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本戦 神父vsロバスト

 本戦である。

 初戦の俺の相手は、そめ助と言うらしい。

 どんな奴だったかなぁ。

 ぶっちゃけ、覚えていないのである。



 俺的に見所は二三郎にさぶろう vs ユウジン戦なんだけども。

 一体彼等はどんな試合をしてくれるんであろうか。

 さて、今日は俺の試合ないからな。

 来賓席が今日も用意されているし、行かなきゃなんだろうな・・・。




 対戦表は、上空に常駐する飛行船がつり下げている。

 どこまでも金かかってんな!


 ん〜他に気になる組み合わせもしくは印象に残った選手は、釣王,DUO,ハザード,ロバストの名前である。


 釣王って名前からして、屈強な漁師を想像している。

 DUOは言わずもがな、勝ち上がって行けば対戦するんだろうな。


 ハザードとロバストは、なんとユウジンの知り合いだった。

 最有力攻略組ギルドのナンバーワンアタッカーとギルマスである。

 ユウジンとの絡み様を見る限り、ロバストはすごく豪快で良く笑う人だった、ハザードはクールな人でユウジンをただならぬ表情で見ていた様な気がしたが、何かあったんだろうか。


 要するに現トップギルドのプレイヤー二人。

 PSプレイヤースキルもなかなかの物であったのを覚えている。















 さて初戦はエリー vs ブロウか。

 ブロウはローブを羽織って杖を身につけているのを見る所、普通の魔術師って感じかな。豪華なアクセサリー類を付けているので、魔力補正値が高いのが予想できる。


 試合が始まった。

 結論によるとブロウは風の魔術師だった。


 確かに扱う風は強かったが、エリーは重騎士装備である。

 飛ばないし、風攻撃を完璧に防いでいた。

 盾で殴り飛ばして終了。


 あっけない物である。

 いや、エリーが強くなったのか。


 彼女は観客から喝采を浴びている。相変わらず人気者だな。




 次の試合は、agimax vs ああああ。

 あぎまっくす?それともAGIマックスと読むのだろうか。

 所謂AGI極振りプレイヤーなんだろうな。

 容易に想像できる。


 ああああ、はキャラを作り直せ。

 ネタプレイヤーと呼ばれるものなんだろうな。


 だが恐ろしいな。

 黒いタイツと鼻眼鏡のみを装備した[ああああ]が、


『ああああ!!』『ああああ!!』


 と、取っ組み合いを仕掛けて来るさまは、笑いを通り越して引いた。

 怖過ぎだろ。気味が悪い。

 ああああは、無惨に負けていた。そこだけ笑えた。




 次の試合である。

 桃華姫 vs 釣王


 二人が入場した瞬間に歓声が響いて来る。

 まるでアイドルだな。


 それも"両者共"だからね。

 釣王、屈強な漁師もしくは、戦いに長けた老釣夫を想像していたんだけど。

 期待外れだな。




 ってかアイドル見たいな容姿で釣王って良いのかよ。

 まぁ色んな男を釣っているようだが…。




 待っていたぞ。

 ユウジン vs 二三郎の試合だ!


