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第七話 師匠

 「貴方には、この一週間、修行をしてもらうわ」


 「しゅ、修行……ですか?」


 さっきの戦闘で疲労している僕は、恐る恐る聞いてみようとした。


 だが聞こうとすると彼女は、大声で叫ぶ。


 すると周りの世界がバラバラに崩れる。


 まるで完成したパズルが粉々に砕かけるように。


 するとそこには、新たな顔を現す。


 そこにはなんと自然が現れた。


 森があり、川のせせらぎ、鳥の鳴き声がスッと耳に入ってくる。


 「……えっ」


 今起きている現状に頭の情報がパンクし、固まる。


 「まぁ……最初はこうなるわよね)


 彼女は、ポンポンと六真の肩を叩き、我にかえそうとする。


 僕は、我に返るとそこからガサガサと草木が揺れ始め、何かが近づいてくる。


 警戒心を高め、身構えるが彼女は、安心しての視線を向けていた。


 「よぉ、穂野江遅かったじゃねぇか?」


 「申し訳ありません。タケミナカタ様」


 そこからでてきたのは、両腕がなく、柔道着を着たお兄さんだった。


 なんとなく商店街でいそうな気前の良いあんちゃんぽいような気がしなくもない。


 そういえばタケミナカタ様っていってたよな!?


 あの国津神であり、日本の神の一人だよな。


 僕は、内心驚いていた。


 「六真君、このお方は国津神・建御名方神たけみなかた様よ。そして貴方の師匠よ」


 「えぇぇぇ!!」


 神様から直々に稽古をしてもらうことになって僕は、心臓が飛び出るような声を張り上げる。


 「よろしく頼むぞ。六真。後、俺の事はタケさんって呼んでくれ。堅苦しいのは嫌いだからよ」


 ガッハッハと高笑いし、あれよあれよと話は、流れていった。


 突然タケミナカタ様から提案をされた。


 「なぁ、六真……お前の実力を確かめても良いか?」


 「じっ、実力ですか?」


 タケミナカタ様は、ワクワクした表情で今にもやりたそうに鼻を荒くしている。


 だけど僕は、嫌でもわかる。


 絶対に……負けると。


 人間と神の実力は、天と地程の差、いや宇宙と石である。


 そして武術の【ぶ】の基礎も知らない人間がやっても100%勝てない。


 だがこんなキラキラした目を向けられたら断れない。


 「頼むよぉ〜お前のためだからさぁーー」


 とゴネられ、渋々承諾した。


 「それでは……いきますよ」


 僕は、漫画やドラマなどで観た素人丸だしのファイティングポーズをとる。


 対してタケミナカタ様は、脚を大きく開き、まるで大樹の根っこのような立ち方をする。


 そして穂野江は、審判を務め、双方に見つめる。


 「はじめ!!」


 開始の火蓋が切られた瞬間、僕は、足を動かしたが視線がグラッとゆらつく。


 倒れた僕は、すぐに立とうとするが足が動かなかった。


 太ももは赤く腫れ、足は、いつの間にかグネっていた。


 気合で立ち上がろうとするか足で腕を掴まれ、投げられたり、骨が数本折れたような感触があった。


 そこから僕は気絶した。


 上を向くともうそこには、目の前にタケミナカタ様がいた。


 「ありゃ、すまねぇ。加減が出来なかったな」


 「……」


 僕は、遅れて来た痛みに悶絶し、一言も発せられなかった。


「六真君!?待って、すぐに治療するわね!!」


 彼女は、キュアリア?を唱え、みるみると痛みが引いていった。


 「あ、ありがとう。穂野江さん」


 彼女は、安心した顔をしたがタケミナカタ様に向かって般若の化身を浮かべていた。


 「タケミナカタ様……?」


 「いや、あの、違うんだ!?穂野江、実力を試そうと加減したんだが、ちょ〜っとハリキリすぎて……」


 「何してるんですか!もうそこに座って下さい!!」


 と神様相手に説教する穂野江さんだった。


 ーー十分後


 「待たせたわね六真君」


 「よぉ……六真、すまねぇな」


 タケミナカタ様は、穂野江の説教にやられたのかげっそりと顔が痩せ細っていた。


 「それじゃあ六真君、ここで一週間修行してもらうわね。学校には、私が連絡するから」


 「ちょ、ちょっと待ってよ!流石にここで……」


 「休学扱いにするから大丈夫よ。後ここでの一週間は、一ヶ月だから遠慮なく鍛えられるし、勉強は私が教えるから」


 ニッコリと微笑みながら用意周到に済ませているのが逆に怖い。


 僕は、彼女に絶対に逆らわないよう胸に刻み込んだ。


 「それじゃあ六真……修行を始めるぞ!」


 「エッ!?僕もうシミュレーションのやつでもうヘトヘトなんですけど……」


 「おう、だから忘れないようにしっかりと体に覚えさせるんだぞ」


 何を、と言いそうになったかグッと堪えを現実を受け止める。


 「ふぅむ、それじゃあ……」


 指パッチンならぬ、器用に足パッチンを決める。


 そこからロープが現れ、六真の両手・両足・腹に絡みとられる。


 「な、なにするんですか!?」


 ジタバタともがき外そうとするが硬く丈夫で中々取り外せなかった。


 「ほんじゃ、今からこれを引きずりながら走ってこい」


 タケミナカタ様が虚空から出したのは、なんと岩石だった。


 ロープは、岩石に絡み、ガッチリと固定される。


 僕は、体を動かそうとするが一歩も動けないのだ。


 「あのぉこれ重さはどのくらいあるのですか……」


 恐る恐る聞こうとするとうぅ~んと悩みながらつぶやく。


 「40kgだったかな?」


 「よ、よんじゅうぅぅぅ!?」


 僕は、全身から冷や汗をかく。


 「それじゃあ、今すぐ森の中を走ってこいよ。戻ってこなきゃ飯が食えねぇぞ」


 優しいオーラが消え、完全に鬼の指導官としての顔をしていた。


 「わ、わかりましたぁぁぁぁ!!ちくしょょょょ!!!!」


 僕は、体が重くなりながらも、全力で森の中を走り始めた。


 「タケミナカタ様、私も残ります。彼には、魔術を教えなければいけませんから」


 「ん?そうだなアイツは、まだ力もない人の子だからな」


 「それで……タケミナカタ様、彼は、生き残れますか?私達の戦いに……」


 穂野江は、心配そうな瞳をさせるが現実は非常でもある。


 「無理だな。あれにはなんの才もない。ただ……」


 「ただ?」


 「アイツには、なんだか底しれない何かが眠っているな」


 タケミナカタは、薄々感づいており、六真にある邪気の量に。


 「まぁ、アイツには、しっかりと武術の基礎を叩き込むから安心しろ」


 「はい……」


 この胸のざわめきが治まらない穂野江は、彼を絶対に護ると決意する。


 そして六真のための地獄の特訓が今始まったーー

皆様、どうも毎度作者の蒼井です

お元気ですか?

唐突ですか私は、冬が近づくと肌が荒れてしまい、いつもハンドクリームを塗りますが読者の皆さんはどうですか?

それでは【人魔転生ーー黙示録】をここまで読んで下さりありがとうございます!

次のお話は、未定ですがボチボチと書いていますのでお待ちいただけると幸いです

それではまたお逢いしまょ〜う

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