第50.5話 囁き
「グゥゥ……ヌゥゥウ……」
引き千切られた腕で暗い夜道を歩く男がいた。
『どうした、早く我にその肉体を渡せばその傷を治してやる』
「貴様、黙っていろ!!」
誰もいない所で男は怒鳴り散らす。
自分の頭の中で話しかけるソイツにイライラしていたのだ。
しつこくて肉体を寄越せとーー
ハヤク、早くあの御方にご報告しなければ……
硬い忠誠心による精神力で肉体を動かしていたのだ。
男は魔界の門から這い出た悪魔の腕を喰らい、魔人として人間を超えたはずだった。
しかし邪魔が入り魔人としての力を身に着けたはずが赤子の手を捻るように打ちのめされたのだ。
だが急な魔人の力の覚醒に慣れておらず、ましてや慢心が過ぎたのかもしれない。
しかしそれよりもあの男が言っていた言葉が頭に染み付く。
【出来損ない】
その言葉が頭の中でグルグルと駆け巡り、血が上る。
ギリリィと歯を掻き鳴らし、やがて血を垂れ流す。
違う!ワダジは完全に魔人として覚醒したのだぁ!!
『そうだ、アヤツの言っておった通り。今のお前は力を操りきれてあらぬ』
「貴様まで同じ事をいうのか!」
『現にそうであろう。だが我と"契約"すればお前にとって利益となろう』
「何を……言っている?」
頭の中で囁く正体が分からないコイツとワタシが契約だと?
もし契約をして低級の悪魔だとしたらすぐに殺してワタシの力にしてやる。
『我をそこらの悪魔と同じにするのはやめよ』
厳正たる声が頭に響き、身体が動けなくなる。
コイツ、ワタシの身体を動けなくする程の力を持っているのか!?
男はおかしく嗤う。
「クックッそうか。お前と契約か、良いだろう。代償はなんだ?」
『我にとってお前という人間は最高であるぞ』
その代償はーー
そうして男は頭の中で囁く正体が分からないソイツと"契約"を結んだのだ。
悪魔との契約とは自分にとって有利に事が進むようにするために悪魔は契約に穴を空けておく。
それが最後に契約を成し遂げた時に例えば魂を貰い受ける、現実世界に顕現するなどの恐ろしい行為である。
そうして男と悪魔との契約は無事に成立されたのであった。その代償は重く人間として疑うことだったとしてもだ。
『此奴を利用し、アヤツの正体を知っておきたいのだからな。せいぜい我の役に立て、クックッ』
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