 試合は静寂に包まれた、観客は二人の集中を邪魔しない様に息をのんで行く末を追った。

 勝負自体は一発で決まる形になる。

 ユウジンが消えたと思ったら、二三郎が防御態勢を取ったのである。


 これは決まったな。

 ユウジンに勝つ為には、攻撃させないか避けるのみである。

 生半可な防御がそれごとぶった切られるんだが、案の定。


 二三郎の三節棍はまっ二つになって、そのまま体力が尽きてユウジンが勝利。

 ふ〜む。

 初手は二三郎。ユウジンの動きを止めて善戦していたんだがな。









 翌日。

 初戦はDUO vs 暗黒黒魔法師

 暗黒なのに黒。


 今日は選手控え室の映像転写魔法石モニターから観戦している。

 黒魔法師は、闇属性の魔法スキルを取得している魔法使いという事か。


 DUOの勝ち。

 全く持って魔法が通じてなかった様に感じる。

 相性が良かったのかな。


 『WRYYYYYYYYYYYYY』と勝利の雄叫びを上げていた。




 次は鬼塚 vs ハザードだ。

 特攻服を身にまとった鬼塚選手の職業は一体なんなんだろうか。

 興味がわいた。そしてその装備は一体どこで手に入れたんだろうか。


 ハザード選手は武器制限解除スキルを持っているようで、その効果は攻撃スキルが仕えなくなる代わりに大量の武器を装備できるといったもの。


 ほ〜ん。なるほどね。


 実況さんが判りやすく説明してくれるので、こっちとしても対策を立てやすいな。

 まぁ武器制限解除ってのは、見たまんまですぐにバレやすいから説明を入れて盛り上げとこうってことかな。


 戦いっぷりはすごかった。

 様々な武器が色んな所から振って来る。

 魔術もあればさらに凄そうである。


 そんな押し寄せる武器の中、素手喧嘩すてごろで戦っていた鬼塚さんの男気に感化された。

 ボロボロになっても立ち上がる姿に。

 鬼塚コールが巻き起こるが、ハザードはあっけなく止めを刺すのであった。






「次の対戦はユニークNPCで戦う神父! クボヤマ選手!!」


 名前が呼ばれた。行くか。

 ってか誰がユニークNPCだ。ざけんな。


 会場に入ると歓声が響く。

 対戦相手はそめ助か。


「対戦相手はかかぁおらがんばるど! そめ助選手!!」


 どんな紹介だよ。

 さて、どんな選手なんだろうな。

 待っているが一向に選手が来なかった。


「え〜と、情報が届きました。そめ助選手、リアルで急遽母親が倒れたらしく試合続行が不可能となりました。この試合、クボヤマ選手の不戦勝です!!」


 え〜。楽しみにしてたのに。

 まぁいいや、とりあえずそめ助選手のお母さんが無事であります様に。


 おれはクロスを捧げると会場を後にした。





 最終試合はロバストが勝利して終った。俺の次の対戦相手だな。



2回戦メンバー対戦表

エリー vs agimax

ユウジン vs 釣王

DUO vs ハザード

クボヤマ vs ロバスト


 こんな感じだ。


 さて、2回戦も俺の番が回って来た。

 ロバストとの試合だな。


 ロバストは堅実なカウンターアタッカーだ。

 大剣を使い防御も攻撃もお手の物。

 素手のスキルもいくつか持っているらしく、武器を奪いに掛かった相手をぶん殴っているのを見ている。


 ま、もっとも俺には大剣なんて奪えそうも無い。

 小手先の武器だったらなぁ。

 白刃取りとかどうかな…?

 いやまっ二つだろうな。押し切られそうだ。

 俺、STR低いし。



 そんなこんなでロバストと向かい合う。


「よぉ神父さん。噂には聞いてたんだがな、まさか本当にユニークNPCだったとは」


「違いますよ。私はプレイヤーの一人です」


「それもそうだな。これプレイヤーイベントだし」


 彼は大剣を背負いながら軽口を言う。

 頑丈そうな鎧を見る限り、STR、VITメインでAGIにもバランスよく振っているのが伺える。

 俺があの鎧着たら息切れはしないまでも動けなさそうだ。


「そうだ、このイベントが終わったらあんたとユウジン、ウチのギルドにこねぇか?」


「いえ。私には目的がありますから、ご遠慮しときます」


「ウチは最有力の攻略ギルドだ、目的なんか、すぐに叶っちまう・・・ぞっ!!」


 開始の合図が出る。

 同時にロバストは動き出した。意外と素早いな。

 だが、大剣の大降りだ。難なく躱す。


 そしてこっちからも逆に近寄ってやり、鎧の隙間に手を伸ばす。

 組み付くには最適だからな。


 すぐに拳が飛んで来た。

 かなりの威力だな。

 やっぱり武術系の職にも手を出していたか。


「鎧の隙間狙って来るとかこえーな!」


 会話には返さない。

 彼の拳を手で逸らすと、すぐに伸びきった腕を極めにかかる。

 うーん頑丈だ。

 防御系のバフにも振っているのか?


 まぁいいや、魔力ちゃん、クロスたそ、聖書さん。

 みんなで力を合わせて頑張ろう。


「フンッ!!」


 腕を極めようとしていたが、その状態でロバストのスキルが発動する。

 パワースラッシュだ。

 俺は腕を取ろうとしているから、発動しても意味ないのだが。


 と、高を括っていたら、急激な力に俺は腕から弾き飛ばされた。


「まぁよく居るからな、組み付こうとするやつ。その為に編み出した技だぜ。パワスラで身体から弾き飛ばすってな!」


 彼は再び大剣を構える。

 余程組み付かせたくないらしいな!

