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状態整理、これ、めっちゃ大事。

「紙とペンを。」


音もなく寄ってきたメイドに礼を言う。ぎょっとしたような顔をされた。でしょうね。



とりま、状況を整理しよう。

ここはトランパーエル王国。その名の通り、トランプがモチーフになっている、乙女ゲームの王国だ。

私は、悪役令嬢ロザリー•ハートウェスト。

つまりは、ハートの女王ポジである。

この国唯一のファンタジーは、『模様制度』であろう。

次代の王国を担う物にはある日突然体の何処かにトランプの模様が浮かぶ。

女性に浮かべば彼女は『クイーン』。男性に浮かび、サイズが大きい方が『キング』小ぶりな方が『ジャック』とされる。模様が浮かんだ者は、将来が約束されたも同然。

その模様もさまざまで、模様が複雑で色が濃く、サイズが大きいほど優秀だと言われている。


そんなファンタジー要素により、模様が浮かんだ子供たちは問答無用で国の国立学園に入れられる。

そこで繰り広げられるのが『救国の白い花』だ。

平民のブランシュが、ある日突然模様持ちになり、クローバーのクイーンとなる。クローバーレール伯爵家に迎え入れられ、学園に入学。

とまぁ、ありきたりな話だ。

しかし、考えてみてほしい。トランプだぞ?

ハート、スペード、クローバー、ダイヤ。

一つにつき、攻略対象は2人。+ジョーカー。

4×2+1=9 総勢9人の攻略対象だ。

イケてるメンズ多すぎない?

その多種多様なイケメンの攻略エンドで、ことごとく死ぬのがこのロザリーである。

制作会社がイケメンに力を入れすぎたのかしらないが、総勢9名のイケメンの悪役令嬢全部をロザリーがこなす!


前世もびっくら仰天のブラック企業ではなかろうか。


ひとしきりまとめたところで、正面のドレッサーを見る。ロザリーの左頬には、すでに鮮やかなハートの模様が浮かび上がっていた。 


(確か……)

ロザリーのハートが浮かぶのは、3歳の王家との顔合わせの茶会という名の婚約者ぎめお茶会である。

茶会の真っ只中でまばゆい光を放ったロザリーは、トントン拍子で第3王子の婚約者に決まってしまった。


感のいい方は分かるだろう。此奴が攻略対象その1だ。

第3王子、セシル•トランパーエル。

何よりこいつは背景が激重。パワーバランスのため、結婚が生まれる前から決まっていた現在の王妃は、ダイヤラント公爵家から嫁いできた。

しかし、いつまでたっても子が出来ず、3年後に嫁いできた側妃が先に男児を産んだ。

しかも、2人。

窮地にたった王妃はその翌年、大変な難産で第3王子を産んだ。代償として、もう子供が成せなくなってしまったが。やっとのことで手に入れた子を王妃は溺愛し、何が何でも王位を継がせようと躍起になっているのだ。

そのためにいち早く同年代の中で模様を出したロザリーとの婚約をゴリ押しで進めた。


そっと目を閉じ、頬の鮮烈なまでに赤い模様をなでる。

太陽を閉じ込めたような金髪と、ミルクのような滑らかで傷一つない肌。太陽色のまつげが縁取る真っ赤なルビーの瞳。その姿は齢4歳とは思えぬオーラがあった。


(え、もう婚約者フラグも立ってますやん。確か、セシルのルートは処刑か、子供ができるまで監禁されその後殺されるか、修道院追放される途中で野犬の餌エンドか……救いは??救国やろ??悪役令嬢に救いは??)


だからそんなことを脳で叫び散らかしてるなんて、夢にも思わないだろう。

オタク全開フルスロットルをこれからもかまして参ります。

少しでも、面白く思えてもらえましたら、テンテケテケテケテンテンと☆押してくださればほどほどに頑張れます。

お願いします(≧Д≦)

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