感じ。


 所謂ジ○ジ○立ち。

 あんなもん重力に逆らってないと出来んだろ。

 謎だ。奴はヤバイ。何となくそう思う。







「クボヤマさんちょっと来てください」


 自分の試合が始まる前に、俺はエリック神父につれられてコロシアム内部の理事室に来ていた。

 コロシアムを運営するヨーザン州の首領がそのデカい身体をデカいソファに沈ませながら俺を睨む様に見ている。


 そんなに睨まないでくれよ…。


「紹介します。こちらが私の古き良き友人のヨゼフです」


「………クボヤマです」


 怖過ぎる。3mくらいあるんじゃないか。

 この人、ヨゼフさん?

 ってか理事室ってことは首領じゃんか!また偉い人か。

 友達感覚で気軽に紹介するなよ…。


「話しは聞いてるよ。ナイスファイトだったねクボヤマ君。私はヨゼフ・デヴィスマックだ」


 意外と気さくに話しかけて来るヨゼフ氏は、その巨大な手で握手を求めて来る。

 とりあえず、大き過ぎるので小指を握っておいた。

 ヨゼフ氏は半巨人族ハーフジャイアントらしい。だからそんなに大きいのね。

 ハーフでこれだから、純血の巨人族ジャイアントは一体どれくらいの大きさなのか。


 名前の通り。彼の祖父が連合国を作り上げたのだとか。

 祖父ってことは結構最近出来た国なのかね?っと思ってたら、巨人族ジャイアントは長寿でも知られる種族だった。


 で、なんで俺がこんな所に来ているのかというと。

 たった今入った情報らしい。


 俺の次の対戦相手であるDUOは、悪魔と契約している可能性があるらしいのだ。

 精霊、英霊、幽霊。諸々の諸説はあるが、あくまで悪魔の可能性が強いらしい。


 あくまで、悪魔。

 断言できないのはDUOがスタ○ドだと言い張り、悪魔と思しき謎の存在も、その姿を巧妙に擬態させているからである。


 まぁ、確実に精霊ではないだろうな。

 心が清くないと、精霊は呼応してくれない。


 でも幽霊の可能性もあるぞ。

 スタ○ドだし、幽波○だし。


 とりあえず、依頼だった。

 彼の正体を秘密裏に突き止めつつ、ヤバかったら倒してほしいそうだ。

 神父だから押し付けられてんだろうな。


 まぁいいや、悪魔だったら悪魔だったで!

 こっちとしては有利だからな。


 幽霊でも成仏させてやんよ!

 英霊だったらごめんなさい成仏してください作戦だ。


「あ、待ってくださいクボヤマさん」


 と、ろくな戦略も立てずに行こうとするとエリック神父に止められる。

 なんすか神父。もう疲れたよ。


「何か悪い予感がします。一応切り札としてコレを持って行ってください」


 そうして受け取ったのはクロスの形をしたイヤリングだった。

 お洒落アイテムか?


「私の法力を込めています。もし、呪いの類いがありましたら1回のみですが、弾いてくれます。イヤリングは割れてしまいますがね」


 普通に装備だった。ってか物騒な事言い過ぎだよ神父。

 神父の言ってる事って何気に当たるんだよな。

 念のための心構えしておこう。











 さて、とりあえずどうやって戦おう。

 一応ロールプレイヤーだよな?