 面白くなって来た。


「いいでしょう」


 クロスたそを鉾の形状にする。まぁ言わずと知れた、十字架の長い所がさらに伸びただけ状態。


「すげーな。ユニーク武器か」


「私の伴侶です」


 あと二人居ます。

 間違ってないですが?

 なにか?


 ってことで、次は武器ありきでの打ち合いが始まった。

 あ、もちろん相手のステージに合わせてやる必要は無いからね!

 魔力ちゃんがクロス振ってくれるし。


 そんなに組み付かれるのが嫌ならとことん組み付こう。

 2対1だ。


「くそっ! うざってぇ! 何なんだその武器は」


 彼は片手で大剣を振りクロスの相手をしながら、空いた手では迫る俺を必死にガードしていた。


「ソードバッシュ!」


「っ!」


 彼はクロスを放置して、俺に剣を向けるとその腹で体当たりをする。

 シールドバッシュのソード版って所だな。


 ぶっ飛ばされる俺。

 今のは地味に痛かった。大剣に意識してなかったからだな。

 あ、鼻血が出てるし、腕もひびくらい入ってそうだな。


 自動治癒オートヒーリング


「なんだそりゃ。それもユニーク装備か?」


「嫁だ」


 駆け出す。

 今のはちょっと痛かったぞ。



 痛かったぞ!!!



 埒が明かないから無理矢理にでも活路を開く。

 ってか、このまま削り合いが続くと確実に負ける。俺はVITは高めだが、あくまで高めってだけで、普通に鍛えてる奴に敵うはずも無い。

 そして軽いから場外にでも落とされたら即負けだからな。


 組み付けないなら抱きつけ。エリー戦法だ。

 俺は魔力ちゃんと聖書さんを全開にして飛びかかった。


「投げたか。終わりだな……なに!?」


 当然大剣で狙われるだろうな!

 だがしかし、だがしかし!


 魔力ちゃんで威力を抑える。

 強度は無いが、絡めとる網みたいなもんだ、少しでも剣速を落とせ。


 仰け反ったがギリギリ躱しきれず、剣先が胸をなぞる様に走る。

 深さは骨で止まってくれた。

 だったら自動治癒オートヒーリングで対応できる。

 痛みは堪える。我慢だ。


 普通の十字架の大きさに戻ったクロスたそを握って彼の首元の隙間から鎧の中に突き刺す。


聖十字セイントクロス!!!」




 膨らむ十字架。

 それに伴って聖なる魔力が彼の鎧の中でその魔力を溢れさせる。


 そして鎧は崩壊し、彼の身体は焼け焦げ倒れ臥した。

 くそ、それでもHP削りきれないとかどんだけだよ。


「お、俺が立っていられないなんてな…まいった」


 ロバストの一言で俺の勝利が確定する。

 はぁ、かなり危険な掛けに出なければ勝利できなかった。


 プレイヤーでも、ここまで強い人は居るんだな。

 俺はユニーク武器やユニーク装備と呼ばれる物に身を固めているからな。

 トコトン自分の弱さが知れてしまう。

 まぁ、切り札を使う事もなかったので、今回は良しとしよう。


「なぁ……本気なんだ、マジで俺んとここねぇか? ダメなら目的ってのを教えてくんねぇか?」


「私の目的は魔法都市アーリアですからね、方角が真逆なんですよ。一度図書館に行って世界地図を見てみると良い」


 ロバストは仰向けの体勢のまま、ギルドに勧誘をしてくるがお断りしておいた。

 世界は広いんだよロバスト。


「ちくしょう……次は、負けないからな!」


 いつでも受けて立とう。

 お前らを導くのが神父の役目だから…。


 あ、違う。

 何言ってんだ俺。


 言いたかった事は、来る物は拒まない。

 それだけだ。






 タイピングが進む限り書いていますが、まれにう〜ん。ってなる事もあります。

 まぁいいや。

 20話達成しました。

 30話で掲示板回、もしくは大会終了後に掲示板回とか挟みます。

 んでんでんで、ノーマルプレイヤーでの登場人物あたりの成長の記録もいずれ。


 戦闘パートは続く。

 次はvsDUO!!!wwっw


※D○OはDUO(デュオ)になりました。

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