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ヘルプミー、カムバック!!&激重感情

(ぃ゙やぁぁあぁああ!!2人にしないでぇ!!)


父2人がメイドを残して、「交流を深めなさい」とでていってしまった。兄はすでに学園入学し寮に。弟は別の貴族の家へ遊びに。

ロザリーに残された命綱はエリーのみだった。

エリーとて、ロザリーの護衛兼専属メイドとして訓練を受けている。しかし、目の前の殺戮ジョーカーに勝てる気はしない。

文字通り、運命の切り札であるジョーカー、ダグラスはピクリとも動かない。

沈黙だけが流れ続けていた。


(気まずいよぉぉ!!!いくら転生したと言っても根本は日本人なの!ジャパニーズ!!!繊細な心の持ち主なの!!!!沈黙とか無理ぃい!!!!)


◇◆◇◆◇


(綺麗な人だなぁ……)


ダグラス•ロンドはぼんやりと考えていた。

目の前の、凛とした態度を崩さぬまま紅茶を嗜むご令嬢、ロザリー•ハートウェスト。俺が学園卒業までに殺さなければいけない相手だ。


幼少期に拾われてから、ありとあらゆる暗殺術を仕込まれてきた。躾とは名ばかりの虐待まがいの方法で。

命令されるがままに殺し続けているうちに、心も動かなくなっていった。それが昔は悲しかったのだが、今はそんなことすら考えなくなった。

交わされた隷属の魔法に従い、殺すだけ。

今回もそのはずだった……のに。


ロザリーの美しさに釘付けだった。

真っ白で陶器のような白い肌。ティーカップに着けられた、薔薇色の唇。長い金色のまつ毛が縁取る深い深い赤色の瞳は陽の光を反射して、きらきらと輝いている。

どこをどう切り取っても完璧としか言いようがない。


ダグラスは、久々に心が動くのを感じた。

それは一種の感動であったろうか。圧倒的美に対する尊敬と感動。ダグラスは、なすすべもなく瞳をロザリーに当て続けていた。

ガン見に耐えられなくなったのであろう、ロザリーが口を開く。


「あ、の。わたくしの顔に何か……?」


「あ、いや、その、あまりに綺麗で。」


(何を馬鹿正直に言っているんだ俺は!!)

羞恥に赤くなる顔を俯いて隠そうとしたとき。


「……ふふっ」


女神の声がした。まるで春の陽だまりのような、完ぺきな女神からこぼれたひと笑い。

細く、形の良い桜色の爪に彩られた手がロザリーの口元で笑いとともに小刻みに揺れる。

青天の霹靂。

頭から痺れるような衝撃と共に、この日ダグラスは恋に落ち、義父の元からなんとしても離れることを決意した。


彼女のような女神に、あのクズ(義父)の息子だという事実は要らないから。



そんな激重感情を向けられているとも、最大のフラグを打ち立ててしまったことにも気が付かないロザリーはお茶うけのフィナンシェを気まずげにつまんでいた

受験でギリギリですが……誤字とかあると思います。

勉強してろよって話なんですが。


かなーり不定期なので、ぜひ☆と、ブクマポンコポンコ押して、お待ちくだされば幸いです。


追記 フィナンシェはお茶漬けではありません。お茶うけです。誤字職人さんに感謝ァ

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