 NPCから注意受けるって、やっぱりリアルスキンモードプレイヤーである証だと思う。

 ノーマルプレイヤーでは無い事は確かなので、気を引き締めて掛かろう。

 何が起こるかわからないからな。



 試合開始。

 ジ○ジ○立ちの相手に即行を仕掛ける。


聖十字セイントクロス


 対悪魔戦略だ!聖十字セイントクロスを飛ばす。

 スタ○ドの正体が悪魔だったら効果抜群だしな。


 因みに聖十字セイントクロスは別に相手にぶっ刺して使う物じゃない。

 ロバスト戦はたまたま頑丈な鎧が邪魔で威力が出ないと思ったので、接近して隙間に刺して発動させただけである。


 まぁ近ければ近い程。威力は上がるんだけどね。

 DUOは何の問題も無く避けた。


 だが、避けた。

 俺は今まで彼の試合を見て来たが、闇属性の魔法を避ける事は一度も無かった彼が。



 俺の聖魔法というか。白魔法というか。

 聖十字セイントクロスを躱したのである、


「貴様……貴様ァ! まさか俺の天敵かァアア!? ジ○ジ○ーーーー!!」


「いや、違いますが。聖十字セイントクロス!」


 戦略は決まった。聖十字セイントクロス責めにしよう。

 で、距離を近づけつつ、組み合ったら確実に仕留める。


「無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!!!!」


 くっそ。おちょくってんのか。

 全然当たらない。距離も近づかない。

 彼と俺とでは早さに絶対的な確執がある。


「ふむ、どうやらそれしか出来ないみたいだな。スタ○ドの扱いも満足に出来ないのかクズめ」


 むっかぁ。なんだこいつ。

 考えろ、考えるんだ。

 どうすればこいつに恥をかかせられるか。


 逆転の発想。閃いてしまった。

 回復系の魔法、効果抜群なんじゃなかろうか?

 そう、ヒール狩りって奴である。


自動治癒オートヒーリング! 聖書さん、彼も回復して差し上げて」


「ぐふっ!? き、貴様、何をした」


 聞いてる聞いてる。

 先ほどとは見違える様に遅くなった彼に、近づいて唱える。


「せいんt・・・ッッ!!?」


 唱えようとした瞬間、凄まじい程の悪寒を感じて飛び退く。

 後転を繰り返し急いで距離を取った。

 なんだあれ。


「限りない悪意! 際限を知らない悪意! おれは人間をやめるぞ! ジ○ジ○ーーーーーー!!!!」


 神父だっつってんだろ!

 何なんだ一体。


 彼は懐から取り出した毒蛇の紋章が描かれた仮面を付け叫ぶ。


「力を貸せサマエル! 再契約だ! 時を操る力をよこせ! 対価は俺の記憶だ! 好きなだけ覗け!」


『いや、前から覗いてましたけどね。いいでしょう。貴方の世界の深淵を見せる事が私の契約の対価です』


 仮面を付けたもう一人の彼が薄らとその姿を顕現させた。

 一瞬にして理解できた。


 あれは彼の魔力を借りて、この世界にたった今召還された悪魔であると。

 とんでもない悪意が俺を襲う。

 ん?悪意の中なんか別の何かも混ざってるけど。


 まぁいいや。

 それでも凄い悪意だからな。

 特殊保護障壁で覆われた闘技場からもその悪意の威圧感はヒシヒシと伝わっているようで、誰一人として声を発する者は居なかった。


「最高に、ハイって奴だああああああああ!!!!」


 彼はそう叫ぶと、俺に突っ込んできた。

 すごいスピードである。まずい、これは死ねる!


 自動治癒オートヒーリングで弱体化してる筈なのに!

 って弾かれてるいつの間にか。


「チッ、その邪魔な聖書の効果で一瞬動きが遅くなったか」


 やっぱり抵抗してたんか。


『私でも解除に手こずるなんて、何なんでしょうあの聖書、私、気になります』


 ああもう二人で喋るなよ。

 解除されたって事は、もう効かないな自動治癒オートヒーリング

 つっても、初級の回復魔法だしな。

 聖書さんよくがんばった。


 もうちょっと力を貸しておくれ。


「流石は我が天敵! だが次は無いぞ!」


 くそ、また来るぞ。

 本当ならば、決勝まで取って置きたかった切り札だが、ここで使わないとやられるな。


降臨フォール!!!!!」


 聖書とクロスを重ね合わせ、頭上に掲げる。

 聖力というのか、それとも法力というのか。

 とりあえず神聖な力が空から降り注ぐ。


 コレが俺の編み出した必殺技その2である。

 大気中の魔力を薄く広げた俺の魔力ちゃんがかき集めて、それを聖書さんが聖なる力に変換。

 それをクロスたそが、俺のパワーに変える。


 たぶん皆もちょっと考えればすぐに理屈がわかると思う。

 俺のクロスたそは攻撃力MND依存なのだから。


 頭上にあるクロスと聖書から変換されたパワーが、光になって降り注ぐ様が、まるで天使の梯子の様に、神が降臨しているかの様に見える事から。

 そう名付けた。


 中二臭い?

