表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

『川の主のイワナと赤プレスマンの浮きと赤飯の握り飯』

作者: 成城速記部
掲載日:2026/08/13

 どこのお話でしたか、仕事を終えた木こりたちが釣りをしていたときのことです。その日は見事な坊主で、赤プレスマンの浮きは、ぴくりともせず、誰も一匹も釣れませんでしたが、その日は、木こりの村のちょっとしたお祝いで、赤飯の握り飯を、三つずつ持っていましたので、魚は釣れなくてもよかったのでした。

 と、そこへ、子供を抱いた女があらわれ、食べ物を分けてほしいと泣きながら頼むのです。木こりたちは、握り飯を一つずつ、女に分けてやりました。たき火に照らされた女が、何やら色っぽく思えたのです。男は、色っぽい女に弱いのです。

 それはさておき、女の前には、赤飯の握り飯が山のように積まれました。とても食べきれない量に見えたのですが、女はひょいぱくひょいぱくと、握り飯を飲み込んでいきます。木こりたちは、子を持つ母のたくましさに感心しつつ、もっと滋養のあるものをと思って、魚を釣ってやろうとしましたが、とんでもないというふうで、女は赤飯の握り飯を食べ終え、何度も何度もおじぎをして、どこかへ去っていったのでした。

 次の日、木こりたちは、また仕事を終えた後、釣りをしましたが、見事なくらい坊主でした。もう諦めて帰ろうとしたとき、一人の木こりに当たりがありました。手ごたえからすると、とても大きいようです。木こりたち全員で手伝って、ようやく釣り上げたところ、大きな鮭よりもっと大きなイワナでした。木こりたちは、たき火を大きくし、この大きなイワナを焼いて食べようと、腹を割いて内臓を取り出そうとして驚きました。腹の中にたくさんの赤飯が詰まっているのです。木こりたちは、事態を察しました。このイワナは、きのうの女で、きのうの女は、このイワナが人間に姿を変えたものだったのです。

 木こりたちは、複雑な気持ちになりながらも、もう魚を生き返らせることはできませんので、イワナの腹に赤飯を詰め直して、遠赤外線でじっくりあぶって、おいしくいただきました。



教訓:命をいただいたら、おいしく食べる。それも供養。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