第六話 仮合格
戦闘が終わり、サイタイスから『戦闘終了の確認。これよりバリアをときます』
機械音声が発せられ、四方を囲む透明のバリアが無くなった。
僕は、腰を抜かしその場でへたり込んでしまった。
彼女……穂野江が近づき、心配な瞳をしているが無表情に言う。
「これが本当の戦い。誰も助けを求められない、けどこれで決まりね……仮合格よ」
「か、仮合格……ですか?」
涙が溢れだし、ポタポタと地面に不規則に滴る。
「大丈夫?」
「大丈夫じゃありませんよ!!」
心から湧き上がる怒りが勝手に漏れ出す。
「なんで助けてくれなかったんですか!?教えてくれたって良かったじゃないか!」
「どうし……て助けてくれなかったんですか……この馬鹿野郎!!」
胸ぐらを掴み、彼女の頬を殴りかかろうとする勢いだった。
彼女に罵詈雑言を浴びせるていたことにハッと我にかえる。
謝ろうとするが、彼女は、黙って反論せず、黙って聞いていた。
「むしろそう言われてもしょうがないわけど……馬鹿野朗ね。それでもこれが私達、DDO隊員としての仕事なのよ」
そう諭す顔をしながら言った。
だが穂野江は、別の事を考えていた。
あの時にでてきた得体も知らないアイツがでてこなかったのだ。
穂野江は、ある考察を巡らせていた。
彼に命の危機があったらでてくるのと、あの吐き気を催す邪気を纏ったアイツがもう一度見れるのではないと。
だが見れなかった。
予想は外れ、もしあのままスライムに喰われていても死にはしない。
けれどそれは、己が溶かされる感覚を味わうのだ。
誰だってそれは、経験したくはないだろう。
そしてなにより、召喚されたのはスライム。
なにより最低ランクとして認定されており、倒すのは、簡単だが邪気を捉える技術がなければできない。
それは、スライムの核を貫くもしくは、魔法で倒すの二択だ。
見たところ彼は、魔法を使う片鱗も魔力もない。そして武術の才能もない。
そんな人物が人の生存本能の爆発か、見事一指しで急所をついたのだ。
多分彼に聞いてもわからないだろう。
だがあれこれ考えていたが穂野江は、次のステップに進もうと六真に告げる。
「貴方には、今から強くなってもらうわ」
「え……?」
僕は、キョトンとしながら彼女の顔を見た。
どうも毎度お馴染み作者の蒼井です!
読者の皆様、お元気でしょうか?
秋の季節は、読書・スポーツ・食事の三種ですね。
私は、断然食事で食べ過ぎないようにしますが…:D
小説は、ボチボチと書いておりますがそれでも待って下されたり、イイネをくれたら泣いて喜びます!!
それでは、また逢いましょう〜