 かっこいいでしょ?


 この状態の俺は、ゲーム的に言うと、全てのステータスがMND依存になる。

 要するに、強い。

 ま、燃費は凄く悪い欠点があるけどね。


「すぐに終らせるっ!」


 まだ慣れないスピードだが、なんとか制御する。

 真っ正面から殴りに掛かる。


「ゴフッ! ぐああああああああ!!」


『まぁ、闇の魔力を纏ってますから、効くでしょうね。素晴らしい力です、私の本体にも届きそうでしたよ』


 何故かサマエルには効いていない様だった。

 まぁいいや。試合に勝てればいいし。



 早速転がして、マウントとって・・・。



 ってあれ?そこに居る筈の彼がどこにも居なかった。

 悲痛な叫びが聞こえて、後ろを振り返れば。


 闘技場の端っこに居た。いつの間に。

 あ、時を操る力持ってるんだっけ?

 やっぱそれ?


「波○の呼吸かァアアア!!!」


 ちげーよ。降臨フォールだよ。


「だが時を止めてしまえば、俺は負けんぞ!! 力を貸せサマエル! 時よ止まれ、ザ・ワー○ド!!」


 時を止める?

 チートじゃないか!




 マズい……!!
















 パリン。

 悪意に反応して、俺のイヤリングがはじけた。

 時は、止まってる?


 あ、本当だ!

 俺の回りだけ止まってる。

 でも俺は動けている。


 ああ、エリック神父。

 助けてくれてありがとうございます。

 一発目の時止めでイヤリングが反応しなかったのは悪意のせいだな。

 今は俺を殺そうとする悪意がヒシヒシと伝わって来た。


『ほぉ、時を止める術を跳ね返しましたか。流石ですね〜。そのイヤリング、法王エリックの法力が込められているんですね。久しぶりに会いたいな〜彼に』


 イヤリングは弾き返していたのか!

 その証拠に、DUOは身体を硬直させていた。


 サマエルのお陰か、五感だけはなんとか保っていたみたいだがな。


「くそっ! やはりジョー○ター家の血には勝てないのか!?」


「さっきから何言ってるんですか。私はロールプレイじゃありませんよ?」


「え? そうなのか?」


「成り行きで神父をやっているだけですからね」


「はぁ〜マジかよ。本気っぽいから俺もマジになっていたぞ」


 ああ、俺が本気になっていた理由な。

 ってかロールプレイ辞めたらこんなに話しが通じる奴なのかよ。

 何なんだよ俺の苦労は。


 俺は理由を話した。試合前に話していた内容だな。

 だが、サマエルが


『ああ、エリックと私は旧知の間柄ですからね〜。それを報告すればいいですよ。どうせこの試合見ていたんでしょうし』


 なるほどな。

 ま、とりあえず試合に勝つべくあとは彼をボコボコにするのみだな。

 そろそろ降臨フォールの効果も切れるしな。


 痛くない様にサマエルは力の供給を止めてくれ。


『わかりました』


「は? ちょっとまってくれよ。俺が何したって言うんだよ。もう負けでいいからちょっと待って、ちょっとまって、ちょっと!!!」


 降臨フォール状態での無限パンチである。











 そして、時は動き出す。








「あなたは少々ふざけ過ぎた」(ロールプレイ的な意味で)











 俺は決勝戦へと足を進めた。





 プレイヤーネームDUOの冒険を近々書きますよ。

 もし、名前的にNGでしたら。全部名前変えようと思うので、あしからず。


 やっぱダメっすかね?この名前。VRゲーなんで、その辺は自由だと思っているんですが、やっぱダメですかね?

 ディ○・ブラン○ーがダメであって、D○OはData Input/Output (データ入力/出力) の略として受け取ってくれたらありがたいんですが・・・

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